こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は48話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
48話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 残酷な言葉
「ラント・アグリチェ。あなたは知らなかっただろうけど、私はずっとあなたのことを見守ってきた」
うら寂しいカシスの声がラントの頭上に落ちた。
「今まであなたは、あなたの前にいた無数のチャンスを置き去りにし、数多くの悪事を犯した」
ペデリアン家は、長いといえば長く、短いといえば短い時間、審判者の目でラントを見守った。
そして、ついに決定したのだ。
「もしあなたから可能性を少しでもうかがっていたら、私も迷っていたかもしれない」
ラントは静かに機会を探していた。
デオンを相手にしていたため気力をほとんど無くした状態だったが、まだ動くことはできる。
(ちっ・・・。シエラが言うことを聞いていればここを脱出できたのに、私を一人で置いていくとは。四肢を引き裂いても満ち足りない!)
とにかく、このままじっと座ってペデリアン家にやられるわけにはいかなかった。
「正直な気持ちでは、あなたの本性の悪さを嬉しく思います。そのおかげで、今私は全く躊躇いがありませんから」
そう言ってカシスが近づいた瞬間、ラントは閃光のように体を動かし、折れたナイフを彼の心臓に打ち込んだ。
しかし、カシスはラントの最後の足掻きまでつまらないものにしてしまった。
マントで防いだ後、逃げようとしたラントの足に剣を打ち込んだのだ。
「グアっ!」
「余計な行動ですね。ラント・アグリチェ、私がこれからあなたに何をするか気にならないか?」
黒い陰影が、濃い秀麗な顔に割れた月のかけらのような鋭い微笑みを浮かばせる。
カシスは足を上げて、自分の前から逃げようとする者の体を情け容赦なく押さえつけた。
「生きている間に、あなたが罪の意識を一度も感じずに犯してきた悪事を見ると、あなたを一度だけ殺すのは、あまりにも寛大な処置だという気がした」
ラントはこのような状況でも、殺気立った目でカシスを睨んでいる。
ふと処罰の部屋でロクサナが喋った言葉が思い浮かぶ。
『あなたのおぞましい面魂を見るたびに、私が何を考えていたか分かりますか?』
『どんな風に殺せば、あなたに最も大きな侮蔑感と絶望を与えることができるでしょうか?』
『あなたを死ぬよりも、もっと苦しめる方法は何でしょうか?』
血の滲んだ唇から、自然と塾せられたヒ素が生まれる。
口の中をあまりにも強く噛んだせいで肉の感触が分かるほどだ。
ロクサナが考え出した方法がこれだというのか?
アグリチェが他でもないペデリアンに丸ごと踏みにじられる姿を見せ、犬以下のカシス・ペデリアンの手で命を落とす。
それならば認めるべきかもしれない。
これが最も屈辱的な死だということを。
しかし、それを鵜呑みにすることはできない!
「クソッタレめ。汚いペデリアンの手で死ぬくらいなら、いっそのこと自決してみせる!」
その言葉がラントの遺言だった。
彼は胸の傷を自分の手で裂いて自決する。
しかししばらくして、どういうわけかラントは再び目を開けてカシスを見ていた。
依然として揺れることのない冷たい金色の瞳と視線が合った瞬間、ラントは毛先が先立つのを感じてしまった。
「これは一体・・・」
「くだらない事だと言っていたじゃないか」
頭を下げてみると、心臓付近の傷が癒えているのが見えた。
しかし、確かに先ほど自分の手で傷口を裂いた感触がまだ生々しく残っている。
カシスはそんなラントを見下ろして冷笑した。
「誇りゆえに自決を選択するはずはない。それほど怖かったんだろう?」
襟元から冷や汗が流れる。
その言葉が事実だったからだ。
あんな目をする人間が、自分を簡単に殺すはずがない。
ラント自身も既に多くの人を殺したことがあるので、カシス・ペデリアンの考えが手に取る様に理解できた。
「ラント・アグリチェ。私はあなたを何度も生かすことができる」
カシスの次の言葉は、言葉では言い表せられないほどゾッとして恐怖に包まれていた。
「それはすなわち、これからあなたを何度も殺すことができるという意味だ」
ラントの人生で、これよりもっと残酷な言葉を聞いたことがあるだろうか?
いや、そんなはずがなかった。
断言するが、これよりもっと酷い言葉が世の中にあるはずがなかった。
生きている間、ラントは常に捕食者であり猟師だった。
しかし今、彼は生まれて初めて窮地に追い込まれたネズミになったような気持ちになる。
カシスはそんなラントに向かって躊躇うことなく手を伸ばす。
彼がやるべきことは最初から決まっていた。
何処かから漏れ込んできた風で、壁に一列に並んだ燭台の火が一斉に揺れる。
「終わりだ、ラント・アグリチェ」
黒い影に半分飲み込まれたカシスは、地獄から這い上がってきたライオンのよう。
「あなたのその汚い命、今日私が決着をつけてやる」
悲鳴を飲み込んだ息が、カシスの手の下で砕けていく。
これまで一度も屈服しなかったラントが、ついに恐怖を感じましたね。
カシスの怒りはそれほど深かったのでしょう。
何度も殺される恐怖・・・。
今度こそラントは終わりでしょうね。
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