こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は286話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
286話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 葬儀
スペンサー子爵の葬儀は盛大に行われた。
埋葬地はガイア教団の修道院の近くに位置する貴族墓地。
死後もガイア教団の司祭たちの管理と祝福を受けることができる場所で、首都の大多数の貴族は死んでここに葬られることを願った。
これまで隠していたレンの身辺についても公式の立場を示した。
首都に飛び交う噂と各種情況、そして証拠を挙げて死に重きを置いた。
レンの死を間接的に認めたのだ。
当主を失ったバスタージュ家を掌握した後見人たちが、大公家と手を組んで作り出した結果だった。
彼らはスペンサー子爵の墓の横にレンの家廟まで作り、バスタージュ家の後継者がいないことを公式化する。
「スペンサー子爵が亡くなったのだから、新興貴族は求心点を失ったわけだ」
「結婚式もダメでした。将来を嘱望される人材だったが・・・」
「人の仕事の一寸先も分からないと言っていたのに、みんな無駄だね。あの人がこんな風に逝くとは」
「これから私たちはどうすればいいのだ?」
埋葬地を訪れた弔問客らは一様に遺憾を禁じえなかった。
新興貴族の首長であり、求心点であるスペンサー子爵の死は、基盤を固め勢力を形成した新興貴族に致命打だったためだ。
バスタージュ家の復興を導くと考えられていたレンの死まで重なり、家門は没落の道を歩むことになるだろう。
「近いうちにバスタージュ家は、大公家に吸収されるだろう」
「スペンサー子爵が遺言を残したそうです。大公家に渡してくださいと」
「臭いところが多い」
「知っていながら隠しているんですね。相手は大公家じゃないですか」
「家事でもある。誰が何と言っても直系と傍系で同じルーツなのだから」
首都内の貴族の中でスペンサー子爵が大公家に連れて行かれた事実を知らない人はいなかった。
何ともなかったスペンサー子爵がぼうっとしていたのが、大公家のためだという事実も同じだ。
しかし、誰もそのような事実に疑問を抱いたり、異議を唱えたりしなかった。
最近、困難に直面しているとしても、大公家の牙城は依然として残っている。
誰も大公家が崩れることを疑わないので対抗しようとしなかった。
4大家門が乗り出して動いてくれれば分からないが、彼らは沈黙を守るだけで、なかなか
動かなかった。
「あれ?あの馬車を見てください」
「見慣れない馬車だね・・・」
「私は知っています。あれはLが乗っている馬車ですよ」
停車した四輪馬車のドアが開き、喪服姿のエレナが降りてくる。
つばが広い帽子で顔を隠した彼女の姿からは、故人に向けた哀悼の気持ちが
感じられた。
そんなエレナをちらちらと見つめる弔問客の顔に疑問が浮かんだ。
「Lとスペンサー子爵が知り合いだったのか?」
「そんな噂は聞いていないが・・・」
「それとも、令息の知り合いだった?」
様々な疑問が大きくなる途中、皇室の模様が刻まれた四輪馬車一台が皇居近衛隊の護衛を受けながら墓地に到着する。
シアンが馬車から降りると、びっくりした貴族たちが素早く頭を下げて礼儀を整えた。
シアンは挨拶に代わってエレナのそばに立つ。
二人の足は自然に埋葬地に向かった。
「君が代わりに来たんだね」
「はい、彼は来られない立場ですから」
会話にはまった主語はレンを指している。
来られない理由が分かるので、シアンも納得した。
「どうなんだろう?」
「勝ち抜いているところです」
レンはよく持ちこたえていた。
スペンサー子爵の葬式まで参加できない立場だったが、復讐のために我慢して我慢していた。
「葬儀が終わったら、少しサロンに寄ろう」
会話はそれ以上続かなかった。
くぼんだ埋葬地に棺が安置され、ガイア女神の胸に抱かれることを願う司祭たちの祈祷が続いたためだ。
埋葬が終わると、葬儀を主管していた大司祭が体を回しながら話した。
「レン令息の最後を導きます」
エレナが背を向けると、「レン・バスタージュ」という名前が書かれた碑石が建てられていた。
遺体を見つけることはできなかったが、死が既定事実化された今、臨時に作っておいた墓だ。
弔問客たちは死者を送るための最後の儀式である白いバラを一輪ずつ手に取って棺の上に投げる。
(レンは元気です。だから全部置いて、ゆっくり休んでください。誰が何と言っても、
子爵様の息子じゃないですか」
エレナは葬儀に来られなかったレンの心まで込めてスペンサー子爵が安息を見つけることを祈る。
やがて棺の上に土が積もった。
その間、体を回した弔問客がレンの墓碑の前に白いバラを持ってきた。
エレナもレンが生きているという事実を知らない人のように、彼らと同じように冥福を祈る。
葬儀が終わってエレナとシアンはそれぞれ乗ってきた馬車に乗って墓地を離れた。
「恋人関係ですよね?」
「そうみたいですね。さっき二人で囁いていましたし」
「Lと皇太子殿下、本当によく似合うカップルです」
貴族たちのささやきを後にしてエレナを乗せた馬車がサロンに到着した。
寝室に立ち寄り、ドレスに着替えて着飾る頃、シアンがロビーに到着したという知らせが届く。
「応接間に連れて行って。レンも来るように伝えてちょうだい」
エレナはまず応接間に行き、シアンとレンを迎えた。
レンは相変わらずだ。
シアンはサロンの訪問事実を隠そうと馬車も乗り換え、服も平凡に着飾っている。
テーブルを中心に三角形の頂点に3人が向かい合って座った。
「殿下もいらっしゃって、最後まで席を守ってくださいました」
レンは黙ってシアンをちらりと見て、軽くうなずいた。
そのような優しさは、レンには珍しい。
しかし、自分の代わりに父親の葬儀に参加してくれたことがありがたかった。
そんな二人を見ていると、なぜかエレナの口元にかすかな笑みが浮かんだ。
「大公家の没落がもうすぐです。すでに政治的に孤立しており、財政的にも最悪です。時間を与えずに最後を見なければなりません」
「考えがあるみたいだね?」
「今から話すつもりです」
エレナは大公家を破滅させるための最終計画を持ち出した。
エレナの言葉が長くなるほど、2人の表情は刻々と変わっていく。
フランチェ大公の心理を見抜いて一歩先を行く計略に驚嘆したのだ。
レンは拍手をする。
「わあ、天才だね?」
「私一人でやったわけではありません。陛下のおかげです」
「陛下が?まさかあの時・・・」
予想外の人物に言及すると、シアンが反射的に反応した。
ブローチを取りに行った間、エレナとリチャード皇帝は長い会話をしたことがあった。
おそらくその時、言葉が交わされたのではないかと考えたのだ。
「はい、陛下は放棄されたのではありません。我慢していらっしゃったのです」
エレナは当初の計画ではなく、修正された計画でシアンに話した。
リチャード皇帝は犠牲と表現したが、それをエレナは望まなかった。
「計画が成功するためには、私たち3人が協力しなければなりません。歯車一つでもずれた瞬間、私たちが食い込むんです」
リアブリックは口癖のように言った。
世の中に完璧な計略はないと。
エレナはその言葉を胸に刻み、一瞬も忘れなかった。
フランチェ大公は決して甘い相手ではない。
全力を尽くしても勝てるかどうか断言できない敵だ。
警戒心を持って常に緊張の紐を緩めてはならない。
コンコン。
ノックが鳴り、メイが入ってきた。
「お嬢様、少し降りてきてください。カロナ王国の王族なんですが、エミリオさんが直接お会いした方がいいということです」
「まだ話が終わっていないので。ちょっと待ってと言いなさい」
「もう朝からお待ちいただいておりますので・・・少しでもいいのでお時間をいただきたいとのことです」
最近になって、他国の王室から訪れる王族が増えた。
彼らはサロンを体験して文化の偉大さに気づいた後、自分の国にもサロンが建てられることを願ってエレナが直接訪問してくれることを要求している。
それだけではない。
数日前には海の向こうの東大陸の七王子という者が訪ねてきて、エレナに会いたいと大騒ぎした。
今来たカロナ王国の王族も同じ。
重要な会議であることを知りながらも、エミリオが降りてくることを望むことを見れば分からないが、カロナ王国の王位継承序列の3本の指に入る王族である可能性が高かった。
これは全てLの名声が帝国に留まっているのではなく、大陸全域に広がったために始まったことだった。
ずば抜けた美貌だけでなく、知的で賢明な女性を拒む男が世の中にどこにいるというのか。
「はあ、すぐ行ってきます。夕食は一緒に食べましょう」
エレナは軽くため息をつきながら理解を求める。
サロンのオーナーとして、このような公式的な訪問に応じなければならない義務があった。
エレナの応対がすなわちサロンのイメージに帰結するためだ。
「待ってるね」
「いってらっしゃい」
シアンとレンを残してエレナは応接室を出た。
その後をメイが追う。
他国の王族からも求められるエレナ。
シアンとレンの心中も穏やかではないのでは?
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