こんにちは、ピッコです。
今回は74話をまとめました。
ネタバレありの紹介となっております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
74話
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 単調な日常
王女一行が去り、マックは平穏で単調な日常に戻った。
庭園の造園が完全に終わったカリプス城は、春の気配に支えられ、華やかで躍動感あふれる姿に変貌し、行商人が行き来し始め、以前よりさらに賑やかに。
リプタンは依然として道路工事で休む暇もなく忙しく、騎士たちは猛威を振るい始めた魔物を処理するために夜明けから夜遅くまで城壁の周りを歩き回らなければならなかった。
彼女だけが、かつてないほどのんびりとした日々を送っている。
これまで城の隅々を安楽に飾るために渾身の力を尽くした結果、カリプス城にはこれ以上彼女の手を要求するところが一ヶ所も残っていなかったのだ。
カリプス城の使用人たちはみな忠実で勤勉で、一日中追いかけながら監督しなくてもよかったし、彼女はこれ以上魔法の勉強にも邁進しなかった。
実際、ずっと魔法を習ってもいいか迷っているところなので、前のように熱意を持って複雑な魔法の修練にこだわることができなかった。
マックは窓際に座り、本棚をかき回してため息をつく。
王女は自分に才能があると言ったが、マックはまだ自分の能力に確信が持てなかった。
果たして、リプタンの気分に逆らってまで魔法の勉強を続けなければならないのだろうか。
リプタンは自分の助けを必要としないことをあまりにも明確にした。
そしてマックは彼の頑固な拒絶に完全に怯えてしまった。
彼女は真珠のように澄んだ日差しが降り注ぐ窓を無気力な目つきで眺める。
心のあらましが掴めなかった。
導かれるように魔法書を覗き込んでも1時間も読めず、ぼんやりと窓の外を眺めるのが常であり、ルースが作ってくれた発音練習表を朗読することにも特別な熱意を感じることができなかった。
これから何をどうすればいいのか。
マックは窓枠に顔を置いたまま、何度もため息をつく。
「どうしたの?どこか苦しい?」
突然の声にマックはさっと顔を向けると、換気するために開いたドアの前にリプタンが立っていた。
マックは素早く立ち上がり、彼に近づく。
「こんな時間に・・・どうしたんですか?」
リプタンは今日も道路工事を監督するために夜が明ける前に城の外に出たはず。
マックは何か問題でもあるのかと心配そうな目で彼を見た。
しかし、リプタンはいつものように黒玉のように輝く髪の毛を乱したまま、隙のない威圧的な姿で堂々と立っている。
彼は注意深く彼女を見下ろし、片手で彼女の額をかき上げた。
「鍛冶屋に立ち寄ることがあって、帰ってきたついでに君の顔を見に来た。熱でもあるの?」
「いいえ、違います。ただ・・・窓の外を眺めていました」
「ため息をついていたよ。ここで過ごすのが退屈になったのかな?」
リプタンの声には苛立ちがこもっていた。
「近い領地の貴族たちを招待して宴会を開いてあげようか?」
マックは驚いて目を丸くする。
今カリプス城にそのような余力がないということは彼女もよく知っていたからだ。
金銭的な余裕はあるが、リプタンと騎士たちはのんびりとお客さんをもてなして酒と食べ物を楽しむ時間がなかった。
しかし、四季を通じて祭りを開いてくれると言った時のように、彼は真剣な顔をしている。
それが本気の言葉であることに気づいたマックは、素早く首を横に振った。
リプタンは眉間にしわを寄せ、彼女の心をのぞき込もうとするかのように頭を傾ける。
「お客さんが去ってから、ずっと仏頂面をしているじゃないか。こんな田舎暮らしに飽きたのなら・・・」
「そんなことないですよ!ただ・・・天気が暖かくなるから・・・だ、怠くなっただけです。私は元々宴会とか舞踏会とかはあまり・・・好きではありません」
リプタンは彼女の言葉に物思いにふけった。
「そういえば、クロイソ城で開かれた宴会にもあまり出席しなかったよね。たまに姿を現す日も静かに座っていたが、すぐに席を立ったじゃないか」
彼の口調には非難の色がついていた。
リプタンは活発で社交的な妻を望んでいるのだろうか。
マックは固い顔で弁解するようにつぶやく。
「お、お客さんが来たら・・・不便を感じないように、一生懸命仕えます。でも・・・私は昔から騒がしい席はあまり・・・好きではありませんでした」
「お祭りの時はそうでもなさそうだった。私は、また君のそんな姿を・・・」
怒りっぽく吐き出していたリプタンが、ぎくりと口をつぐんだ。
彼の大きな肩は妙な緊張感でかすかに固まっている。
「じゃあ、ちょっと一緒に散歩でもする?」
「そ、そんなことは要りません。お忙しいじゃないですか」
「息をつく暇もないわけではない」
リプタンはいらだたしく吐き出し、彼女のマントを壁にかざした。
「私とちょっと歩くのを我慢してくれる?」
「嫌という意味ではありませんでした。ただ・・・ちゃんと眠れずに、仕事をしてるじゃないですか。散歩する時間に・・・少しでも目を閉じていた方が・・・いいんじゃないかと思って・・・」
「一緒に昼寝を楽しむのも悪くないだろうね」
彼はベッドをちらりと見て、口元をひねった。
「でも、あなたとあそこに横になって、おとなしく寝る自信がないんだ」
マックは顔が赤くなるのを感じた。
リプタンは平然とした顔で彼女の肩を引き寄せ、マントを着させる。
「散歩のほうがいいね。私はあなたが素敵に飾った庭園をまともに見ることもできなかったから」
マックは従順に彼について部屋を出た。
開けておいた窓から花の香りが染み込んだ新鮮な風が吹き込んだ。
その匂いを嗅いだようにリプタンが鼻をクンクンと鳴らし、妙な表情をする。
「お城から花の香りがするね」
「お・・・お気に召しませんでしたか?」
「いや、ただ・・・慣れないと思っていた」
彼は無味乾燥な口調で話す。
「私は土埃の匂い、馬の匂い、汗の匂い、血の匂いといった悪臭に近いものに慣れているんだ」
ふとマックは、彼が自分ほど生の柔らかさや暖かさに慣れていない人かもしれないという考えをした。
いや、彼らは絶対に同じではなかった。
リフタンには厳しい痛みと試練を克服していく強さと勇気があったが、自分には何もない。
「簡単なおやつも用意していこう。小腹がすいた」
リプタンが微妙に重くなった雰囲気を感知したように、軽い言葉遣いで吐き出す。
マックは落ち込んでいる様子を隠すために意識的に口元に笑みを浮かべた。
「な、何日か前に・・・新鮮な果物をたくさん買いました。上質な香辛料も。美味しい食べ物が・・・多いと思います」
「それは楽しみだね。乾かしたものとお酒に漬けたものじゃなくて、新鮮な果物を食べてからかなり経ったと思う」
リプタンはこれ見よがしに舌鼓を打ちながら大股で歩いた。
彼らはまっすぐ厨房に行き、こぶしほどの青りんごと野いちご、そして香辛料を加えたワインと焼きたてのパンを葦のかごの中に一つ一つ入れてグレートホールの外に出た。
網膜を突く明るい光にマックは目を細める。
使用人たちが毎日きれいに掃いて磨いた石床の左右に絨毯のようにきれいな芝生が柔らかな青色を噴き出し、晴れた空から降り注いでいる。
リプタンは驚いたかのように片方の眉を上げた。
「死んだ木だと思ったのに・・・」
「ルースの話によると・・・死んだように見えますが、実はそ、そうでない場合もあるそうです。去年の秋に彼が魔力を吹き込んで・・・」
マックは彼の顔が目に見えてこわばっているのを見て言葉を濁す。
「駄目でしたか?」
「何でもない」
彼は無愛想に返事をし、彼女の腕を引っ張る。
不細工な木から葉が出る舞い降りた春の日差しが、低木の弱い芽を宝石のように照らしていた。
「風が冷たくはないの?」
「とても暖かいです」
マックは彼の手を取ってゆっくりと歩く。
亭子の横に醜く位匿していた木にも種の目のような芽が宿っていた。
彼女は満足そうな笑みを浮かべる。
ルースの魔法がしっかりと効果を発揮し、死んだ木が葉を出し始めたのだ。
「何を見てそんなに笑うの?」
「あの・・・き、木に・・・新しい葉っぱができました」
彼女が指さす方向に首をかしげた
「何が楽しいのか理解できないな。もう少し見応えのあるところに行こう。テラスの下に花園を作っていたよね」
「商人に頼んで・・・様々な品種の花をたくさん植えました。き、気に入ってもらえたらいいんだけど・・・」
彼らは東家を通り、長い散歩道をゆっくりと歩く。
マックは歩き回りながら木の葉の間から差し込んできた日差しが彼の滑らかな顔に光を加えるのを銑惚と見上げた。
一時、あれほど彼を恐れていたということがとんでもないように感じられるほど、彼女は夫を眺めるのが好きだった。
無慈悲に感じられた鋭い目つきや過度に大きくて威圧的な肉体も怖くなく、今はあまりにも秀麗な容貌も感嘆としか思えない。
こんなに美しい男がなぜ自分のような女にこれほど情熱を注ぐのかは依然として理解できなかったが、とにかく彼女は日に日に彼に心を奪われていた。
「近くで見るともっとすごいね」
ついに花園に到着したリプタンが生い茂った色とりどりの美しい花々を眺めながら話す。
マックは安堵感と満足感の中でその姿を眺める。
使用人たちが掘った小さな水たまりの周りには、しっとりと水気を含んだ赤い蕾が華やかに茂っており、小さな兵隊のように並ぶ低木には青紫色の爪ほどの大きさの小さな花々が愛らしくぶら下がっていて、その横にはハーブ畑が見事に茂り、花々と素敵な調和を成していた。
マックは石を削って作った椅子にハンカチを敷いて座る。
「ここに植えたは、花は・・・どれも薬草や香辛料として使えるものだそうです」
「花園を食べるために作ったの?」
「どうせならみ、見た目もよくて・・・使い道がある花を植えるのが・・・いいと思いました」
彼女の言葉にリプタンは微笑んだ。
「この花園を完全な状態で残しておくためにも、衛兵たちに負傷に気をつけろと指示しなければならないね」
「ええと、お気に召しましたか?」
彼が一歩離れた場所で花畑の中に座った彼女の姿をじっと見下ろしてゆっくりとうなずいた。
強烈な感情が彼の目の上にひらめいて消えていく。
「うん、気に入った」
妙にかすれた声だ。
マックは不思議そうな目で彼を見上げる
リプタンは感情を隠そうとするかのように口元を撫でながら彼女の近くに座り込んだ。
「ああ、いい香りだね。去年までは、私が花畑で妻とのんびりと時間を過ごすことになるとは想像もできなかった」
彼が遠征に行ったときの話をしていることに気づき、マックは緊張した。
「え、遠征で・・・何度も大変なことを経験したと聞きました」
「簡単ではなかった。レクソス山脈には数千匹の魔物が住んでいて、ドラゴンレアヘの道は何重にもなる結界と迷路に囲まれていたからね」
リプタンは淡々と答え、かごをかき回してリンゴを取り出す。
彼はリンゴを大きくーロかじると、新鮮な果汁が彼の唇を柔らかく濡らした。
マックは頭の中にひらめいた官能的な記憶に顔を赤らめる。
彼女の奇妙な想像とは関係なく、土の底に座り込んでむしゃむしゃとリンゴを食べるリプタンの姿は、世の中の憂いを知らない純真な少年のように自由奔放でのんびりしているように見えた。
彼が彼女の手にも青りんごを一つ持たせる。
「なかなか美味しい。あなたも食べてみて」
マックはリンゴを握ったまま機械的にーロかじった。
緊張で固まった舌には何の味も感じられない。
リプタンは彼女の父親のために途方もない苦労をした。
マックはこの3年間、自分の不幸だけに没頭し、自分が経験している苦難については考えてもみなかった。
むしろ、彼が戻ってきて自分にひどい苦痛を与えるのではないかと恐れていた。
それなのに、どうしてこの人は私のそばでこんなに平穏な顔ができるのだろうか。
今更のような疑問に包まれ、マックは微風を楽しんでいるリプタンの顔を慎重な目で見上げる。
彼は自分を恨んだことがないのだろうか?
自分が望んだわけではなかったが、とにかく彼は自分と結婚することになり、あらゆる苦労をしたのではないか。
世の中のどの男がそんな不幸を嘆くだろうか。
彼が結婚の誓いに忠実であることを決心し、自分に満足しているのは奇跡に他ならない。
マックは気が動転するとすぐに話題を変えた。
「道路こ、工事は・・・順調に進んでいますか?」
「順調に進んでいる。遅くても秋には完成するよ」
リプタンはリンゴの種を茂みの中に投げ込んで、野心に満ちた笑みを浮かべる。
「道路が完成し次第、港を拡張するつもりだ。魔物たちが壊さないように管理するには少なからぬ費用がかかるだろうが、南方の大商人たちが巨大な船舶を率いてきて数倍で補償してくれるだろう。きっととてつもない金儲けになるだろうね」
「つ、通行料だけでそんなに多い・・・お金を稼ぐことができますか?」
「通行料だけじゃない。商人たちと同業すれば王よりもっと多くのお金を稼ぐことができる。彼らの高価な貨物を保護し、事業を円滑にするために支援する代価として収入の一定部分を分け合うのだ。早くも協力するという商人たちが列を成している。南から入ってくる珍しい絹と香辛料を安い値段で享受できる特典も欠かせないし」
リフタンは頭を後ろに反らし、彼女に微笑みかけた。.
「大商人が船を率いて来たら、あなたに絹の服を500着は作ってあげる」
「今でも・・・き、絹の服は多いですよ」
「十分ではないじゃないか」
彼が断言してにやりと笑う。
「ちょっと待っててね、世の中で一番高い服を数え切れないほどたくさん抱かせてあげるから。それから、10本の指に太陽よりきらびやかに輝くダイヤの指輪をはめてあげる。首筋、手首から足首まであらゆる宝石でお洒落をしてあげるよ」
彼は彼女の手をつかんで手首の内側に唇を押す。
少し冷たく濡れた唇が脈打つ敏感な肌を押す感覚に、マックは少し体を震わせた。
リプタンの黒い瞳に深い満足感が宿っている。
「私があなたを七国で最も尊い淑女にしてあげる。ロエムの皇女に劣らない富を享受させてあげる」
リプタンは彼女の手のひらを撫でながら情熱的に話し続けた。
「帝国が滅亡しなかったら、あなたはこの大陸で最高に身分の高い女性として扱われただろう。私みたいなやつは声をかけることも許されなかっただろう」
「と、とんでもないことを言わないでください。ロエムはずいぶん前に滅亡しました。ロエム家は命脈さえやっとのことで維持してい、いるだけで・・・今になっては・・・何の力も・・・影響力もありません。私は・・・ウェデンの多くのき、貴族の中の一つに過ぎないんですよ」
「あまりにも謙虚な言葉だね。あなたはかつて帝国を支配した偉大な皇族の末裔であり、ウェデンで最も強大な公爵家の長女だ。単なる貴族ではない」
ふと、リプタンの顔に残酷な気配が染み込んだ。
「私はあなたのお父さんを軽蔑するが、侮るつもりはない。公爵が私をあなたの夫に選んだ理由は、ただ利用するのに適当だったからであって、私があなたにふさわしい新郎だからではないんだよ」
マックは彼につかまった手を動かす。
まるで自分の爪の下から抜け出そうともがく鳥を本能的に押さえつける猟犬のように、彼が
手の中にぴったりと力を入れた。
「私には貴族の親戚がいない。後で私が死んでも復讐すると言って面倒になる兄弟もいない。実力と名声はあるが権力は持たない平民出身の騎士。自分の代行指揮官として立てるのに別に無理がなく、後始末も難しくなかっただろう。あの男は自分の代わりに死んでくれる男として私を選択しただけだ」
「そ、そんなことは・・・」
「彼は私が帰って来られないと思って、あなたと結婚させたんだ」
リプタンは恐ろしいほど優しく強調する。
「でも私は生きて帰ってきたし、私たちの結婚は本物だよ。もうあの男はあなたに何の権限もない。私があなたの家族だ」
所有欲に満ちた言葉に、マックは胸の中に涼しい風が吹くのを感じた。
彼女は父親にとって無価値な存在だった。
クロイソ公爵が自分の娘として認めるのはロゼッタだけ。
マクシミリアンは失敗作であり、彼は何の役にも立たない娘を適当なタイミングで平民出身の騎士と結婚させて利用したのだ。
彼が言う尊い存在は自分ではなく、ロゼッタ・クロイソだった。
マックは唇をかんだ。
自分の父親がリプタンを徹底的に欺隔して利用したという事実に改めて怒りがこみ上げてくる。
そして、その手段が自分だったという事実が耐えられないほど悲しかった。
クロイソ公爵は、自分の代わりに死地に向かう若い騎士に大切にする娘を、美しく明敏なロゼッタを与えるべきだった。
彼はその程度のもてなしを受けるべきだった。
激しくわき上がった感情にマックは震える声で吐き出す。
「私、本当に・・・ご・・・ごめんなさい」
「まったく、余計なことを言い過ぎたね」
彼は突然過去の怒りから逃れ、彼女の頬を撫でる。
「あなたを非難しようとしたのではない。君のお父さんの卑劣な行為にあなたは何の責任もないことは知っている。あなたは私と結婚したいと思ったことはないでしょう?」
その言葉は事実だった。
どうしても否定できない彼女を見て、リプタンが苦笑いする。
「あなたは父の事情に巻き込まれ、私のような卑賤な人間と無理に結婚するようになった哀れな犠牲にすぎない」
「そ、そんなことないですよ。そ、そ、そういう風に・・・言わないでください」
彼は彼女の差し迫った妻に耳を傾けなかった。
「しかし、私はあなたを完璧に満足させてあげる。どの貴族や王族と結婚するより、私と結婚した方がいいと感じさせるようにしてあげる」
「わ、私は・・・すでにそう感じています。だから・・・」
これ以上彼の言葉に耐えられなくて、マックは.激しく吐き出した。
体をかがめて彼の首を抱きしめると、リプタンが驚いたように体を固め、すぐに腕を上げて力強く抱き合う。
彼は彼女の髪を引き寄せて唇を重ねた。
かすかに青りんごの香りが漂う甘い舌が口の中を柔らかく満たしていく。
マックは、めまぐるしい寒気に包まれて震えた。
彼の首に顔をうずめて、泣きたい衝動がわき起こった。
リプタンは自分に対して途方もないほど膨張した環喪に服していた。
いくら背伸びをしてもそこに到逹できないような暗漁たる気持ちにマックはぎゅっと目を閉じる。
マックのために頑張るリフタン。
リフタンのために頑張るマック。
お互いを想いあっているのにすれ違っているのが辛いですね・・・。