こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
142話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 3年後④
家の内装をすべて新しくし、イザベラを迎え入れる準備をすべて終えた。
ローラと私は、自分たちが手掛けた成果を見ながら、満面の笑みを浮かべて家を見回していた。
もちろん、直接作業をしたわけではなく、ただ指示を出していただけだ。
しかし、その相談の過程もまた貴重な時間だっただけに、完成した家を見ると達成感を言葉では言い表せないものがあった。
「ファッションセンスとは違って、インテリアの感覚もなかなか悪くないじゃない。なんだか面白いわね。」
「え?何て言ったの、ルカ?」
「いや、何でもない。ただ、素敵に仕上がったって言っただけさ。」
隣で小さく何かぶつぶつ言っていたようだが、それが何だったのかは分からなかった。
私はルカをあしらおうとするような態度で見つめたが、彼は知らないふりをして静かにその場を離れる。
数日後、イザベラがやって来る日が訪れた。
広大なリラニベルの敷地の果てから、馬車がこちらに向かってくるのが見えた。
その馬車が屋敷の前に止まり、イザベラとダビが馬車から降りてきた。
「お久しぶりです、奥様。」
「リラニベルにようこそ、イザベラ。」
イザベラの金髪は太陽の光を浴びて眩しく輝いていた。
貴族となった彼女は、以前の自分の居場所を再び取り戻したかのように自然とその場に溶け込んでいた。
「奥様、招待してくださってありがとうございます。」
「随分大きくなったね、ダビ!」
私は一年ぶりにぐんと背が伸びたダビを見て驚いた。
ルカも随分成長したと思っていたが、ダビはさらに目立っていた。
褐色の髪と長身で、まるでしっかりと成長した若木のようだ。
ダビは控えめに微笑みを浮かべていた。
「まだ成長途中ですよ。」
「本当に最近の子どもたちは、一年でぐんと大きくなるものね。そうそう、ゆっくり休んでいってね。」
彫りの深い異国風の美しい顔立ちを持つイザベラと、柔らかく優しい印象のダビの瞳が穏やかに揺れていた。
幼少期は金髪だったダビの髪は、歳を重ねるごとに色あせて茶色に変わり、次第にイザベラよりもフランチュに似てきた。
特にその穏やかな容姿は、まさにフランチュそのものだ。
もちろん、フランチュの穏やかさは見た目だけのものだったが、ダビは本当に優しい子どもだった。
他人の言葉をあまりにも素直に信じ込むため、最初はルカがまたどこかでお菓子をかすめ取って食べているのではないかと心配になるほどだった。
『まあ、そっとしておけばなんとかなるでしょう……』
ダビもそんなルカを嫌ってはいないようで、今日もリラニベルに着くなりルカの姿を探し始めた。
「えっと……ルカはどこにいますか?」
「部屋で新聞を読んでいるんじゃないかな。集中しているから、一緒に出てこようと言い出せなかったんだよ。ダビがこんなに待っていると知っていたら、呼びに行ったのにね。」
私は気まずく笑った。
もちろん、集中しているから声をかけられなかったというのは嘘だ。
ルカを連れて行こうとしたが、面倒くさがって断固として拒否された。
『全く、あの性格ときたら……』
普通の子どもなら、自分を迎えに来るかどうかに興味を示し、それがなければがっかりしたり怒ったりするだろうが、ダビはむしろ穏やかな笑みを浮かべて私を気遣った。
「大丈夫です。これから何度でも顔を合わせるんですから、少し遅れて会うくらい大したことではありません……」
「本当に大人びているわ。」
私はその成熟した態度に心を打たれた。
こうしたところは、本当にルカに学んでほしいと思うほどだ。
もっとも、そんなことが起きるはずもないが。
ダビは私とイザベラの視線を見回し、慎重に礼儀正しく答えた。
「では、ルカに会いに行ってもよろしいでしょうか?」
「もちろん。部屋はハンナに聞けば教えてくれるはずよ。」
そのようにしてダビはそそくさと邸宅へ向かう。
ルカと調和するためには、これほどまでに優しくなければいけないのだろうか。
それができなければ、シャルロットのようにルカに負けじと対抗することになるのだろうか。
いずれにせよ、彼女は混乱を招く相手ではない。
私は予想外にも、ルカの狭い人間関係にほっと安心感を覚えた。
『どうせリューディガーの悪いところばかりしっかり学ぶんだから。』
私がリューディガーを思い浮かべて憂鬱になりかけたところ、後ろを振り返ったイザベラがそっと尋ねた。
「それで、侯爵様は?」
「ああ、少し軍での用事があって、首都にいるよ。数日後には戻るはずだ。」
普段リューディガーがいつもぴったり私のそばにいるためだろうか。
イザベラは彼がここにいないことをすぐに察知した。
実際、リューディガーが首都に行っていなかったら、今日の行事にも間違いなく同行していただろう。
イザベラはリューディガーが自分を迎えに来なかったことに少し不満げな様子を隠そうとしながら言葉を継いだ。
それでも、首都で突然の呼び出しを受けたというのは事実だったようだ。
その時も、私を見て一緒に行くかのように見せかけながらも、ルカは涙を溜めることなく毅然とした表情を保っていた。
ただ何も言わないだけで、その頑固な態度は私に冷静に彼を見送らせた。
『駄目だ、駄目だ。数日後にはイザベラが来る予定なのだから。』
『それが何の問題なんですか?ただここで休んでいるだけだと言えばいいじゃないですか?』
『いや、それでも家主が許可しなければなりません!何の用もなく部屋を貸すわけでもないし、私たちが泊まっているのはただの邸宅なんですよ……。それに、あちらだってただ休みに来たわけではなく、私に会いに来たのですから。』
そう言ってもルカは依然として納得のいかない表情をしていた。
結局ルカは一人で出て行かざるを得なかったが……。
その時の会話を思い出すたびに胸が痛んだ。
私はじっと窓の外を見つめる。
目ざといイザベラがそういった事情を知らないはずがない。
彼女は私を慰めるようにそっと寄り添ってくれた。
「勇敢にも一人で行かれたんですね。」
「はは、どれだけリューディガーさんが頑固でも、耐えられないこともあるでしょう。それはさておき……もうそんなに気を使う必要はないですよ。親戚同士なんですから、楽にして。」
私はイザベラを目の前にして、引き続き彼女に敬意を払った。
以前は私の義理の姉だったが、今や若い伯爵夫人であり、後継者の母親でもある。
彼女の年齢も私とあまり変わらず、身分も同じようなものなのに、私がため口で話し、向こうには敬語を使うのは少し奇妙に感じた。
「いえ、私が夫人から受けた恩を考えれば、どうしてそんなことができるでしょう。私はこのほうが楽なんです。」
「確かに私はそちらに恩がある立場ですが……。」
イザベラは何事もなかったようにお茶をすくい飲みながら話を流す。
どちらにせよ、彼女はずっときっちりとした態度を保っていた。
私は小さくため息をついた。