こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は57話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
57話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 意識を失っていた時間
カシスの部下たちは全員、彼が死体を持ってきたと思ってしまった。
ただでさえ、アグリチェの邸宅からイシドールを先に送り出したカシスが、一向に外に出てこなくて、再び中に入るべきかどうか悩んでいたから。
ところが、吹雪を突き破って現れたカシスは一人ではなかった。
彼の胸に抱かれた人物はマントですっぽり包まれ、顔が見えない。
だが黄金色の長い髪がカシスの肩越しに靡く姿だけは、目に刺さったように刺激的だった。
カシスは狼狽する部下たちの前で口を開く。
「出発する」
そうして彼らはアグリチェを去ったのだ。
そして整備のために、しばらく行進を止めた時。
固く閉ざされていた馬車の扉が開き、カシスが連れ去った者が姿を現した。
彼が席を外している間に意識を取り戻したようだ。
体の輪郭と飛び散る髪の毛の間からちらっと現れた顔を見ると、若い女性だった。
しかし彼女は馬車の扉を開けて、最初の一歩を踏み出すや否や、地面に力なく崩れ落ちる。
それを目撃した部下たちが、急いで駆けつけた。
「大丈夫ですか?怪我したところは___」
その中で一番先にロクサナの体に手を出した仲間が、次の瞬間によろめく。
「うぅ・・・!ちょっと待て!みんな近寄るな!」
彼はすぐに他の人たちに警告した。
まるで見えない手に攻撃されたかのようによろめきながら、地面に膝を当てて座り込む仲間を見て、彼らは当惑する。
いつの間にか、周囲には毒気が立ち込めていた。
それに気づいた仲間たちが鼻と口を塞ぐ。
幸いにも、カシスが戻ってきた。
彼は一目で状況を把握する。
先ほど無理矢理押さえつけていた毒気が、カシスがしばらく席を外した間に、再びその勢いを取り戻して猛然と暴れていたのだ。
僅か5分も経たないうちに・・・。
「全員下がれ」
部下たちを下がらせた後、カシスは毒気の発祥地と思われる女性に近寄る。
カシスは躊躇うことなく歩き、冷たい雪の上に倒れた女性に手を伸ばした。
「ロクサナ」
しかし、気絶した彼女には何の声も届いていないようだ。
ロクサナの背中を支えるカシスの体が一瞬で重くなる。
彼女を囲む「毒気」が一層強くなったのだ。
空中から現れた赤い蝶が、彼女の肩に舞い降りる。
カシスは一刻も急がなければいけないことに気づき、すぐに頭を下げた。
その後、続くカシスの行動に、周りにいた人々は息を吸い込むしかなかった。
カシスはロクサナと唇を合わせて、直接自分の生命力を与えたのだ。
ラント・アグリチェの息を強制的に戻すときと同じ方法を使えば、これよりずっと簡単で速いだろう。
しかし、それは相手の魂が破壊されることを考慮しない非常に強制的で暴力的な方法だ。
そんな方法を、彼女に使うわけにはいかない。
カシスはロクサナの体に負担をかけないよう慎重に、そしてゆっくりと数回生命力を注ぎ込んだ。
しばらくして温もり始めた体を抱き上げて、カシスは立ち上がる。
今やったことは、あくまで一時しのぎに過ぎず、まだロクサナの体からは微かな毒の香りが漂っていた。
「許可が下りるまで近づくな」
カシスは短い命令を残して、元々ロクサナがいた馬車の扉を開けて、一緒にその中に入った。
周囲にいた人々は、目の前で閉まった扉を見て、慌てて口をパクパクさせる。
まさか直接看護をしようとしているのか?と。
しばらくすると、馬車の外にまで漏れていた毒が消え始めた。
そして固く閉ざされていた扉が開く。
「薬と飲み水を持ってきてくれ」
オリンの隣にいた仲間が、あらかじめ準備していたものをカシスに渡す。
その直後、再び扉が閉まった。
その後も、辺りはしんと静まりかえっている。
全員がカシスと妙齢の女性が一緒に入った馬車を見て、息を殺していたのだ。
倒れた女性が目を覚ました?
しかし、そんな気配は見えない。
じゃあどうやって薬を飲ませる?
今、この瞬間、全員が同じことを考えながら、さっき見た場面を思い出していた。
カシスが躊躇いもなく女性に唇を重ねた姿を。
その後、皆が下した結論も同じだった。
「やっぱり捕虜ではないのだな」と。
むしろ、これは貴賓に対するもてなしだった。
カシスがあれほどに直接身を乗り出して大事にする人が捕虜であるはずがない。
「ウィンストン卿、主君が連れてきた方について何かご存知ではないですか?」
その夜、仲間の一人がどうしても気になってしまい、イシドールに尋ねる。
皆、表向きでは興味のないふりをしながら、彼らの会話に耳を傾けていた。
イシドールは少し眉間を狭める。
しかし、他の人も知っておいた方がいいと思ったのか、すぐに口を開いて答える。
「あえて言うなら、恩人に近い人と言えるだろうか」
「え?」
「だからお前たちも、それ相応の待遇をするように」
すべての説明が省かれた短答式の言葉に、むしろ疑問を感じてしまう。
しかし、イシドールはこれ以上話すことがないというように席を離れた。
そのため、彼らはもう何も聞くことができなかった。
その日ごとに彼らの好奇心が芽生えていくうちに、ロクサナは完全に意識を取り戻した。
そして、ようやく今日に至ったのである。
やっぱりロクサナが意識を失っている間に、事件が起きていましたね。
部下たちのロクサナに対しての対応も納得です。
けれど、彼らはロクサナの正体には気づいていないようですね。
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