こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は209話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
209話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 大公家の女主人
大公家の空気が変わった。
対外的に騒々しい事件も一役買ったが、必ずしもそのためではない。
掴みどころのないベロニカの気まぐれに皆が息を殺していた。
皇太子妃選出式を基点にベロニカは別人になった。
もしかして昔の彼女に戻ってしまったのではないかと皆がビクビクしている。
「お嬢様、コーヒーをお持ちしました」
コーヒーを出しながらも、侍女はいつも疑問に思っていた。
ベロニカは紅茶を好んで飲んだ。
ところが、ある日からベロニカは紅茶を口にしたことがない。
苦いと思われるほど濃く淹れたコーヒーだけを飲んでいる。
寝室と応接室のインテリアも一変した。
後園のチューリップとデイジーは取り除かれ、そこにユリを持ってきて植えられている。
その過程で期日に間に合わなかった庭師は解雇された。
ベロニカは全身鏡に映った新作のマーメイドドレスを見ながら満足そうな笑みを浮かべる。
「誰が見ても私のために存在するドレスのようね」
「ごもっともなお言葉です」
「どうしてこんなに魅力的なのか分かりません」
侍女たちは、口が乾くほど褒め言葉を吐き出す。
ベロニカはそんな賛辞が当たり前のように受け入れていた。
「このドレスを最初にデザインしたのはクリスティーナだったわよね?」
「首都では革命的デザイナーの呼ばれ、令嬢たちの注文が相次いでいるそうです」
「大公家に来るように伝えて」
「はい、お嬢様」
ベロニカは復帰後、初めて接したマーメイドドレスにとても満足していた。
体つきのラインを生かし、適切な露出まで添えて自分の美貌を活かせるデザインが気に入ったのだ。
そのため、亜流作ではなく、マーメイドドレスの最高峰とされるクリスティーナのドレスを着てみたいという熱望に包まれていた。
装いを終えたベロニカがソファに座って侍女が出してきたコーヒーを吟味している時。
「え?え!」
隅で鳥籠の中に積もった鳥の糞を片付けようとした侍女が思わずびっくりして身をすくめた。
見知らぬ手に不安を感じた青い鳥が鳥籠の外に出たのだ。
青い鳥はこれまで鳥籠の中の生活が息苦しかったのか、騒がしく囀りながら応接室のあちこちを徘徊しながら飛び回った。
一歩遅れて気がついた侍女は、青ざめた顔色で青い鳥を捕まえようと努めたが、背より高く飛ぶ鳥を捕まえるには力不足だった。
「申し訳ありません、お嬢様。私が早く捕まえて、また入れておきますので」
侍女は冷や汗を流しながら何とか鳥を捕まえようと頑張る。
このことで体罰が下されるのではないかという不安に肩が細かく震えた。
ベロニカはコーヒーカップを置き、唇を開く。
「誰でもミスをすることはあるわ」
「に、二度とこのようなことがないようにします。申し訳ありません、申し訳ありません」
「でも、私の侍女はダメよ」
「お、お嬢様・・・」
そうでなくても青ざめていた侍女の顔が白紙のページより白くなる。
「タンスのドアを開けてちょうだい」
ベロニカの一言に横で緊張していた侍女たちが素早くタンスを開いた。
主に外部の人たちが上着をかけておく用途に使われるため、中は空っぽだ。
「入れて」
「お、お嬢様!一度だけ許してください。二度とこんなミスはしません!」
「もう二度としないことをどうやって証明するの?閉じ込めて」
ベロニカの言葉が落ちるやいなや、侍女たちが駆けつけて哀願する侍女をタンスの中に押し込んで閉じ込めてしまった。
「錠で閉めてちょうだい。3、4日閉じ込めれば少しは反省するでしょう」
タンスの中から聞こえてくる侍女の哀願を無視してベロニカは立ち上がる。
彼女は青い鳥を捕まえておけと言って応接間を出た。
廊下を横切ってベロニカが到着した場所は、リアブリックの代わりに大公家の実務を担当するアセラスの執務室。
「いらっしゃいません、公女殿下。こちらにお座りください」
ベロニカとテーブルを挟んで、アセラスは向かい合って座った。
「お父様から話は聞きましたよね?」
「はい、実務は公女殿下と相談して決めるように言われました」
「相談なんて」
浅い笑みを浮かべていたベロニカの表情から笑いが抜ける。
「男爵は意見だけ提示すればいいです。判断は私がしますので」
「私の失言でした。そうしたいと思います」
アセラスは卑屈に笑いながら、徹底的にベロニカに服従するという意思を示した。
ベロニカの眉毛が三日月のように曲がる。
「処世術がお上手ですね」
「状況把握が得意ですので」
アセラスはニヤニヤ笑った。
肥大した体に狡さが滲み出ている。
リアブリックの失脚後、最も有力な後任はアディールだった。
リアブリックに劣らず分析能力が優れており、決断力と行動力を備えていると評価されている。
しかし、後任者はアセラスが内定した。
その理由は、相手によって下げられる柔軟さのため。
「なぜ父が私に実務を任せたのか知っていますか?」
「私がどうして大公殿下の深い心をすべて察することができますでしょうか。ただ信じて従うだけです」
「私が父に似ているからです。ここの考えが」
ベロニカは指で頭を突くふりをする。
「誰もできないことです。父がそうだったように、高貴に生まれ持った私だけが、大公家の後継者だけが可能な考えなのです。卑しい人物には想像もできないような考えを」
ベロニカの満面の笑みが濃くなった。
その意味深さが、アセラスにはなぜか忌まわしいものに思えてしまう。
「リアブリックがなぜ失敗したのか知っていますか?簡単です。同士で遊ぶと、まともに踏むとは思わなかったのでしょう」
「・・・」
「私なら目も合わせられないように踏んでおいたはずです。無慈悲に。人間の恐怖心とはそういうものですから」
アセラスは思わず息を呑んだ。
唇を舐めるベロニカの行動と目つきからは、一般的な貴族家の令嬢とは信じられない狂気が見えた。
それも束の間、ベロニカはいつものような優しい笑顔を浮かべる。
「それから飴をあげます。飼い主の褒め言葉を求めて尻尾を振る子犬にあげるように」
「・・・」
「私の話、理解しましたか?」
「ご存知でしょう。公女殿下のお言葉なら命も差し上げます」
「望ましい姿勢ですね」
ベロニカは本格的に大公家の実務に関する議論を始めた。
「ノブレス通りの完工時期はいつですか?」
「一部の公開可能時期まで半年を予想しています。完成までは1年ほどです」
「早めに」
「え?それは現場の事情で・・・」
「判断は私がします。あなたは言われた通りにしてください」
すでに時期を繰り上げて工事に拍車をかけている。
それで半年後、一部開場ができるように合わせたが、ベロニカはそれさえも繰り上げるよう指示した。
「分かりました」
アセラスは言う通りにした。
自身の安危のためにも、下の者をもっと詰めなければならないと。
「日程を繰り上げたので、準備も急がなければなりませんよね?ノブレス通りの品格を象徴するほどの巨匠を連れてこなければなりません」
「候補の方はいらっしゃるのですか?」
「画家のラファエル、デザイナーのクリスティーナ、音楽家のツェントニオ」
ベロニカが考慮しておいた者たちを詠んだ。
貴族社会に貢献する巨匠たちは、貴族だけが出入りできるノブレス通りの格を一段階引き上げることができるだろう。
「接触してみます」
「お金ではなく、名誉を約束してください。芸術家たちは必ず名誉を願うのですから」
「一理ある言葉です」
「大公家の歴史に1ページを刻むのですから、当然来るでしょう」
「もちろんです」
ベロニカは思い出したかのように言葉を付け加えた。
「もしてそれでも来なかったとしたら・・・」
彼女の目つきがひんやりとする。
「壊してしまいなさい。代替品はまた手に入れればいいのですから」
大公家の空気も一変しました。
ベロニカの要求はどこまでエスカレートするのでしょうか?
彼女が候補にあげた巨匠は全員がエレナの選んだ人物。
巨匠たちの答えが気になりますね。
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