こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は77話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
77話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カリフの仕事
「エミリオさん、本当にこの言葉を信じるのですか?あまりにも賭博性が高いです。まかり間違えれば法王庁から非難される可能性もあります。そうなれば終わりですよ!」
カリフに懸念にもかかわらず、エレナの表情は変わらなかった。
彼女の瞳には決して揺れることのない頑固さが漂っている。
「教皇庁を引き入れることで私たちは二つの利益を得られます。第1は名分。大公家ではなく、大聖堂の取引に入る大理石を確保するために、前もって備えておいたと言えるのですから」
「一理ある」
エミリオは同意した。
「二つ目は私たちが提示する大理石の買取価格の4倍が安い価格ではなくなるという事。大聖堂の建築に着手すれば、その損害を埋め尽くしても十分に残るでしょうから」
エレナのこれまでの努力は、彼女を裏切らなかった。
一つの記憶をもとに多くの計画を派生させ、大公家の計画を逆利用して揺さぶり、多くの富を手に入れることができた。
エミリオは純粋に驚嘆する。
「聞けば聞くほど驚くね。一体どこまで見透かしているのか」
「それほどでもありません。他の人が知っていることを、もう一度考えただけですから」
エレナは謙虚に言ったが、エミリオは知っている。
彼のこれまでの経験と年齢を合わせても、今のエレナの鋭さには届いていないということを。
カリフが呆れたように首をふる。
「驚くことが癖になったよ。周りに天才が多すぎる・・・」
周りに天才がいても、諦めることなく成長しようと努力するカリフの姿に、エレナは満足感を隠せなかった。
「先輩は先輩で得意なことがあるじゃないですか」
「全然慰めにならないけど・・・」
そんな姿までもエレナの目には綺麗に見えた。
「これで大理石の問題は解決しましたよね?残りはお父さんにお願いします」
「心配するな」
頼もしい返事だ。
エミリオの仕事は全く非の打ち所がないほど完璧だった。
繋がりを結ばせてくれたレンに感謝しないと。
「本当に重要な案件は別にあります」
「それは何?」
カリフの目が瞬く間に異彩を放つ。
「サロン通りとノブレス通りは違うようで追い求めているものは似ています」
「君の言葉の要旨は、ノブレス通りとの競争は避けられないという事だろ?」
「はい、その通りです」
「不利になると思うけど?」
そもそも大公家に比べて初期資本の規模が違う。
ましてここは帝国の首都。
大公家の奥座敷同然なので、彼らの影響力は絶対的だ。
しかし、エレナの表情には一点の不安も見えなかった。
「人だね」
「やっぱりお父さんは鋭いね」
エミリオの慧眼に、エレナは少なからず驚いた。
彼が自分の計画をこんなに深く理解できなかったら、大公家を相手にこれほど完璧に近い手腕を見せることはできなかっただろう。
「世の中とは全て同じものだ。権力争いも戦争も、勝敗は人によって決まるものなのだから」
エレナはエミリオの言葉に無言で笑う。
「人って何ですか?私にも分かるように説明してください」
「先輩のことですよ」
「私?」
名指しされたカリフが目を大きく瞬く。
慌てた様子がはっきりと分かる。
「先輩は先輩が思っているより、ずっと凄い人です」
「急にどうした?そんなことはないよ」
「ノブレス通りにはなく、私たちにあるもの。そして、先輩が今までしてきたこと」
エレナは息を整えて言葉を続ける。
「時代の巨匠たちが私たちと共にいることです」
「まさか・・・」
一歩遅れて感じとったカリフの目つきが変わる。
さっきまで大公家と競争できないと言ってたときの目つきとは全く違った。
「数えきれないほどの巨匠の成長が、アートアドバイザーの先輩の手にかかっているのです」
「・・・!」
カリフは戦慄を覚えた。
「サロンは彼らの作品を公開する場になります。時代をリードする巨匠たちが私たちと共にいるのですから、何も怖いものはありません」
「君という子は本当に・・・」
「もう分かりましたか?先輩の役割がどれほど重要であるか」
エレナの偉大な計画に同化したカリフはうなずいた。
彼の責任感が伝わってくる。
「すごく負担になるけど、心臓がドキドキしてるよ。まるで狂人みたいだ」
レンは、エミリオとの密談があるレストランの向こう側から彼らを監視していた。
エレナが去った後、時間を置いてカリフはレストランを出る。
「メル、あのカリフという男がベロニカの常連美術商だって?」
後ろに立っていた女性が顔を上げる。
今年30歳前半のメルは、バスタージュ家の特殊組織「マジェスティ」のリーダーだ。
「調べたところによるとその通りです」
「不思議だよね。家柄も能力もないのに、どうしてベロニカのような大物を捕まえたのだろうか?」
「その部分は私にも分かりません」
ルシアとベロニカが同一人物であることはレンだけが知っている。
誰かの恥部を自分だけが知っているのは実に喜ばしいことだった。
「カストル商会については?」
「はい。驚くくらいに、不埒な事をしでかしていました」
「何だ、その表現。すごく楽しみじゃないか」
レンが目を輝かせるとメルは答えた。
「大公家が推進するスラム街再開発事業に加わり、かなり大きな収益を上げたそうです。大公家から受け取った売買代金の過程を追跡すると、これら全ての仕事の後ろにLという人物がいました」
「L?」
「書類上は確かに存在しますが、実体を見せたことがありません。まだ心証に過ぎませんが、このLという人物は大公家に反感を持っているようです」
「Lね。私たち以外に大公家に剣を向ける狂人がいるんだ。いやぁ、興味津々だね」
エミリオも重要な助力者ですが、それ以上にカリフの仕事は責任重大ですね!
彼の仕事でサロンの未来が決定するのですから。
そして、少しずつエレナの考えに近づくレン。
Lの正体がバレていないのは、エミリオの功績が大きいでしょう。
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