こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は53話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
53話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皇太子の訪問
「ここで合っているのかな?」
聞き慣れない声を聞いて、エレナとラファエルが同時に頭を動かした。
「・・・!」
一瞬驚いたエレナは目を大きく開けた。
声の正体は他でもない皇太子シアン。
「令嬢とはよく会うな」
「・・・殿下にご挨拶申し上げます」
エレナは慌てふためいている感情を出さず、本能的に礼儀正しく彼に挨拶した。
皇居でしか見られない礼儀に関心を示していたシアンが視線を変える。
「ラファエルですよね?」
「またお会いできて光栄です」
彼はすでにシアンと面識があったようだ。
「ここが君の画室なのか?」
「左様でございます」
「セシリアに会いに来たのだが、彼女はここには来ていないようだ」
彼の目的はセシリアのようだった。
シアンはなぜか彼女を探しており、セシリアは彼を避けているようだ。
(皇后は本当に恵まれた方ね)
エレナはもう過去のことだと思っていたが、改めて苦々しい気分になる。
自分は切実に求めても受け入れてくれなかったのに、セシリアは当たり前のように受け取っているのだから。
「私もセシリアに会ってから間もないので」
「そうかな?」
シアンは無表情のまま、画室内の絵を見回す。
「セシリアは君が時代を代表する画家になるだろうと賞賛を惜しまなかったよ」
「大袈裟なのです、彼女は」
「そんな事はない。足りない僕の目でも君の天才性が感じられるくらいなのだから」
将来皇帝になるシアンの絶賛にもかかわらず、ラファエルは頭を下げただけで、あまり喜んでいない。
自らの絵に満足できないのが実情で、皇太子の褒め言葉だとしても何の意味もないのだろう。
シアンの足が一つの絵の前で止まる。
「この絵も君が描いたのか?」
「・・・!」
息が止まりそうになる。
彼が指摘したのはエレナが描いた絵なのだから。
- 殿下の祝福
この画室の中には、名画の仲間入りを十分果たせるラファエルの絵が10点以上もかかっている。
それにもかかわらず、シアンはエレナの絵を指摘したのだ。
「いいえ。ルシアちゃんが描いた絵です」
「君が?」
彼は意外という反応を見せ、エレナをちらっと見た後、再び絵の方に視線を移した。
できるなら時間を巻き戻して、絵を隠しておきたかった。
何も言わないで。
エレナの望みにもかかわらず、シアンはその絵の前から離れなかった。
なぜ?
よりによって、この肖像に大きな関心を持つのだろうか?
(本当に分からない)
長い沈黙を破って口を開いたシアンの表情が、どことなく複雑に見えた。
「この天使のような子の笑顔が、どうしてこんなに胸にくるのか分からない」
「・・・!」
様々な気持ちが込み上げてくる。
シアンの言葉が耳の中から離れなかった。
この絵が誰なのか彼は分からない。
分かるはずがないのに。
「君とはどういう関係?」
「・・・弟です」
(あなたの息子よ)
エレナは込み上げてくる感情を何とか抑え込んで、言葉を飲み込んだ。
「なるほど」
シアンは再び肖像に目を向ける。
「どうかよく成長してほしい」
今さらそんなことを言う彼に腹が立つ。
(いっそのこと、何も言ってくれない方が良かった・・・)
世界のどこにも、この子は存在しないのだから。
ついにエレナは崩れてしまった。
目元から落ちる涙を止めることができない。
彼女の涙に、ラファエルとシアンは少なからず戸惑った。
特に、エレナの涙を初めて見るシアンが感じる困惑は非常に大きい。
「どうして泣く?」
「・・・」
「何か間違ったことを言ってしまっただろうか?」
シアンはこのような場合にどうすればいいか分からず、途方に暮れていた。
「いいえ」
エレナは無理矢理笑う。
「ありがとうございます、殿下のお世辞がありがたくて」
彼女の記憶の中にだけ生きていたイアンが、父親からの言葉で微かに笑うことを願う。
「よく成長するでしょう。殿下の祝福を受けたのですから。誰よりもたくましく」
「・・・」
エレナは嬉しそうに痛いほど笑った。
シアンの心からの言葉がイアンに届くことを切望して。
- side リアブリック
「ああ、本当に・・・」
リアブリックはエレナが購入した絵を陳列して、呆れた表情を浮かべた。
学術院に入って静かに過ごしているかと思えば、このような事故を起こすのだから。
特に呆れたのは、彼女が自筆で送ってきた手紙。
「え?近いうちにに価値が大きく上がるから、私を信じて絵の代金を支払ってほしい?」
開いた口が塞がらない。
そして、借用証書まで同封し、<代金支払いを頼みます>という言葉まで書かれていた。
問題は借用証書に書かれた金額。
この程度の金額は、大公家の弊害にもならない。
しかし、このような支出が今後も増えたら?
今後もエレナがベロニカ公女の代役として活動する以上、彼女の署名が持つ影響力は無視できない。
「どうですか?」
リアブリックは美術鑑定士を招待し、エレナが購入した絵を鑑定してもらうことに。
「どれも秀でた絵です。まだ知られていない作家ですが、早ければ5年、遅くても10年あれば買い取り価格以上の値上がりは確実でしょう」
「そうですか」
予想以上に絵の価値が高いことに、彼女は驚いた。
これまで経験したエレナの眼目と水準を考慮すれば、そのような反応は当然だろう。
「ベロニカ公女は人一倍優れた芸術的な眼目を備えているといっても過言ではありません。ははは、次はどのような作品を購入されるか楽しみですね」
『ガイア女神はいくら愚かな人間であっても、一つの才能を与える』という言葉があるが、今のようなケースなのではないのだろうか?
鑑定士を返したリアブリックは、侍女たちに絵を全て倉庫に移しておくように指示した。
「もう少し見守ることにしましょう」
決定を下した後、机の引き出しを開ける。
その中にはエレナを密かに監視していたアンの定期的な手紙でいっぱいだった。
「忘れないで、あなたは私の手のひらにいることを」
リアブリックは一瞬たりともエレナから目を離さなかった。
最初の出会いから今までずっと。
それは今後も同じだった。
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