こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は169話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
169話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ティータイムの基本素養
近衛兵の案内に従って、エレナをはじめとする5人の令嬢が応接室に足を踏み入れる。
評価を受けた貴婦人たちが向かい側のソファに座って歓迎した。
「ようこそ、令嬢たち」
エレナはスカートの裾を上げて優雅な動作で彼らの挨拶に応える。
(キュリー夫人、ディロンズ夫人、もう一人は分からないわね)
キュリー夫人は、彼女の展示会にも行ってきたほど親しい間柄。
それに対し、ディロンズ夫人はラインハルト家と密接な関係であると聞いている。
残念だけど、最後の夫人は記憶になかった。
「どうぞ席に座ってください」
2つの円形テーブルに3人ずつ分かれて座る。
テーブルクロスの上には、女性が備えるべき徳目の中で最高とされる茶道を評価するための茶葉と茶器が置かれていた。
「ティータイムにお茶がないと寂しいでしょう?デザートは私が用意しますので、令嬢たちがお茶を用意してください」
(始まったわね)
本格的な一次競合を知らせる合図。
ティータイムの基本素養はお茶。
茶道を見れば女性の素養と品位が分かるという世間の言葉のように、欠かせない評価要素だ。
エレナは慣れているが節制された動作でお茶を温めて茶葉を取り出した。
3人の貴婦人はエレナの茶道から目を離せない。
最初が驚きだったとすれば、徐々に彼女の高雅な手つきに感心していた。
基本に忠実でありながら体のラインまで非の打ち所がなく素晴らしかった。
茶道の見本にしたいほどに完璧な所作。
アヴェラも頑張ったが、エレナと比べると遠く及ばない。
特に指摘される箇所もなかったが、褒められるほどの部分もなかった。
本人自らも格差が広がることを認知したのか、アヴェラの表情が固くなる。
しかし、それもしばらくの間に過ぎなかった。
アヴェラが口元に意味の分からない笑みを浮かべる。
(笑ってる?)
エレナと違ってアヴェラは必死のはず。
過去の人生でもそうだったが、アヴェラは帝国の国母になるという野望が強かった。
そのためか、エレナと対戦した数回の競合でも負けるのが死ぬほど嫌だった。
そんな彼女の態度を見ると、エレナとしては怪しむしかない。
空いたティーカップに令嬢たちが直接淹れたお茶が入れられる。
ちょうど皇居の侍女たちがデザートの入ったトレイを出してきた。
貴婦人たちも相席し、本格的なティータイムが続く。
日常的で些細な会話が交わされ、時々笑い声も流れた。
老練な貴婦人たちは意図的にリラックスした雰囲気を作りながらも、令嬢たちの言動を鷹の目で見つめる。
緊張が解ける時にミスが出ることを知っているからだ。
案の定、何人かの令嬢は雰囲気に酔って失言をした。
本人たちも意識できないほど些細なミスだったが、貴婦人たちは見逃さない。
そのようにティータイムの雰囲気が熟していく頃、ティーカップを持ったアヴェラが向かい側に座るベラ令嬢に視線を送る。
合図を受けたベラ令嬢はエレナを見て心にもない称賛を並べた。
「公女様、教えてください。どうすれば、動作一つ一つがそんなに完璧に出来るのでしょうか?」
「そんなことを言わないでください。レディーの中のレディーと言われる方々の前で恥ずかしいですから」
エレナは謙虚に対応しながら、密かに貴婦人たちを褒め称えた。
「聞いたところによると、3年間療養されたそうですが、本当にすごいです」
「あら、療養されていたのですか?私は首都に上がって間もないので知りませんでした」
エレナの目つきが細くなる。
ベラ令嬢が意図を持って持ち出した話題をデイジー令嬢が待っていたかのように食い下がったのだ。
事前に打ち合わせしていたかのように。
「3年間も様子を見たことがないのですが、何かあったのでしょうか?」
「ええ、体の調子が悪くて休んでいました」
エレナは口元に笑みを浮かべて、ゆったりと答える。
「ああ、そうだったのですね。人々はそんな事も知らず変な噂ばかり言って。公女殿下もとても悲しかったことでしょう」
「あら、噂ですか?公女殿下に噂があったのですか?」
同じテーブルを挟んで座っていた令嬢が拍子を合わせた。
ベラ令嬢は待っていたかのように答える。
「口にするのも大変な噂でした。当然私は信じていませんが」
「実体のない噂なので、もっと誇張されていたようです。噂というのは全部そうじゃありませんか?」
「・・・」
ベラ令嬢の言葉を待っていたように、隣の席に座っていたデイジー令嬢が相槌を打つ。
巧妙な話術で直接的な言及を避けて、当時の悪評を引き出してエレナを困らせようとする思惑だった。
1次競合が始まりました。
所作はエレナの圧勝ですが、アヴェラの悪巧みが嫌らしいですね。
ベロニカの過去の噂を引き出して陥れようとする作戦でしょうか?
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