影の皇妃

影の皇妃【82話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は82をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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82話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 剣術祭

「え?もう一度言って下さい。殿下が剣術祭の準決勝に上がったのですか?予選ではなく、本大会に?」

久しぶりのカリフとの再会で、偶然に聞いたシアンの知らせに驚いた。

「何度も言っただろ。殿下が準決勝に上がったって」

「うそ・・・」

「本当に信じられないのなら、他の人にも聞いてみるといいよ」

エレナはどうも理解できなかった。

過去の歴史で、シアンは一度も目立った実力を見せたことがないから。

(準決勝なら、家の騎士たちと同等の実力だけど・・・。何があったのだろう?)

シアンの実力をまぐれと言い切るのはできない。

「どのように勝ったか聞いてますか?まぐれ当たりとか?」

「殿下が聞いたら悲しむぞ・・・」

カリフも結果しか知らないようだ。

「殿下が君に伝えてくれって言ってたよ」

「私にですか?」

エレナが反応すると、カリフが目を細める。

「気になるだろ?」

「私に一生会いたくないとか?」

シアンの話だから、瞬間的に真顔になる。

「落ち着けよ。どうして殺伐となるんだ?」

「早く」

「決勝戦に上がったら、必ず見にきて欲しいってさ」

「・・・本当に、そう仰ったのですか?」

信じられないように聞き返す。

「本当だ。はっきりとこの耳で聞いた」

「・・・」

どう受け止めていいか分からない。

剣術祭の参加者は、家族や恋人を招待するのが古くからの伝統。

しかしエレナは家族でもなく、恋人でもない。

少し顔見知りの後輩なのだ。

一つだけ思い当たる考え。

(もっと近くなりたいと望んでいる・・・)

そんなはずがないと、エレナの心の奥底で叫んでいる。

「殿下がなぜ君を招待したのか。私は知ってるよ」

「・・・」

「何と言うか、君はまるで線を引いて接している感じがする。違う?」

「・・・」

言葉に詰まった。

カリフの言葉は正しい。

「君がなぜそうするのか、見当はつく。身分の差のせいだろ?」

「・・・」

「やっぱり。一度だけ正直になってみるのはどう?」

「正直に?」

そういえば、エレナは一度もシアンに対する自分の感情に向き合ったことがなかった。

(嫌いじゃない)

もはや、シアンは憎い存在ではない。

明らかなのは、彼に対してそっぽを向くべきではないという事。

「先輩、準決勝はいつですか?」

「明後日だけど?」

日付と時間を頭に入れる。

シアンの実力がまぐれなのか、本当の実力なのか確かめなければいけない。

 



 

シアンの話は終わったので、エレナはメイから渡された身分詳細書をカリフに渡す。

そろそろ彼だけの力では全員を見れなくなってきたので、エミリオの力を借りて有能な人材を派遣してもらう予定だ。

「その書類には記載されていませんが、先輩に会って欲しい人がいます」

「誰?」

「聞いたら、ビックリすると思いますよ?」

紹介しようとした瞬間、カリフが冷や水を浴びせた。

「ラファエルのこと?」

「どうして分かったのですか?」

エレナは目を丸くした。

「私だってビックリしたよ。ベラドナのモデルが君だって噂があるじゃないか。彼に会ってみろって事だよね?後で会いに行くよ」

「・・・」

「その目つきは何?妙に気持ち悪いのだけど」

「・・・母鳥の心を理解している最中です」

カリフの額に神経質な筋ができたのは、言うまでもなかった。

 



 

剣術祭準決勝の日、エレナはベロニカとして寮を出る。

「一緒に見て下さいね」

「私もですか?」

「学術院内にいるだけでは息苦しいでしょ?それと、いい刺激にもなりませんか?」

隠そうとしても隠せないヒュレルバードの心を読む。

準決勝まで勝ち進んだ強者たちを見たいと思う気持ちは、騎士の本能のようなものだろう。

「・・・分かりました」

待機していた馬車に乗る。

エレナは剣術について詳しくない。

シアンの実力を冷静に判断できる人が必要だったのだ。

(もし殿下が決勝戦に上がったら、相手はレンね)

過去の歴史で、剣術祭の優勝者はレンだったのだから。

馬車が到着し、エレナが優雅に降りる。

爽やかが漂うドレス姿のエレナに、人々は目が離せずにいる。

剣術祭の準決勝が行われる会場の規模はかなり大きい。

エレナの座る席は、特別な貴族にのみ許される席だ。

今繰り広げられているのは、レンが出場する準決勝。

勝負は一瞬で終わる。

わずか数秒もしないうちに、レンの鋭い剣捌きに右往左往していた相手が、木刀を手から離してしまったのだ。

その隙を見逃さず、レンの剣先が相手の首に当たる。

「勝者レン・バスタージュ。決勝進出!」

「ご覧になりましたか?」

試合を一緒に観戦しているヒュレルバードに解説を頼む。

「はい、レン公子は刺すふりをして、素早く首筋を狙って剣を弾きました。慌てた相手が木刀を回収して防ぎましたが、既にバランスは崩れています。その隙を突かずにレン公子は左右交互に攻撃し、決定的な一撃を放ちました」

「今言ったことが、全部一瞬で起きたのですか?」

「その通りです」

「・・・」

言葉を失った。

「率直に言って、レンの剣術はどの程度なのでしょうか?」

「強いです」

「第2騎士団長のジェームズと比較したら?」

「レン公子の方が強いでしょう」

困るであろう質問にも、ヒュレルバードは率直に感想を述べた。

「もし卿がレン公子と対決したら?答えにくいのであれば、言わなくてもいいですよ」

彼はしばらく黙っていた。

レンを見つめる視線の向こうでは、仮想の決闘が繰り広げられているに違いない。

「・・・半々じゃないかと思います」

「半々ね。流石だわ」

エレナは満足げに微笑む。

過去の歴史で二人は一度だけ戦う機会があったが、半日以上戦っても決着はつかなかった。

このまま成長してほしいと願い、ヒュレルバードに自習することを許した。

全盛期の彼がトレーニングに邁進して、もっと強くなれるように助力したかったから。

 



 

シアンのルシアへの伝言は、確実に好意を持っているセリフですよね!

ベロニカ公女としても、シアンと接してみてほしいです。

学術院に来てからヒュレルバードの出番が全然無かったので、これからの活躍を期待しています♪

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