こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は258話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
258話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 再びアグリチェの地へ
しばらくして、ロクサナとジェレミーはもともと泊まっていたグリゼルダの邸宅に到着した。
グリゼルダはなぜか明るくない顔で彼らを迎える。
ジェレミーがそれを不思議に思った理由を尋ねると、彼女は少しためらった後、うっかり眠っている間にニックスが消えたと言った。
その後、隠れ家の周囲をくまなく探したが、結局は彼を見つけられなかったという話を聞いてジェレミーはびっくりする。
彼は、素早く人を集めて周辺を捜索することを主張した。
一人で外に出たニックスが危険なことを犯したり、他の家門の人々の目につくことを警戒しているようだ。
しかし、そんなジェレミーと違って、ロクサナは何を考えているのか分からない表情で、グリゼルダをじっと見つめる。
グリゼルダの言葉とは異なり、家の中には誰かがこっそり抜け出した跡がなく、彼女の顔もやはり突然の状況に対する困惑感ではなく、他の暗い感情に薄く染まっていた。
ついにロクサナの視線が低く垂れ下がる。
間もなく彼女は,ニックスを探しに急いで出ようとするジェレミーに「その必要はない」という短い言葉を残した後、アグリチェに戻る準備を始めた。
ジェレミーはロクサナの決定に疑問と当惑を同時に感じた。
しかし、ロクサナは意見を覆すつもりがないように見え、グリゼルダもなぜか生ぬるい態度で彼女を止めなかった。
そうして彼らはその日の夕方、アグリチェに向かう馬車に乗る。
ロクサナが再びアグリチェの地を踏んだのは、近季ぶりのことだった。
「姉ちゃん、僕の手を握って降りて」
私は馬車からジェレミーのエスコートを受けて降りた。
永遠に戻らないつもりで旅立ったアグリチェに、このように戻ってきた気持ちは奇妙だった。
ジェレミーは席に立ってゆっくりとあたりを見回す私に言った。
「それが・・・まだところどころ復旧ができていなくて・・・」
ジェレミーが言ったように、アグリチェの内部にはまだ昨冬の荒廃した姿が残っていた。
「だから美観上見たくない部分もあるはずなのに・・・でもすぐ直すよ!」
ジェレミーは状況に少し合わなかったが、内心興奮しているようだ。
少し前までは馬車の中でずっと私の顔色をうかがっていたのに。
私がアグリチェに戻って来たこの難事があまりにも明らかになった。
その一方でジェレミーの目にはちょっとした焦りがにじみ出ている。
せっかく帰ってきた私が前とは違ってみすぼらしいアグリチェに失望して心を変えるのではないかと少し心配している様子だった。
ジェレミーを安心させるために私は言った。
「いいえ、思ったより整理がよくできていて驚いたわ」
するとジェレミーの表情が一層明るくなる。
私は彼の手を取って、先に前に足を踏み入れた。
「そしてアグリチェにはあなたがいるから。そんなことは構わない」
手を繋いでいるジェレミーの動揺が伝わってきた。
すぐに私の手に加えられる握力が一層強くなった。
横から漂う雰囲気がなぜかふわふわになったような気がした。
ジェレミーと私は手をしっかり握って建物に向かって歩き始める。
消息を聞いて出てきた使用人たちが一斉に頭を下げて挨拶した。
以前より数が確実に減ったが、それでも思ったよりアグリチェにまだ残っている人が多い。
何人かの異母兄弟が私とジェレミーにぎこちなく挨拶した。
中にはジェレミーの顔を見て、見られないものを見たように胃もたれした表情をしながら振り返る人も。
ジェレミーは自分の重みをすべて投げ捨てた顔でにこにこ笑っていたので、それは当然のことだ。
「ロクサナ様!」
その時、誰かが私の前に飛び出してきた。
私も覚えている顔だったので、彼に声をかける。
「ヨアン。アグリチェに残っていたのね」
ラントが生きていた頃、ずっと地下牢の門番を務めていた男だ。
カシスが捕まってきた時、初めて顔を出した後、たびたび邸宅の中で会う度に挨拶を受けてくれたりしたが、ラントが死んだ後も離れずに、よくまたアグリチェで働いているようだった。
「はい!ロクサーナお嬢様が帰ってくると信じていました」
彼は私を見てとても感激したようだ。
「お前は何でうちの姉に親しいふりをするんだ?」
逆にジェレミーは突然飛び出してきたヨアンが気に入らないように顔をしかめた。
「申し訳ありません、首長様。ロクサナお嬢様が帰ってこられたのが嬉しくて生意気でした」
「こいつ・・・今日はいい日だからそのまま見過ごすけど、これから気をつけてね。分かった?」
「はい!:
だが、ヨアンの話を間いた後、荒々しくなろうとしたジェレミーの勢いがやや弱まった。
どうやら私がアグリチェに戻ってきて嬉しかったからだという話に同質感でも感じたようだ。
ジェレミーはいつヨアンに向かって目を向けたかのように穏やかな顔で私を振り返りながら尋ねる。
「姉ちゃん、疲れてるだろうから、とりあえず部屋に行って休む?」
「そうね。ジェレミー、あなたもちょっと休んで」
「私が姉ちゃんの部屋を毎日掃除しておくように指示しておいたから綺麗だと思うよ」
やはりジェレミーは、少し前まではニックスのせいで深刻だったことも忘れていたようだ。
私は満足そうなジェレミーにありがとうと言って笑う。
するとジェレミーの口元が揺れた。
ジェレミーはすぐに部屋に戻らずに異母兄弟に立ち寄ると言った。
彼がいない間に何か特別なことはなかったか確認するためのようだ。
あえて私を部屋まで送ってくれると言うジェレミーを断って一人で階段を上る。
しばらくして、静かな廊下に私の足音だけが響き渡った。
昔、この建物までは火が届かなかったせいか、覗野に入る全ての所がきれいだった。
冬以前よりアグリチェに滞在している人の数がはるかに減ったため、なぜか室内がより広く感じられたりもする。
・・・そのせいか。
どうりでアグリチェがちょっと不慣れに感じられた。
この中に入って歩いている間、以前とはどこか違う静かな空気が全身をよぎる。
そうするうちに不顕ように私はこの見慣れない雰囲気の中に安穏さが染み込んでいるという事実に気づいた。
開いた窓から木の葉が風に揺れる音が押し寄せてくる。
私の小さな髪は視界からかすかに光っていた。
その間、私は窓の外に覗線を動かした。
「・・・そうか」
アグリチェはもはや毎分毎秒緊張して過ごす場所ではなかった。
ただそれだけでも、ここはこんなに見慣れない色彩を着て、私が知らない世界になっていたんだ。
私はその場にじっと立ち、緑の津波が揺れる窓の外を長い間眺める。
どんな言葉でも正確に形容しがたい気持ちを抱いて。
アグリチェへの帰還。
ロクサナのこれからの行動は?
再びカシスと合流するのでしょうか?
ニックスの行方も気になりますね。
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