こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は254話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
254話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 治療②
「お嬢様、ネヴィル様を連れてきました!」
「どうぞお入りください!」
エレナはベッドサイドのサイドテーブルに置かれた仮面をかぶる。
いくら余裕がないとはいえ、まだ正体が明らかになってはいけないとエミリオが持ってきたのだ。
「この方ですか?」
「はい」
低い身長で丸々とした体型のネヴィルは、レンの体を調べた。
矢じりの背中と体温、瞳孔などを確認し、持ってきた医療バッグを開ける。
中には外科手術に必要な道具が揃っていた。
「矢じりを最初に取り除きます」
「助かりますよね?」
エレナは動揺する気持ちを抑えながら尋ねる。
「医者は患者の前で生死を論じません。ただ生かすために最善を尽くすだけです」
「お願いします」
エレナの懇願にネヴィルは頷く。
「お湯を用意してください。私のそばでお手伝いの方も必要です」
「私がやります」
「Lが直接ですか?」
ネヴィルは意外そうにエレナを見た。
「私を守ろうとして生死を行き来しているのです。私がしなければなりません」
「肉を切って矢じりを抜くつもりです。それでもよろしいですか?」
「はい、大丈夫です」
仮面で隠れていたが、エレナの目つきは悲壮だった。
外科手術は身体を開いて執刀するため、胃の弱い人はまともに見ることもできないだろう。
(この男は一体誰なんだ?)
Lがここまで生かそうとする男が誰なのか気になったが、聞かなかった。
医者にとって患者の名前や身分は重要ではないから。
「お湯と綺麗なタオルを何枚か用意してください」
エレナは頷きながら、直接浴室に向かい、お湯を汲んできた。
メイがすると言ったが、エレナはキッパリと断る。
接待用寝室にネヴィルとエレナ、そしてメルの3人が残った。
背中の部位は脊髄と接しているだけに、一瞬も緊張の紐を緩めることはできない。
(レン・・・)
エレナは息を殺したまま手術から目を離さなかった。
また、ネヴィルが執刀に集中できるように付き添うことも忘れずに。
それが今レンのために彼女にできる唯一のことだから。
ネヴィルは1時間余りの執刀を終えて手術ナイフを手放した。
「どうなりましたか?」
「危険な峠は越えました」
「ありがとう、ネヴィル」
ネヴィルは鞄を手に取り、寝室を出ていく。
自分の役割は果たした。
残ったのは患者の意志だけ。
ベッドの枕元に座ったエレナは、レンに額に溜まった冷や汗をハンカチで拭く。
「私は長く待ちません。長く待たせたら追い出しますから、少しだね寝て早く起きてください」
「公子は必ず目覚めます」
言葉を加えたメルの声と表情には盲目的な確信が込められていた。
彼が見てきたレンという人間に対する信頼だ。
「私もそう信じています」
地獄でも生きて帰ってきそうな人間がレンだ。
そんな人間がこんな風に死ぬなんて、信じられない。
コンコン。
ノックの音が聞こえてきた。
「お嬢様、私です」
ヒュレルバードだった。
「お入りください」
許可が下りると、仮面をかぶったヒュレルバードが静かに入ってくる。
「卿、怪我はありませんよね?」
「少し焼けたものが全部です」
「ごめんなさい。卿を危険に晒して・・・」
結果は良かったが、サロンを守るためにヒュレルバードを死地に追い込んだという罪悪感から自由ではなかった。
「危険だなんて。そんなことはありません」
「卿」
「私は、お嬢様のために暮らせることに感謝しています。だから、こんなことで私に申し訳なく思わなくていいのです」
ヒュレルバードの言葉は本心だった。
エレナのためなら、どんな危険も冒す心構えができている。
主従関係を離れて、彼の頭の中には1番目、2番目、3番目もエレナでいっぱいで、入り込む小さな隙間さえ存在しない。
そんなヒュレルバードの視線がチラッとレンに向けられた。
生死を行き来する彼を見ていると、心の片隅が痛んだ。
(私のせいだ。私がお嬢様のそばにいるべきだったのに・・・)
ヒュレルバードは自分の安易さを叱責した。
散水装置を稼働させた後、すぐエレナの元に戻るべきだったのに。
もしレンがいなかったら、ヒュレルバードは主君を守れなかった不忠に一生罪悪感を持って生きていたかもしれない。
「お嬢様にお話ししたいことがあります」
初対面のメルを見てしばらく警戒したが、ヒュレルバードはすぐエレナに視線を向けて反しを続けた。
「ホールにショーンが倒れていました」
「この時間にですか?」
エレナは目を細める。
今日は夜間パーティーがなかっただけに、いつもより早く閉場した。
いくら潔癖症が酷いショーンだとしても、その時間まで一人で内部を掃除することはなかっただろう。
「なぜ残っていたのかお聞きになりましたか?」
「まだ起きていないので聞いていません。私が助けた時は、すでに煙をたくさん吸っていたようですので」
「怪しいですね」
エレナは何か疑わしい印象を受けた。
まだ断定は早いが、調査する必要はありそうだ。
レンはひとまず峠を越したようです。
ショーンが放火の犯人ではありますが、彼も娘を人質に取られているので何とか救済してほしいです!
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