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38話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は38をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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38話

37話 こんにちは、ピッコです。 今回は37話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 自分にできること④

翌朝、リプタンは日が昇る前にベッドから起き上がる。

マックは夢うつつにリフタンに沿って体を起こし、開かない目を手の甲でこすった。

彼は笑顔で彼女の頬に唇をこすりつける。

「あなたはもう少し寝ていなさい。私のせいでこんな時間に起きる必要はない」

「じゅ、十分にね、寝ました」

「私がかなり遅い時間まで寝られないようにしたと思ったのに・・・」

リプタンは手を伸ばして彼女の胸を優しく撫でた。

マックは顔を赤らめながら素早くシーツを引き上げる。

リプタンはくすくす笑いながら彼女の乱れた髪をかきわけた。

「頑張らずにそのまま寝なさい」

「いいえ、起きますよ」

マックは自分を寝かせようとする手を避けて、シーツをそのままにしたままベッドから降りた。

リプタンは何でもないかのように肩をすくめてから、出征の準備をし始める。

彼女は彼が洗面器に水を注いで顔を洗い、ひげを剃っているのを見て、細かく切った薪を暖炉に放り込んだ。

何度か繰り返すと、火が燃え上がり、部屋の中がいっそう明るくなった。

マックはしばらく明かりを浴び、タオルに水を濡らして顔と体を拭いてクローゼットから新しい下着とシュミーズを取り出して着替える。

リプタンが使用人に仕えることがあまり好きではなかったので、最近は彼女も一人で身支度をすることに慣れてきた。

マックは太ももまで上がってくる長い靴下を履いて、厚めのウールドレスをシュミーズの上にかけた後、髪をとかすために鏡の前に座る。

「櫛をちょうだい、私がやってあげる」

紺色のチュニックに防寒用レザーパンツを着たリプタンがその姿を見て背後に近づいた。

マックは首を横に振る。

「だ、大丈夫です。じ、自分でやります」

「やらせて。これから数日間、手もつけられないのに、十分に満喫しておかないと」

私のつるのような髪の毛を触るのが何が楽しいというのか。

まったく理解できなかったが、マックはおずおずと櫛を渡す。

リプタンは固い手で小さな櫛を握りしめ、髪を梳かし始めた。

髪の毛一本でも怪我をしないか心配するような手に、マックは頬を赤く染める。

リプタンは髪のもつれた部分を丁寧に解きほぐし、手際よく四つに分けて太く編んだ。

「もう結構私の腕も使えるんじゃない?」

彼がぎっしりと編んだ髪を見下ろしながら自画自賛する。

すると、マックは彼のあごに衝動的にキスをした。

一瞬で、リプタンの体が硬直する。

自分はともするとキスしてくるくせに、どうして自分が先に近づくとこんな風に反応するんだろう。

 



 

マックは恥ずかしさを隠し、わざと平然と話した。

「か、感謝のキ、キスです」

「あなたは本当に・・・」

リプタンは長いため息をつく。

「そうでなくても出たくないのに、あまり大変な思いをさせないで」

「つ、辛くさせ、させるつもりは・・・」

心から落胆したような姿に当惑した視線を送ると、リプタンが彼女の腕を引っ張って抱きしめた。

びっくりして縮こまっていたのも束の間、マックは彼の腰に慎重に腕を回す。.

リプタンはうめき声をあげて彼女の肩に額をこすりつける。

「何度もそんなに可愛いことするの?」

「・・・な、何もしてません」

「くそっ・・・、一度やってからまた洗うには時間が差し迫っていると思うんだけど・・・」

リプタンは必死にベッドを見つめた。

マックは顔を真っ赤に染めて彼の胸板を押し出し、彼女はすぐに遠くに行ってショールを盾のように身に纏う。

その姿を心配そうに眺めていたリプタンが盛大なため息をついた。

「帰ってきてからのご褒美だね」

そして、首を軽く横に振りながら、鎧置き台の前に向かう。

 



 

マックは遠く離れた場所で、リフタンが胸甲と龍の模様が刻まれた肩プロテクター、足を包むグリーヴと膝プロテクター、太ももプロテクターを次々と着用するのを見守った。

最後に腰に包むフォールドと骨盤の上にかけるテシートを着用したリプタンは、手袋の上に銀色のガントレットをかぶせる。

凛々しい姿を満足そうに見守っていたマックは、リプタンが腰に革ベルトを巻く姿を見て、昨日市場で買った剣台の飾りを思い出した。

彼女はすぐに引き出しを探り、色とりどりの紐を取り出す。

「あ、あの・・・」

腰に剣を身に着けていたリプタンは不思議そうな目で彼女を振り返った。

マックはもじもじしながら飾りを彼に差し出した。

「あ、これは昨日・・・、か、帰りにし、市場でか、買ったのですが・・・、ニ、ニルタ卿が、これを、剣帯につけて・・・。、あ、あったら・・・、あの、精霊の加護を、受けられるということで・・・」

彼はぼんやりと瞬きをしながら彼女の手のひらをじっと見下ろす。

マックはもじもじと付け加えた。

「お、お金はニルタ卿が出し、出してくれましたが・・・、わ、私がえ、選んだんです。た、大したものではないけど・・・、よ、よかったら・・・」

「・・・」

リフタンは受け入れる気がないのか、ぼんやりと見下ろすだけだ。

やっばりこういうのは無駄だと思うのかな。

マックは落胆した様子を隠し、そっと手を下ろす。

「き、気が進まないなら・・・、む、無理にする必要はありません」

「こっちにちょうだい」

再び飾りを引き出しに入れようとすると、リプタンは急いで彼女の腕をつかんだ。

マックは驚いた顔で彼を振り返る。

リプタンが彼女の手から紐をひったくったように受け取って不器用な手つきで剣帯にくくった。

不器用な革ベルトと色とりどりのストラップ飾りは、滑稽なほど似合わなかった。

マックは自分の見る目が恥ずかしくて顔を赤らめる。

「ありがとう。大事にするよ」

彼はお返しに彼女の額にキスをして振り向いた。

気乗りしない淡々とした態度に失望したのもつかの間、マックは彼の口元がぴくぴくと上に上がっていくのを見る。

リプタンはしきりにニャニャしながら開く唇を隠そうとするように、片手であごをこすりながら振り向いたままローブを身にまとった。

しかし、赤みがかった耳たぶまでは隠すことができなかった。

マックは胸の片隅がひりひりと締め付けられるのを感じる。

リプタンが、あの粗末な賄り物に心から喜んでいる。

ヘバロンの勧めで通りすがりに買っただけの物なのに・・・。

急に自分に腹が立った。

彼が自分にくれたように大したプレゼントはあげられなくても、もう少しきちんとしたものを準備すべきだった。

道で衝動的に買った物なんかであんなに喜ばせるなんて・・・。

できれば、自分を思いっきり殴ってやりたい気持ちだった。

「すぐ帰ってくるから、待っていて」

リフタンは完璧に出征の準備を終え、再びしっかりとした腕で彼女を抱きしめる。

マックは彼の胸に顔をうずめて、憂鬱な気持ちを振り払った。

これからこの人に多くのことを与えよう。

私にできることは何でもしてあげよう。

彼女はそう心の中で決心した。

 



 

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