こんにちは、ピッコです。
「ニセモノ皇女の居場所はない」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

69話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 誕生日パーティー
フィローメルは誕生日宴会に必要なほとんどのものを自ら準備することにした。
『どれだけ来るように言ったとはいえ、どれほど多くの人が来るだろう。』
何よりも、自分を本当に大切に思ってくれる人々に、心のこもったもてなしをしたかった。
宴会の会場は南宮の庭園に決まった。
近しい者同士の集まりならともかく、皇族でない者が正式に皇宮で宴会を開くには申請が必要だ。
支援活動を主管するため、フィローメルは申請書を手に担当者を訪ねる。
しかし、担当者は手を振りながら好きなように書けと言った。
「おやおや、レディ・フィローメルにこんなことを押し付けたら、私が叱られてしまいますよ!」
それでも手続きは手続き。
彼女は担当者に申請書を手渡した。
間もなく、施設の使用許可とともに、物資の貸与許可も下りた。
フィローメルは南宮の倉庫を開け、必要な物資を取り出した。
わずか数脚の椅子だったので、自分で運ぼうとしたが、南宮の宮人たちが飛び出してきて制止した。
結局、彼女は物資の準備と清掃において、彼らの手を借りることになった。
しかし、料理は自分で準備しようとしても、準備することができなかった。
彼女は調理器具に触れたことがほとんどなかったからだ。
『あとで学ばなきゃ。』
そう心に決めながら、フィローメルは厨房へ向かう。
かつて〈虹色の菓子店〉の主人であり、現在は宮廷菓子職人のヘリスが彼女を迎えた。
フィローメルが正式に宴会用の菓子を依頼し、代金を支払おうとすると、ヘリスは驚いたように飛び上がった。
「とんでもないことです!私が誰のおかげでここで働けるようになったと思っているんですか!」
以前会ったときよりも、ずっと言葉が流暢になった彼が言った。
「フィローメル様が私たちの店に来られたことがあると聞きました。残念ながら、私はその記憶がないのですが。しかし、そのおかげで私は街に出ることなく、ここまで来ることができました。」
そのとき、彼女はジェレミアのネックレスを借りて変装していたので、彼には記憶がないのも当然だ。
ヘリスは、アップルパイをはじめとするさまざまなデザートを無料で提供すると申し出た。
宴会で提供される他の料理も、状況は同じ。
誰もフィローメルからお金を受け取ろうとしなかった。
「お金を払うって言ってるのに、なんでみんな断るの……?」
途方に暮れたフィローメルは、結局、もやもやしたまま自分の部屋に戻った。
もしかして、ユースティスからの贈り物を当然のように受け取っていた自分は、とんでもない守銭奴なのでは?
どうにかしても、招待状だけは自分で書くことにした。
フィローメルは、招待する人の名簿を横に置きながら、一通ずつ手紙を書いた。
メリンダ、エトワール令嬢、ゴドリフ令嬢、そして彼女たちを通じて出席の意思を示した他の令嬢たちまで。
出席者は合計で十名ほどになった。
そしてナサールは……。
「招待してもいいのかな?」
他の出席者が令嬢たちばかりなので、ナサールが居心地悪く感じるのではないかと心配になった。
それでも、貴族の中でフィローメルが招待できるほど親しい人はほとんどいなかった。
『だからといって、ナサールを招待しないわけには……。』
潤んだ子犬のような瞳で自分を見つめるあの顔が、何度も脳裏に浮かんだ。
さらに最近では、メリンダよりも頻繁に会う人物がいた。
彼はさまざまな理由をつけてしょっちゅう南宮を訪れていたが、フィローメルはそれを不快には思わなかった。
「やっぱり招待しないと寂しがるよね?」
結局、彼女はエイブリデン邸に送る招待状を仕上げた。
中には、直接招待されたいと望む者もいた。
「私のはないの?」
「……ルグィーンも参加されるんですか?」
「ちゃんとプレゼントも用意していくから、心配しないで!」
「しないで。」
いや、それは問題ではなかった。
ドラゴンの卵事件の後、結局フィローメルは彼から何の贈り物も受け取らないことになった。
『でもまあ……。』
いいだろう。
フィローメルは代わりに、人々が皆帰った後、ゆっくりとルグィーンに招待状を一枚書いた。
こうして、フィローメルの誕生日の宴がついに一日後に迫ってきた。
フィローメルは着々と行事の準備を進めた。
特にすることはないと思っていたが、なんとなく気になることが多かった。
テーブルの上を飾る花まで、夕暮れ時にはすべて整えられ、あとは何の手間もかからなかった。
皇女だった頃に主催した宴会に比べるとずっと控えめではあったが、フィローメルの目には十分美しく映っていた。
「これで終わり!」
準備が終わった屋外の宴会場を満足げに見渡し、フィローメルは声を上げた。
あとは明日を待つだけだ。
しかし、その夜。
西宮の庭園に、怪しげな影が集まった。
その中で、不敵な笑みを浮かべた影が口を開いた。
「準備はできたか?」
他の影たちは黙ってうなずいた。
こうしてフィローメルが丹精込めて準備した屋外の宴会場に彼らの馬車が止まった。
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誕生日の宴会当日の朝が明けた。
フィローメルは予定の時刻より少し遅く起きてしまった。
昨日、宴会の準備に没頭しすぎてかなり疲れていたようだ。
慌てて身支度を整えた後、宴会場の最終チェックはジェレミアに任せて、来賓を迎えるために南宮の正門へと向かった。
「今日の宴会場は私が準備しましたが、不十分なところが多いかもしれない。」
来賓を案内しながら庭園へ向かうフィローメルはぎこちなく口を開いた。
幸いなことに、皆が楽しみにしていると言ってくれた。
フィローメルは喜び半分、気恥ずかしさ半分で庭園へと入っていった。
「さあ、ここが今夜の宴会が開かれる……」
フィローメルの言葉が途中で途切れた。
宴会場の様子を確認した金色の瞳が、驚愕に震えたのだ。
招待客たちもまた息をのんだ。
なぜなら、フィローメルが直接準備した夜の宴会場が……。
「まあ、とても美しいわ!」
「フィローメル様がこの場所を直接飾りつけたのですか?」
その光景は、目を見張るほど美しく、幻想的だったからだ!
『これ、どういうこと!?』
フィローメルにはまったく心当たりのない出来事だった。
庭園の入り口から繊細に彫刻された氷の彫刻が来賓を迎えていた。
「本物の氷ですよ!」
「夏なのにどうして溶けずにそのまま維持されているんですか?」
「魔法か何かかかっているんじゃないですか?とにかく涼しいですね。」
氷の彫刻は一つや二つではなかった。
天使や動物、抽象的な幾何学模様など多様な形をした彫刻が庭園のあちこちを飾っていた。
真夏の暑さも、彫刻が放つ冷気によって幾分和らいでいた。
それだけではなかった。
庭園には花々が満開だった。
妖精たちは宴会場を囲む花々を眺めた。
「菊の花がきれいに咲いていますね。」
「えっ、でも菊って秋に咲く花じゃないの?」
「本当ですね。どうして真夏に菊が咲いているんでしょう?」
「皆さん、ここには春の花であるアゼリア(ツツジ)までありますよ!」
花々は季節感を無視して、狂ったように咲き誇っていた。
誰が見ても奇妙な光景だった。









