こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は105話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
105話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 貧民街
私はほとんど荷物のように扱われた。
腕が後ろに縛られて、足も同じく。
視界が完全に遮断されたが、その状況でもできるだけ多くの情報を得るために私は聴覚に集中する。
しかし、簡単ではなかった。
彼らは階段と思われるものを上り、すぐにはしごで降りた。
迷路のように曲がりくねった道を何度も通った。
湿った空気が肌に触れてきた。
すぐに悪臭が鼻をつき、ネズミが何かをかじって食べる音がそれほど遠くないところから聞こえてくる。
そして再び複雑な道を通ることを数回もした。
私の目が隠れていなくても、過ぎ去った道を決して覚えていないだろう。
そうしてどこまで行ったのだろう、ドアが開くような音が何度も嗚ってから、私は初めて床に投げ出された。
「うっ!」
硬い床に少しの受け身も取れないまま、そのまま落ちた体が悲鳴を上げる。
それでも石の床ではなく木の床だったのが幸いだろうか。
私は全身がずきずきする痛みを喉越しに飲み込み、歯を食いしばった。
その時、男たちの足音が一瞬遠くなった。
間もなく合わない蝶番が閉じられる音が耳を引っ掻く。
戸が閉まった。
だが、ただ安堵できないのは、この部屋の中に私以外の存在が残っていることが感じられたからだ。
私は息を切らしながらできるだけ状況がどうなっているかを把握しようとする。
「失礼なやつらですみません。みんな学ぶことができなかった下品なものなので、手の中が多少荒いのです」
私と一緒に部屋に残ったのはフランツだった。
フランツは平易な声で静かに話し続ける。
この状況でそうすることがかえって私をあざ笑うように感じられた。
どうして二人だけが残ったのだろうか。
部下に聞かれてはいけない話をしなければならないから?
それでもなければ・・・最悪の仮定が頭を乱した。
(いや、しっかりして!ユディット!怖がらないで。最大限毅然としたふりをして。いや、チャックじゃないよ。不安になる理由がないじゃない。王宮では私がいなくなったことがすぐ分かったはずだし、みんな私を探しに来るはずだよ・・・)
私はそのように自らを慰める。
しかし、緊張で肌の産毛が立った。
そんな私の本音をじっと読んだように、フランツが笑い出して言った。
「王宮であなたを見つけるという期待はやめた方がいいでしょう。王宮が攻撃されたことで精神もない上に、ここは貧民窟の奥深くにある隠れ家です。貧民窟が独自の構造に戻っていることをユディットさんもご存知でしょう」
思わず重苦しいうめき声をあげた。
そう、貧民窟は先端の要塞だ。
ルカもフランツの目を避けて貧民窟で隠れて暮らしたのではないか。
皆に開かれているが、それだけ皆に閉ざされている、他人を排斥すると同時に包容するあらゆる犯罪の温床。
ラムガート王家でも貧民窟の解決に最も頭を悩ませていた。
近衛兵を送って制圧しようとすると、それによって派生する混乱が大きく予想された。
それで王家でもなかなか手を出さない、治外法権のようなところだった。
その上、貧民窟は蟻窟のようにあちこちに複雑に絡み合っていた。
たとえ近衛兵を動員するとしても、この隠れ家をすぐに見つけるのは容易ではないはずだ。
暗殺者たちがフランツを逃したのも当然だね。
まさか貧民窟に隠れていたとは・・・。
いくら人が死ぬ危機に直面すれば水火も遮らないというが、フランツがここまで墜落することを予想して対策を立てておいたのは意外だった。
しかし私はすぐ首を横に振る。
考えてみれば、フランツは目的のために手段と方法を選ばない男だ。
しばらく貧民街に身を隠すことぐらいで、恥知らずであっても選択できない選択肢ではなかった。
フランツは私を誘拐することに命をかけたのだ。
その話はすなわち私を拉致しなければならない必死の理由があるという意味であり、私を決して甘く見てくれないだろう。
「・・・」
「ははは、そんなに不安にならないでください、マイバウムさん。あなたを傷つけることはありません」
「王宮を攻撃してまで私を拉致して何をしようとしているんですか?先王殿下が分かれば、あなたをただではおきませんよ」
「私をほっといてくれなければならないでしょう」
どうやって?
そんな私の疑問が顔にあらわれたようなのか、フランツが小さく笑う。
「マイバウムさん、あなたが私を守ってくれるでしょう」
「私があなたをですか?どうしてですか?むしろ誘拐犯だから王国法以上の処罰が必要だ強く主張する方がもっともらしくないですか?」
興奮したのか、思わず敵対感が露わになった。
「あなたはイザベラがどうなったのかを見ても、そのように声を高めていますね」
「私を脅迫するつもりですか?」
「いいえ、ただ・・・驚いただけです。そうです。私があなたを間違って判断しました。思ったより大人しいだけの女性ではないのにですね」
フランツの声には喜びがあふれていた。
一体何がそんなに楽しいのか分からない。
遮られた視界が私を不安にさせた。
意思疎通は視覚に思ったより多く依存している。
限られた情報の中で私の本音までさらけ出すのは、フランツに「食いしん坊」と言うのと同じだった。
(もっと情報が必要だ)
表情を整えた私は、フランツが何を望んでいるのか、そしてどんな状況なのかを把握するために、彼の声が聞こえてきた方に向かって声をかける。
「私があなたの操り人形になることを期待されたようですね」
「操り人形だなんて。協力者です」
「協力者ですか?あなたと手をつないで私に良いことがなさそうに見えますが?」
「私があなたをリューディガーの魔の手から取り出すとしたら?」
「・・・」
フランツの言葉からするとイザベラが言った嘘を丸ごと信じているようだ。
私がリューディガーから抜け出したいけど、そうできない状況だという、あり得ない嘘を。
「マイバウムさん、私がリューディガー・ヴィンターヴァルトと関わりを持たないように忠告した言葉を覚えていますか?」
「・・・もちろんです」
「もうあなたも、リューディガーがどんなに残酷なやつかお分かりでしょう。だから先王に頼んで結婚を先延ばしにしているのでしょう。しかし、リューディガー、あいつから抜け出すのは簡単ではないはずです」
「・・・」
「私がその問題を解決させていただきます」
リューディガーを解決することが私に大きな助けになるかのように自慢するのがおかしかった。
しかし、そのように勘違いしているのが私にとっては肯定的だ。
できるだけ言葉を慎んでいた私は、まずフランツの調子に合わせたほうがいいと判断する。
狂人の気持ちに逆らっていいことはないから。
「とりあえず・・・目隠しから外したほうがいいですね。そんな話を目も当てずにするわけにはいかないですから」
「なるほど。目は心の鏡という言葉もありますね。あなたも私の目を合わせたら私の本心を理解してくれるでしょう」
フランツがユディットを攫った理由は仲間になれると思ったから。
とりあえず助けが来るまでは話を合わせておいた方がいいでしょう。
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