こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は295話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
295話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皇帝の覚悟
皇居の中、大殿。
帝国の建国期が描かれた天井の下、リチャード皇帝は皇座に座っていた。
差し迫った状況を知りながらも、彼は生死に超脱したかのように安らかに見える。
どん!
門が荒々しく開いた。
武装した大公家の騎士たちがどっと入ってきて、大臣たちがいなければならない席を埋め尽くす。
フランチェ大公が白髪をなびかせて、左右に並んだ騎士の間を歩いてきた。
その後ろにぴったりとくっつくベロニカが嘲弄混じりの微笑を浮かべてついてきた。
「陛下にお目にかかります」
フランチェ大公は頭を下げた。
「来たのか」
脅威的な状況にもかかわらず、長年の臣下に接するようにリチャード皇帝の声は平穏だ。
「私を待っていたようですね」
「そう見えるか?」
リチャード皇帝はいい人のように微笑んだ。
脅威的な状況にもかかわらず、余裕が感じられた。
「なんと30年と3年だね。長い年月だよ。君という人を知っているから」
フランチェ大公の眉がびくぴくと動く。
逆毛を起こした彼を見ても、リチャード皇帝の態度があまりにも平然自若だった。
「そうなんですよ。陛下が私を尊重していたら、私たちの同行がもっと長くなっていたはずですが」
「それが嫌だから、今こうしてるんじゃない?」
目は笑っているが、口は笑っていない。
リチャード・フアン。
彼は30年間押さえつけられてきた感情の刃先をフランチェ大公に向けた。
「ご機嫌いかがですか、陛下」
「私の寿命がどのくらい残っていると感情を静めるか?言うべきことは言わないと」
フランチェ大公の表情が冷ややかになる。
何か信じるところがあるように見えるが、いったい何を信じてあんなに堂々としているのか分からなかった。
死を目前にしてもあの余裕のある態度が気に障る。
「時代が変わったね、大公。君や私のような年寄りは退かなければならない」
「退く時は退いても根幹は正しく立てなければなりません」
「根幹か。勝手に皇居に騎士を連れてきて皇帝を逼迫するのが君の言う根幹か?」
リチャード皇帝の怒りに満ちた叱りにもかかわらず、フランチェ大公は表情一つ変えなかった。
「亡き皇帝を廃位し、帝国の城勢を導いてくれる新しい皇帝を擁立すること。それが帝国の忠臣であり、貴族の首長である私の役割です」
「ははは。今年聞いた言葉の中で最高の詭弁だな。君に人を笑わせるオ能があるとは思わなかった」
何だろうか。
リチャード皇帝の言動から何かを隠しているという感じが強くなった。
「陛下、皇太子さまと皇居近衛隊は来ません」
「知っている」
「日が昇っても、貴族は陛下の味方にはならないでしょう」
「それも知っている。君の逆謀で皇帝になった私がそれを知らないだろうか?」
33年前のあの日、逆謀を起こしたフランチェ大公は貴族を規制しようとする先皇帝を強制的に廃位させた。
その後、一介の皇族に過ぎなかったリチャード皇帝を皇帝の座に就かせたのだ。
皇帝になることを望まなかったが、彼には拒否権がなかった。
その過程を自ら経験したリチャード皇帝だったので、これからフランチェ大公がどのように皇居を掌握し、貴族の同意を得て仕事を処理するのか明らかに知るしかなかった。
「ご存じだなんて話が早いですね。廃位されるまで充実した犬になってほしいです。初めて皇位に上がったあの時のように」
フランチェ大公は露骨に野心を露わにする。
皇居を掌握し、リチャード皇帝の身柄を確保したフランチェ大公がすべきことは、これまで閉ざされていた国政運営を大公家に有利な方向に処理することだ。
「これまで先送りにしてきた事案も今日この場で処理することにして」
「バスタージュ家相続の件だね」
「もっと早く相続を許可していたら、ここまでならなかったじゃないですか?」
リチャード皇帝は冷たい目で彼をにらみつけた。
「それで終わりではないだろう。私の勅命だと言って、強制的に皇宮近衛隊を解散させ、皇太子を連れてきて拘禁するのではないか。そして、いずれは同じではない罪名をつけて死刑にするだろう」
「こんなに賢明な陛下が、どうして私の意を無視されたのか分かりません」
その時、フランチェ大公の隣に立っていたベロニカが割り込んできた。
「Lも殺さないと。不純な思想を前面に出して帝国の基礎を侮辱した女を生かしてはいけないじゃないですか?」
「それをうっかりしていた」
「そして、新陛下にお願いしてみましょう。反正功臣の父と私の功労を称え、サロンとバシリカをくださいと」
相性のいい父娘の仲を見るリチャード皇帝の表情に軽蔑が走る。
その父にその子という言葉がぴったりだ。
皇室を見下すことから、この帝国が自分のものであるかのように、傲慢なさまでそっくりだ。
もしべ口二カが皇太子妃に選出され、シアンの伴侶になっていたら、取り返しのつかない状況を招いただろう。
そのためだろうか。
彼女と比較することさえ申し訳ないほど格の低いベロニカを見ていると、しきりにエレナが目に入った。
(あの子がシアンのそばに留まってくれれば安心になるはずなのに・・・)
エレナと縁を作るためにブローチまで与えた。
しかし、彼が前に出てできることはそこまで。
これ以上乗り出すのは気の利いたことであり、結局2人が自分でやるべきことだから。
「ベロニカだったよね?」
「よく覚えてくれていますね、陛下」
ベロニカは皇帝をまっすぐに見つめながら嘲笑する。
まもなく廃位されるところで、依然として皇帝のふりをする姿が滑稽だったからだ。
「サロンが欲しいみたいだね。だが、これをどうすればいいのか?君がLに及ばないから、サロンをもらっても長くは続かないだろう」
「な、何ですって?」
予告もなく入ってくるリチャード皇帝の指摘に、ベロニカの顔が羞恥心で赤く染まる。
ただでさえLに対する劣等感を強く感じるベロニカにとって、皇帝の言葉は耐え難い屈辱に感じられた。
「何を知っていると勝手にそんなことを言うの?」
「ただ見て感じた通りに話すだけだ。Lが孔雀なら、ベロニカ、あなたはテーマも知らずに走るアヒルに過ぎない」
「あ、あなた!」
目がひっくり返ったベロニカが、すぐにでも下克上を犯すように荒い息を吐いた。
「落ち着け、ベロニカ」
フランチェ大公が腕を伸ばして怒りを抑えきれないベロニカを統制する。
そして皇座に座っているリチャード皇帝を見上げた。
「夜はそう長くないからです、陛下。雑談はこれくらいで」
「大公、私が警告を一つしてもいいかい?」
「警告は力のある者だけがすることができます。残念ながら陛下は該当しません」
最後に残った一本の自尊心までフランチェ大公は踏み潰した。
「あなたが何を望んでいようと、どれもあなたの思い通りにはならない」
「あまり心に響かないですね、陛下」
皇帝さえ交代させる大公家の唯一無二の後継者であるベロニカにはリチャード皇帝の警告が滑稽ではなく、残念に聞こえた。
「皇帝を連れてきて詭かせろ」
フランチェ大公は夜通し対処すべき問題が残っているので、遅滞なく騎士たちに命じた。
リチャード皇帝を捕縛した後、強制的に文書に印章を押すようにして名分と実利を全て得ようとする計画だ。
皇帝が皇居に残った理由は時間を稼ぐためでしょうか?
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