こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は93話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
93話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- サロンの女主人
エレナはメイを同行して屋敷を出る。
ヒュレルバードのエスコートを受けながら、馬車は首都の街を闊歩した。
「メイ」
「はい、お嬢様」
窓の外を何気なく見ていたメイが丁寧に答える。
「サロンに行ったら驚くことがあるわよ」
「驚くことですか?」
メイはこれまで「L」の名で優れた人材を後援してきた。
しかし、カリフに後援を譲渡した後、Lに関する話を聞くのは初耳なのだ。
「これからあなたも知ることになるわ。なぜ私が父親を憎んでいるのか」
「・・・!」
カリフの言葉通り、シークレットサロンの周りには見物人で溢れていた。
サロンの正門は、貴族たちを乗せた馬車が絶えず行き来している。
彼らは仮面で顔を隠し、サロン出入りの要求に忠実に従っていた。
貴族たちは仮面舞踏会が好きだった。
身分を隠して相手と知り合いながら、誰なのかを推測するのが面白いため。
このような試みを、貴族たちが嫌うはずがないのだ。
「仮面を」
メイが箱を開けて蝶の仮面を渡す。
彼女も自分に準備された仮面をつけた。
ヒュレルバードには、サロンの外で待機するように命じている。
エレナがサロンの入り口に足を踏み入れると、人々の視線が集中した。
何人かの貴族はエレナを見て、彼女の正体に気づいている。
(思う存分に調べてね)
自分がサロンに来たことを隠すつもりはない。
仮面で隠しきれる美貌ではない、ベロニカ公女の姿なのだから。
本館ホールに入場し、高い天井と巨大なシャンデリアに圧倒される。
ランドールは期待以上の働きを見せてくれた。
エレナは微笑ましい笑顔でホールの中を歩く。
訪問客にベロニカ公女がサロンに来たことを意図的に示すため。
(そろそろ身を引こうかしら)
ホール奥の階段を上がって2階に向かう。
控え室と書かれた部屋の一つに入り、中から鍵をかける。
「お嬢様、どこかお気に召さないところが?」
メイは内心、今日初めて履いた靴のせいで足を痛めたのではないかと推測した。
「そうじゃないから、こっちに来て」
本棚の下の大理石の床を踏み込むと、1階に繋がる階段が現れる。
「お嬢様、これは・・・」
「降りましょう」
慌てるメイを連れて、エレナは階段を降りた。
秘密通路の奥まで到着し、壁を数回叩く。
「お帰り」
壁の向こうから現れたのは、お洒落をしたカリフだった。
「お久しぶりです、恩人」
そこにはエミリオの姿も。
彼の目は生き生きと輝いていた。
一度もやったことのない分野であるだけに、大きな興味と楽しさを感じているのだ。
「挨拶は後にしましょう。作品発表前にサロンの主人として挨拶する時間がなくなりますから」
エレナはうなずいて隣の部屋に入る。
「メイ、ちょっと手伝ってくれる?」
メイはぼんやりとした顔でうなずきながらエレナの変装を助けた。
おかっぱ頭のカツラを被り、ドレスを着替えて仮面をつけると、エレナ本来の姿はどこにも見当たらなかった。
「まだよく分かっていない状況よね?」
「はい」
メイは正直にうなずいた。
「説明するよりも目で見た方がいいわ」
意味深な笑みを浮かべるエレナを見て、カリフが急かす。
「行きましょう、先輩」
エレナは生まれて初めて感じるときめきを胸に抱いて部屋を出る。
(ようやくここまで来た)
メインホールに続く階段を下りると、ベールに包まれていたシークレットサロンの主人を迎える拍手が沸き起こった。
(ここからが本番よ)
Lという名前で、失われた人生を取り戻す。
サロンのオーナー「L」の正体は全く知られていない。
性別や身分さえも不明だった。
エレナの登場に拍手と喝采を送りながらも、人々は戸惑いを隠せなかった。
サロンの主人Lが女性であるという点。
あんなか細い体で、一般貴族や富豪よりも決断力のある投資をすることに驚いていたのだ。
同時にLに対する関心と好奇心がさらに増幅される。
サロンの女主人Lは一体どんな女性なのだろうか?と。
「本日、シークレットサロンにお越しくださった貴賓に感謝いたします。私はサロンの主人Lです」
きちんとした紹介に、もう一度拍手が送られた。
「シークレットサロンは性別、身分の壁をなくした討論の場であり、社交の場、知性の産室、仲介所、展示会などを開くことを目的としております。いつも覚えておいてください。このサロンの主人は皆様だということを」
エレナの弁舌で、ホールにいる人たちを一気に魅了する。
Lは決断力を兼ね備えただけでなく、知性まで備えていたことに。
「シークレットサロンの誇りであり、時代を超えた画家ラファエルの新作を公開し、私はもうお暇いたします。公開討論会でお目にかかります」
優雅にスカートの裾を持ち上げながら挨拶し、階段を上がる。
人々の視野から消えるまで拍手が止まることはなかった。
それだけLが残した第一印象は強烈だったのだ。
「あれってルシア?」
ホールの真ん中に立っている女性が思わず呟く。
リンド伯爵家の長女セシリアだ。
何故か分からないが、Lを見た瞬間、ルシアが思い浮かんだのだ。
最近の話では、彼女は体調が優れず学術院を休学し、故郷に戻ったと聞く。
違うと思いながらも、見れば見るほどLとルシアの姿が重なる。
「もし本当にLがルシアなら・・・」
セシリアが唾を飲み込む。
「私には出来すぎた後輩ね」
ついにLとしての活動がスタートしましたね!
第一印象は成功しましたし、このまま順調に進めばいいと思っています。
今は貴族しかいませんが、いずれは平民も参加するようなサロンになってほしいですね♪
セシリアも薄々気づいているようですし、彼女の再登場も近いのでは?
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