こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は120話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
120話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 公爵家の秘密③
公爵の機嫌を伺いながら、私はこれまで噂話についてそれとなく話を切り出した。
「ヨナスを一族に受け入れることが条件だったとすれば・・・ヴァネッサ王女様と結婚されたのが、世間の評どおりに現公爵夫人を妻に迎えるためだったのですか?」
「気になることが多いね」
公爵が鋭く打ち返す。
私は引き下がらずに彼を睨みつけた。
私がこんな風に出るとは思わなかったのだろうか。
公爵はしばらく沈黙する。
すると突拍子もない話を切り出した。
「いいよ。古い話を一つしてあげようか」
昔話って?
しかし公爵が口を開くや否や、私はその話に耳を傾けるしかないようになった。
「私の姉をとても大事にしていた一人の男がいた。彼は私の姉が家出した後、その姉に似た娘を縛り付けた。まるで鳥かごの中の鳥のように」
誰だとは言わなかったが、状況は明らかだ。
祖母と先王、そしてヴァネッサの話。
「娘は逃げ出したかったが、それができなかった。それで代わりに反抗した。彼女は父親に内緒で放蕩な生活をし、その間に誰の子供かも分からない子を妊娠してしまった」
「・・・」
「そのことが父に知られれば、彼女は塔に閉じ込められるに違いない。そうなることはできなかったよ。彼女は何とかこの状況から抜け出そうとした。その方法を模索しているうちに彼女は自分の忠実な女中を愛する男の存在を思い出した」
ソフィア、そしてマクシミリアン本人だ。
「侍女の世界は娘を中心に回っていた。いくらすごい富貴栄華が繰り広げられるとしても、娘がいなければ侍女には意味がなかったという。だからこそその侍女を愛する男は彼女を遠くから見守るしかなかったんだ」
公爵は自分の話をする時も、まるで他人事のように乾燥して無愛想に話を続けた。
しかし、ソフィアに関する話をする時は、本人さえ知らない笑みが口元に浮かんでいる。
「その男は非常に裕福で、娘の父に敵うことができる、ほとんど唯一の男だったんだ。娘は彼を利用することにした。自分のお腹の中にいる子供を彼の子供にしてほしい。そして、自分にプロポーズして父の陰から抜け出させてほしい。そうしてくれれば、自分は死んだふりをして身を隠し、そのように自分が去った後に私が産んだ子供を人質にして侍女を妻にすることができるようになるだろう。そう主張したんだ」
「それじゃあ・・・」
「男は侍女と成れれば何でもよかった。それで彼に差し出した女の震える手を握った。しかし、残念なことに女は子供を産む途中に死んでしまった。彼女があれほど享受しようとした自由はとても短かったし、残ったのは彼女との約束の残滓だけ」
私は静かにうめき声を上げる。
忠直な侍女を売ってでも逃げようとした結果というにはあまりにも虚しかった。
「君たちも見当をつけただろう、この話がまさに私とヴァネッサ王女、そして私の妻ソフィアの間の関係なんだって。この程度なら答えになったかな?」
「十分です。それならヨナスを後継者にしたのもヴァネッサ王女様との約束だったんですか?」
「いや、ヨナスを後継者にしたのは、ただソフィアがそうすることを望んでいたからだ」
「ヨナスが公爵の子じゃないのに?」
「ソフィアは王女のお腹の中の子が私の子だと信じているんだ。ヨナスは王女の子供としての地位を奪うことはできないので、正統派の後継者にならなければならないと強く主張したよ」
「・・・」
公爵がソフィアを愛していることは知っていた。
しかし、家門の血を継ぐよりもソフィアの気分を合わせてあげることを選ぶとは・・・。
私が言葉を絶やさない一方、公爵の後ろに立っているリューディガーを心配そうにちらっと見た。
リュディガーはヨナスと自分の血が混じっていなかったしても兄であることは変わらないと言ったが、実際に父親がそのすべてを知っていながら放置したという事実には頭の中が落ち着かないだろう。
彼の下を向いたまつげの下に垂れた瞳は、果たして何の考えを含んでいるのだろうか。
私がそのようにリュディガーの顔色をうかがっていようがなかろうが、公爵は躊躇なく話し続ける。
「だから私としては、ヴィンターヴァルトをルカがいようが、リュディガーがいようが、それとも君とリュディガーの間の子供がいようが、何の関係もないね。ただルカの入籍取り消しはできない」
「ルカがヨナスを、いや、ヴァネッサ王女に似ているからですか?ただ公爵夫人のために?」
「もちろん」
平然自若な反応ではそれ以上の、それ以下の理由もないということが如実にあらわれた。
彼は本当に最悪の親だ。
ソフィアにはどんな夫か分からないけど、少なくともリューディガーとルカにとっては、良き親でも祖父でもない。
正直、以前まではあえてヴィンターバルトの入籍を放棄するというルカの主張を理解できなかった。
しかし、今は私が積極的に入籍を辞退してほしいと叫びたい気持ちだ。
「公爵様は・・・ルカとリュディガーさんに対して本当に何の愛情もないのですね。二人のための選択は頭の中に一片も存在しません」
「おばさん・・・」
公爵に堂々と立ち向かう私の姿にルカが心配そうに言葉を濁す。
しかし、まったく我慢できなかった。
私は強く声を上げる。
「私は・・・ルカが租父母と幸せになってほしいという気持ちでヴィンターヴァルトに入籍することに賛成したのです。しかし、あなたの下でルカは絶対に幸せになれないようですね」
もちろん私も信じることが全くないわけではなかった。
いざとなったら王族の私の身分を利用してでもルカを引き抜くつもりだ。
だが公爵は少しの揺れもなく、終始余裕のある様子だった。
何か魂胆がある。
そう思った瞬間、公爵が口を開いた
「しかしルカがヴィンターヴァルトの願いの杯を利用して願いを叶えたと言っていなかったか。それならその代価は返さなければならない」
「それは・・・!」
話にならない。
私はすぐに叫ぼうとしたが、続く公爵の言葉に何も言えなかった。
「ルカ・ヴィンターヴァルト。君が家門の宝物である願いの杯を使うことによって、その宝物は価値を失った。それに対する賠償のためにも、あなたはヴィンターヴァルトに残っていなければならない」
「宝物が価値を失ったんですって?まさか・・・」
「その通りだね。願いの杯が願いを叶えてくれるのは一度だけだ」
え?願いの杯が使い捨てなの?
私はルカを振り返った。
もしかすると、それについて知っていることがあるのかと思ったからだ。
しかしルカも初めて聞いたようで、珍しく慌てた表情で公爵を眺めている。
彼が嘘をついているのではないかという疑念だ。
ルカはどもるように口を開いた。
「それなら・・・ヴィンターヴァルトの家主になれば願いを込めるという話は・・・」
「周りにそういう風に言われてはいるけどね。そう言ったりもするし。ルカにも私がそう言った」
重い真実を言いながらも、公爵は平然自若だ。
「願いの杯を利用して時間を回したと言ったよね?そんな大規模な魔法は、神が下した奇跡に他ならない。そのような奇跡の機会が毎回、家主が任命されるたびに与えられるはずがない」
公爵の言葉はもっともらしい。
ルカの顔色が真っ青になった。
下唇をよくかんでいる幼い顔は耐えられない罪悪感と負担感で満ちている。
家門の宝物を、家門の人ではない私が壊したと自責する顔だった。
公爵の大切な存在はソフィアだけなのですね。
願いの杯が一度だけしか使えないという事実。
ルカはこのままヴィンターバルトの一因になるのでしょうか?
https://recommended.tsubasa-cham.com/matome/