こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は50話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
50話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 黄金の道しるべ
ジェレミーはぼんやりと立ったまま、ロクサナの話を聞いていた。
動力を失ったように微動だにしない体に、近づくことも、なだめることも出来ない。
「さようなら」
ロクサナは母親と死んだ兄を除いて、唯一家族だと思っていた人を裏切った。
「姉さん・・・!」
背後から聞こえる弟の呼びかけに足を引っ張られそうになるが、何事もなかったかのように歩き続ける。
「姉さんが今まで一度も本気で笑ったことがないことを知っている」
次に続くジェレミーの声は確かにロクサナがいつも聞いていた聞き慣れたものだが、なぜか今までとは少し違うように感じられた。
「もし僕が・・・、僕がアグリチェを姉さんが笑うことができるような場所にしたら、また帰ってきてくれる?」
彼の問いかけに、ロクサナはついに振り返る。
飛び散る髪の間で、さっきより小さくなったジェレミーの姿が。
まだ消えない炎が揺れて、彼の顔に濃い影を作る。
そのため、彼がどんな表情をしているのか分からない。
でも、それでいいと思った。
ロクサナは彼女の可哀想な弟に最後に笑いかける。
ジェレミーが好きだった通り、暖かくて慈しみ深くて、また優しく。
そして彼女は再び後ろを向く。
何も約束できないから、何も言わなかった。
そうして破滅したアグリチェの土を踏み、まだ後ろに立って自分を見守っているはずの弟から遠ざかる。
廃墟となった地にも後で蘇生するものがあるのだろう。
冬が深かった地にも春が来るのは当然だが、ここはロクサナにとって暖かい場所。
ただ彼女はもうここを去りたかった。
自由。
せいぜいここで19年も暮らしただけなのに、これまであまりにも多くのことに縛られた感じだった。
生まれた時から深く身を沈めていた高さから離れる気持ちは、とても奇妙で。
完全な解放感でも、完全な虚脱感でもない曖昧な感情が半分溶けた雪のように胸に残っている。
白い風で視界が曇った。
そこへ押し出されたかのように、ロクサナの体が一瞬フラつく。
ここで倒れてはいけないのに、徐々に意識が遠のいてきたのだ。
しかし、力なく崩れていく彼女の体を、後ろから誰かが受け止めた。
ロクサナは、それが誰なのか確認できず、目を閉じる。
視界が完全に点滅する前に、吹雪の中の道しるべのように煌めく鮮やかな黄金色を見たような気がした。
過酷なほど厳しい寒風と吹雪が絶え間なく吹き荒れる季節。
永遠に終わらないかと思われた夜が過ぎ、廃墟となった地上に冷たい初夜の光が差し込んだ。
破壊された土地を離れる人にも朝は訪れる。
ガタン。
滑らかに転がっていた車輪が石に引っかかったのか、いきなり体が大きく揺れた。
ロクサナは深い眠りから覚めて、重いまぶたを持ち上げる。
焦点のない瞳をゆっくり瞬きしているうちに、何処からか漏れてきた細い光が、前で揺れているのが見えた。
後で分かったことだが、カーテンで遮られている小さな窓から太陽が差し込んでいたのだ。
「目が覚めたな」
その時、頭の上で誰かの低い声が響いた。
ロクサナは息を吸い込みながら席から飛び起きる。
ガタン!
それと同時に彼女のいる空間が少し前より大きく揺れた。
ロクサナはバランスを崩して前に手を伸ばす。
しかし、そこには支えとなるものが全くなく、前へ突き出した手は何にも届かず、虚空を横切って真っ直ぐ下へ落ちた。
ちょうど横から伸びた誰かの腕がロクサナの体を支える。
「気をつけて。まだ、走る馬車の中だよ」
耳元に忍び込んだ低い声は、聞き慣れたものではなかった。
ロクサナは、すれ違った体を押しのける考えもせず、顔を背ける。
次の瞬間、近くで彼女を見下ろす金色の瞳と視線が合った。
「カシス」
ロクサナは思わず彼の名前を叫んだ。
これが今、どういう状況なのか彼女には理解できなかった。
記憶を探しても頭痛がするだけで、使えるような記憶が全く浮かばない。
自分がカシスと一緒に何処かに移動していることだけは分かるような気がした。
続いてロクサナの頭の中を満たしたのは大きな混乱。
ジェレミーがアグリチェをどう変えていくのか気になります。
そしてデオンは何処に?
ロクサナは、カシスと合流するつもりはなかったのですね。
反対に、カシスはロクサナをどうするつもりなのでしょうか?
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