こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は104話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
104話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 襲撃②
イザベラは尖った言い方をした。
「皇居に侵入した暴徒たちがあなたの友人たちだったようですね?どうやって王宮に入ってきたんですか?」
「お前が言わなくても分かることがある」
「こんなに突然登場したら困ると言ったじゃないですか。私がきっとユディット・マイバウムと会う機会を別に用意すると言ったはずですが?」
え?
イザベラの思いもよらなかった言葉に、私はぼんやりと彼女を見た。
ただ投げる言葉なのか、それとも・・・。
イザベラを信じたためにフランツとの接近を任せたのだが、実際にこのような状況になると頭の中が複雑になってしまう。
イザベラは私のことは気にせず、フランツが笑顔で微笑んでいるのを見た。
「でもイザベラ、どう考えても君を信じることができなかった。君としては私とマイバウムを繋ぎたくないだろうから。そうじゃない?」
「・・・」
フランツの言葉にイザベラの青い両目が嫉妬するように燃え上がった。
「でもフランツ、あなたを一番よく理解しているのは私です。そして、私はあなたのために一生懸命に努力しました。あの女の機嫌まで取りながら!」
「そんな理由が私の仕事を邪魔する理由にはならない。」
フランツはイザベラを冷静に退ける。
イザベラは裏切られたような顔をした。
愛していた恋人から捨てられたように、彼女の歪んだ顔には真心がぽつりぽつりと滲み出ていた。
演技のように感じられなかった。
イザベラは・・・本当に私の味方なのかな?
話を聞けば聞くほど、心の中に疑いの炎が燃え上がる。
(もしかしてイザベラが今まで私を騙していたのではないだろうか?フランツを憎んでいるように振舞ったが、ずっと彼のことを好きになっていたとか・・・。私のそばで息を殺したままフランツの役に立つ機会だけをうかがっていたのかも・・・)
そう思うと、氷水を浴びたように頭がぼうっとした。
指先が凍傷でも負ったように固まってしまう。
私はすぐに首を横に振った。
(いや、ユディット。馬鹿なことは考えないようにしよう。今は一応この状況から抜け出すことだけを考えるだけでも手に余る。どうやってフランツを振り切るかに集中しないと・・・)
フランツはすべての状況を把握しているようには見えない。
イザベラとも意見の不一致を見せているし。
それなら刹那の機会があるだろう。
私はその隙間を狙わなければならない。
私の感覚は鋭く尖っていた。
「フランツ、どうかそう言わないでください。あなたの仕事を邪魔するなんて、私の愛を疑っているのですか?私は本当にあなたを愛しています。あなたの妻になれなくても、私は・・・」
イザベラは必死に身を低くしてフランツに祈った。
フランツが自分を見捨てることを恐れているようだ。
その間、イザベラはいつの間にかフランツの近くにいた。
私はイザベラがフランツの精神を少しでも乱してくれることを切望していた。
その時、突然イザベラがフランツを抱きしめる。
ほとんど全身を投げ出したようなまま。
時ならぬ機会に先に反応したのは、私の頭ではなく、私の足だった。
靴のかかとがすぐに床を蹴る。
イザベラの叫び声が私の反対方向に飛び跳ねるように聞こえた。
「逃げて、レディ・マイバウム!」
「この女!」
丁寧な紳士のふりをしていたフランツが一瞬にして急変し、悪口を吐いた。
鈍い打撃音が後の状況を推察させる。
ああ、イザベラの行動はすべて演技だったのだ。
フランツの注意を奪い、彼の行動を妨げるための演技。
そういえば、そもそも演技に才能があった女性だった。
宴会場でヨナスの恋人のふりをした時も、事実を知っているのに騙されるところだった。
いくら敵を欺くには味方も欺かなければならないというが、私までうっかり騙されてしまった。
『あなたの役に立つために努力します』
涙が込み上げてきた。
イザベラを疑ったことに対する罪悪感が私を震撼させる。
タン!
銃声が聞こえた。
びっくりして思わず足を止めて後ろを振り向く。
倒れたイザベラは微動だにしなかった。
大理石の床には赤い血があふれていた。
私は驚きの叫び声をあげる。
「イザベラ!」
「ふぅ・・・面倒くさい。苦労して行かないようにしましょう、マイバウムさん」
私は下唇を噛んだ。
イザベラは大丈夫だろうかという考えが頭をよぎった。
しかし、重要なのは、イザベラが稼いでくれたこの機会を無駄にしてしまうことはできないということだった。
気を引き締めた私は、歯を食いしばって、また振り向いた。
フランツは現在足、腕、目が不自由だ。
これほど遠く離れていれば銃の命中率は著しく落ちるだろう。
その時、私の反対側から一群の男が近づいてくる。
よかった、あの人たちがフランツを捕らえ、彼の行動を裁判にかけさえすれば、このすべてが終わりだ。
しかし、現実はそんな私の期待を嘲笑うように流れた。
近づいてくる男たちは侍従の衣服を着ていたが、にやにやする低劣な顔は彼らが侍従ではない。
フランツの同僚だ。
その事実に気付いた時には遅すぎた。
彼らのうちの1人の手が私の方へ伸びてきた。
逃げ出したかったが、不可能だった。
「くっ!」
見知らぬ男の手に首を掴まれる。
私はもがいたが、男の手はもっと強く私の首を締めるだけだった。
「お手数かけますね」
足を引きずりながらフランツが私の方に近づいてきた。
彼の顔はいつものように優しい微笑みを含んでいる。
一見おとなしそうな印象。
それがかえってもっと鳥肌が立った。
「私がこんな格好になったのに、一人で来たはずがないでしょう?」
フランツはマントに隠されていた右腕を振る。
前腕の真ん中でシャツが地面に垂れ下がっていた。
リュディガーが送った暗殺者との接戦で手を失ったようだ。
「<ぅ、くぅ・・・」
首を絞められた私は何も言えなかった。
頭に酸素が遮断されたためか、冷静な状況分析のようなことは不可能だった。
ただ、すぐにでも過ぎ去るような息を辛うじて引き止めているしかない。
私の首を絞めている男が言った。
「もう行かなければなりません、ボス。銃声を聞いて近衛兵たちがこちらに集まってくるでしょう」
「ああ、そうだね」
フランツは満足そうな笑みを浮かべながら私の頬を軽くたたいた。
とても無礼な手振りだったが、それに反発するには私の状態が思わしくない。
精神が混迷する状況で、フランツの声がはっきりと鼓膜を打った。
「思ったより早くお姫様を見つけたね。もう拠点に戻ろう」
私を殺すつもりではないようで良かったが、それだけで安心するには状況が良くなかった。
フランツはリューディガーを騙したという満足感にへらへら笑っていて、私はその卑劣な面を精一杯睨んだ。
そんな私の目の上に目隠しが垂れ下がる。
暗転の中で、私は混迷していく精神をしっかりと掴もうとした。
イザベラの状態が心配です!
結局捕まってしまったユディット。
一体どこに連れて行かれるのでしょうか?