ニセモノ皇女の居場所はない

ニセモノ皇女の居場所はない【70話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ニセモノ皇女の居場所はない」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【ニセモノ皇女の居場所はない】まとめ こんにちは、ピッコです。 「ニセモノ皇女の居場所はない」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介と...

 




 

70話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 誕生日パーティー②

フィローメルはひとまず氷の彫刻のあたりから距離を取った。

「氷だなんて……」

誰の仕業なのか、すぐに見当がついた。

「どこにいるの?」

彼女はジェレミアを探すために周囲を見回したが、犯人の姿は見当たらなかった。

明らかにフィローメルを守るため近くで待機しているはずなのに、気配を巧みに隠しているようだ。

「きっとまた、木の上のような高い場所で全体を見渡しているんでしょう。」

木々を注意深く見ていたフィローメルの耳にナサールの感嘆の声が聞こえた。

「実に美しいですね。」

彼は庭園の中心に設置された氷の彫刻の前に立っていた。

その彫刻を目にしたフィローメルは絶句した。

『ジェレミア、いくらなんでもこれはやりすぎじゃないですか!』

フィローメルの姿は女神のように繊細な造形で表現されていた。

唯一、人間の形をした彫刻であり、最も手間をかけたことが一目でわかる作品だ。

しかも、それを最も目立つ場所に設置するとは。

まるで自分が傲慢なナルシストであるかのように見せかけるようなものだった。

フィローメルを見たナサールが言った。

「もちろん、本物のフィローメル様には到底及びませんがね。」

「はは…… よく見てくださってありがとうございます。」

この人、目が悪いのか?

『誰が見ても、私より綺麗だなんて。』

しかし、そんなことを考えているうちに天上の冷気を作り出す男、ナサール・エイブリトンがこの場にいたことを思い出した。

彼の穏やかな瞳には確信が宿っていた。

フィローメルは恥ずかしそうに両頬を少し赤らめる。

「にゃおん。」

その時、二人の間に猫が割り込んできた。

鳴き声に誘われ、周囲の貴族の子女たちの視線が猫へと向けられた。

「かわいい! こんなに可愛くて美しい猫、初めて見たわ!」

「銀色の毛が本当に優雅ですね。」

「ところで、猫が口にくわえているのは何ですか?」

それは、フィローメルがルグィーンに渡した招待状だ。

「彼も私たちと同じように招待状を持ってきたんですね。」

「すごく可愛い!」

令嬢たちの間で、まるで溶けてしまいそうな感嘆の笑い声が広がった。

「皆さん、どうぞ楽しんでください。私はちょっと席を外します。」

フィローメルは素早く猫を抱き上げると、建物の裏手へと抜け出した。

周囲に誰もいないことを確認すると、彼女は猫に向かって話しかけた。

「ルグィーン!これは一体どういうことですか?」

猫は視線をそらしながら、後ろ足で自分の頬をひっかいた。

彼女がじっと見つめると、知らないふりをしてひたすら毛づくろいをするだけだ。

そのあからさまな態度に、フィローメルはため息をついた。

『仕方ない。もう起きてしまったことだ。』

招待客たちも驚いたが、皆楽しげな表情を浮かべていた。

しかも、会場をよく見てみると、より一層華やかになったことは確かだったが、基本的な構成は彼女が思い描いた通りだった。

フィローメルは指先で猫の額を優しく突いた。

「私を喜ばせるためにしてくれたんですよね?ありがとう。それでも、次からは事前に教えてくださいね。びっくりしちゃいましたから。」

「ニャー。」

その瞬間、嬉しそうに短く鳴いた猫が勢いよく跳び上がり、空を覆った。

フィローメルがつられて空を見上げると、驚きのあまり言葉を失った。

青い空に、巨大な文字の形をした雲が浮かんでいたのだ。

『フィル、お誕生日おめでとう。』

彼女はルグィーンを軽く揺さぶりながら叫んだ。

「ちょっと、あれはやりすぎでしょう! 誰かに見られる前に早く消してください!」

やはり、この家族の誕生日祝いは派手すぎる。

幸いにも、不気味な形の雲は、客の誰かが気づく前に消えた。

人間の姿に変身したルグィーンに、ここにいる人々は見えなくても、他の場所にいる人がいたかもしれないと言うと、彼は首を横に振った。

「本物の雲じゃなくて、幻覚魔法だよ。」

彼の説明によると、この周囲だけに魔法がかかっているため、他の地域からは普通の雲にしか見えないということだ。

「十年は縮まった気分……。」

凍傷くらいならまだしも、これは単なる雲ではない。

フィローメルは、ぞっとしながら首を横に振った。

今もなお、出席者たちはフィローメルが自分の誕生日を祝うために宮廷の魔法使いまで動員するという、ユニークな発想の持ち主だと知っているはずだった。

それなのに、こんなに大げさな仕掛けまで準備したと誤解されても仕方がない状況だった。

ルグィーンを送り出した後、フィローメルは宴会場へ戻った。

招待客たちは自由に宴を楽しんでいたが、昼食の時間が近づくと、それぞれ指定された席に着席した。

十二人の招待客が三つのテーブルに分かれて座った。

その中で唯一の男性であるナサールはフィローメルの隣に座った。

しかし彼は、この中で自分が最もフィローメルと面識があることを意識していた。

食事をしながら、フィローメルは彼に尋ねた。

「ここにいるの、不便じゃないですか?」

ナサールが眉をきゅっと寄せて微笑んだ。

「そんなはずないでしょう。本当に素晴らしい宴会です。」

「でも……男性はナサールさん一人だけですよね。」

「それが一番気に入りました。」

「……?」

何だ?女性たちの中にいるのが好きなのか?

フィローメルは困惑した表情で再び口を開いた。

「もしかして、他の方を招待したほうがよかったですか?」

「……」

「例えば、ナサールさんの親友であるオデルリ侯爵の令息とか……。」

突然、彼の端正な唇が動いた。

「僕は友達なんていません。」

フィローメルはますます疑問に陥った。

『あれ? 昔は友達が多かった気がするけど……。その間に人間関係が希薄になったのかな?』

昼食が終わった後、フィローメルは出席者たちから順番にプレゼントを受け取った。

イヤリング、繊細なリボン、本のしおり、ナデシコの帽子など、種類も様々だ。

最後のプレゼントはナサールからだった。

彼はフィローメルに、リボンで束ねられた控えめな花束を差し出した。

「これは……」

青々とした茎に、幾重にも広がる繊細な花びら。

フィロメールもよく知っている花だった。

「……フィローメルの花。」

彼女と同じ名前の花だ。

しかし、奇妙な点があった。

彼女が知っているフィローメルの花よりも花房が大きかった。

そして、何よりも……。

「どうしてこの花がまだ咲いているんでしょう?」

それが最大の疑問だ。

フィローメルの花はユティナ地方でしか咲かない、一日限りの花。

正確には一日でもなく、一晩の間だけ咲いて、すぐに散ってしまう。

そのため、彼女も実物を見たことはなかった。

夜が明ける前に、ユティナから首都までこの花を移動させることはほぼ不可能だった。

優れた転移魔法を使える魔法使いを呼べばできないこともなかったが、フィローメルはそこまでするほどこの花を見たいとは思わなかった。

それは、この花の花言葉が気に入らなかったからだ。

フィローメルの花には「人生無常」「儚い青春」「良き時代の虚しさ」などの花言葉があった。

美しい姿に反して短命であることから、儚さを象徴する意味を持つ花だ。

まあ、人の名前にするには少し不吉な印象を持つ花だった。

花言葉なんて気にしない人も多いが——。

ナサールはフィローメルの疑問を解くように説明した。

「品種改良によって、この花の寿命はずっと長くなりました。その過程で、花房も大きくなったんですよ。」

彼は続けて、小さな袋をフィローメルの手に渡した。

「種子です。我が家の庭でも花を咲かせたので、ここでもきっとよく育つでしょう。」

袋の中から、種の感触が伝わってきた。

「この花にはまだ名前がありません。フィローメル様が一つ名付けてください。」

フィローメルは花びらに鼻を寄せて香りをかいだ。

普通に良い花の香りだった。特別に印象的でもなく、悲しさも感じない。

この花には、ごく普通に美しい名前がふさわしい。

そう考えると、なぜか気分がよくなった。

フィローメルは穏やかに微笑んだ。

「本当にありがとう、ナサール。」

贈り物の時間が終わると、デザートパーティーが始まった。

テーブルの座席配置は昼食時とは少し変わっていたが、ナサールは相変わらずフィローメルの隣に座っていた。

残りの二席には、メリンダとゴドリフの姉妹が座っていた。

四人は一緒に会話を交わしていた。

話題が猫のことに移った時、ゴドリフの姉妹が何かを思い出したように「あっ」と声をあげた。

「そういえば、フィローメル様の猫の名前は何ですか?」

「あぁ、名前は……」

フィローメルが答えようとするよりも早く、メリンダが口を開いた。

「権威(クォングォン)です!」

ナサールが称賛した。

「独特で良い名前ですね。」

しかし、ゴドリフ伯爵令嬢の顔が一瞬曇ったのを見ると、それはナサールだけの意見のようだった。

メリンダは、わざわざ言わなくてもいいことまで言った。

「でも、以前見たときに、権威という名前が重すぎるんじゃないかとフィローメル様が悩んでおられるようでした。」

すると、ゴドリフ伯爵令嬢が意外な提案をした。

「あ、うちの猫もアムケットなんですけど、ちょうど発情期なんですよ。今度、一度二匹を紹介してみるのはどうでしょう?」

猫が新しい母親を持つことはできなかったので、フィローメルは適当に話を逸らした。

「うちの猫は中性化する予定なので。」

 



 

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