こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は151話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
151話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 捕食者の恐怖
「あんた、今口答えしたの?」
腕組みをしたアンが水拭きをする同年代の侍女二人を立たせて叱っていた。
「ごめんなさい。二度としませんので」
「あんた達最近気になるわ。私が見張っているのだから、ちゃんとしなさい。分かった?」
「気をつけます」
アンが睨むと、侍女たちは恐怖で顔を上げられなかった。
せいぜい掃除の途中で水が飛んだだけなのに。
同じ侍女の立場のはずなのに、アンの顔色を伺うことが悲しかった。
アンは、エレナの信頼を背負って他の侍女たちを下僕のように振るっていたのだ。
年は幼いかもしれないが、気が利いて鋭敏なので、エレナがくれた貴金属を処分したお金で侍女たちを買収することも。
侍女長や執事のような目上の相手でない限り、邸内でアンの傲慢さに歯向かえる人はいなかった。
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アンは密かにリアブリックの呼び出しを受ける。
「お、お探しだったでしょうか?」
先ほどまで侍女たちの前で傲慢に振る舞っていたアンとは別人と思うほどの低姿勢。
典型的に強者に弱い彼女は、猫の前ではネズミのようだった。
「なんでそんなに驚いているの?報告を受ける周期になっただけよ。特別なことはない?」
「あ、ありませんでした。マダムの授業を聞いて宴会に出るのが全てです」
「同行したことは?」
「学術院の時は私でしたが、最近はメイを連れているので・・・」
アンはうつむいたまま嘘をつく。
エレナが外出する時、彼女に同行したことは一度もなかった。
しかし、そのまま報告することはできない。
監視を疎かにしたと叱責される恐れがあるからだ。
「そうなの?」
リアブリックの目尻が細くなる。
事前に邸内に植えておいた他の侍女を通じて確認した結果、エレナが学術院を卒業した後、アンが同行して外出したことが一度もないことは把握済みだ。
リアブリックが口数が少なくなると、アンは不便そうに瞳をコロコロと転がす。
沈黙で拷問していたリアブリックの目に、アンの着けているルビーの指輪が入ってきた。
一目で見ても精巧な細工で作られた指輪が、貴族の令嬢でもなく、一介の侍女が身につけるのは過度に見える。
「指に嵌めているルビーの指輪が綺麗ね。どこで手に入れたの?」
「こ、これですか?」
無表情で見つめるリアブリックの質問に、アンは肩を震わせながら小さな声で話した。
「お、お嬢様から頂きました」
「公女が?」
「は、はい!公女様が私を信頼してくださって、この指輪をくれました。ほ、本当です!」
顔色を伺っていたアンが強く主張する。
誤解を招くのではないかとハラハラしていた。
「上出来ね。その調子で、これからも頼むわ」
「え?は、はい!絶対に失望させませんので、私を信じてください!」
アンは嬉しそうに騒ぎ、挨拶をして執務室を出る。
執務室は静寂に包まれた。
一人残るリアブリックの表情は、いつにも増して深刻だ。
「アンを買収したわね」
目つきが霜柱のように冷たくなる。
表ではアンを信頼しているように思わせるために貴金属を与えて買収したのだ。
しかし、実状を見ると、外出する時は徹底的にアンを引き離していた。
アンはエレナの信頼を一身に受けていると勘違いしているが、リアブリックの目まで欺くことはできない。
「アンを監視者としてつけておいたことを知っていたということね・・・」
エレナは只者ではなかった。
漠然とした疑問がますます確信に満ちていく。
これまでと同じように虚栄心旺盛な情けない女と誤判しては駄目だ。
「もし・・・、本当にもし私に見せていた生半可な姿が私を欺くための演技だったとしたら?」
リアブリックの背中に鳥肌が立つ。
大公家の実権を握って捕食者として君臨していた彼女が恐怖を感じたのは初めてだった。
早朝から大公家は慌ただしかった。
招集命令を受けた派閥の貴族たちが会議に出席するため、大公家に続々と到着し始めたのだ。
エレナは窓枠に立って、休む間もなく行き来する馬車を注視する。
元の歴史になかった集まりなので、エレナも大公家に従う貴族たちを一ヶ所で見るのは初めてだった。
特に、彼らを分裂させるのがエレナの目標であるだけに、彼らを欠かさず見守る必要がある。
「大公家の底力がこれほどとは・・・」
帝国の貴族社会を貫くエレナは、馬車の文様だけでも家門を見分けることができた。
招集された貴族の数も数だが、家門の面々が凄かった。
その中にはエレナが思いもよらない家柄も多数含まれている。
代表的にベロン侯爵が挙げられる。
国境地域を死守する彼が領地を空けてきたということだけでも、大公家の影響力はエレナが想像する以上に巨大だというのが感じられた。
「無理をしてでも残って良かったわ。ベロニカが怖くて身を隠していたら、大公家はすぐに立ち直っていたでしょう」
大公家の底力は凄かった。
外部からどれだけ打撃を与えても、いつでも立ち直ることができるルーツを持っているのだから。
ついにリアブリックのエレナに対する疑惑が確信になりました。
ここから面白くなってきますね!
ここからのリアブリックのエレナへの対応に注目です。
そして、いよいよ大公家の会議当日。
大公家の底力が伺えますね・・・。
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