こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は247話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
247話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 炎上②
「どうしたんですか?」
メルがマジェスティが収集した情報を分析するレンを見ながら尋ねた。
レンの表情から何か釈然としないことを感じたからだ。
「おかしくて。大公家って元々こんなに甘かったっけ?」
「そんなはずがないですが?たった一度も揺れたことのない家柄です」
「でしょ?私の考えもそうだよ」
報告書を捲るレンの目が深まった。
「簡単すぎる。だからおかしいんだよ」
「何か気になることでもあったのですか?」
「これ」
レンは報告書を差し出し、その点を指摘する。
「ホイット公爵主催の狩りにフランツェ大公の直属騎士シュタインが来なかった、ということですか?」
「うん」
「把握してみます」
「夜カラスの行動も妙に気になる・・・。あれは!?」
レンの目は、ハンマーで頭を殴られたかのようにぼうっとした。
メルも慌てた様子だ。
「あ、あそこはサロンの方向!サロンが火事になったんじゃないですか?公子様!」
レンは状況を把握し、何も言わずに走り去った。
狂ったようにサロンに向かって疾走するレンの頭の中には一つの考えしかない。
エレナ。
彼女が無事なのか、危険なのか。
心配に満ちた頭の中に、他の考えが入り込む暇などなかった。
エレナは本当に久しぶりにぐっすり眠った。
幸せな夢も見た。
家族がケーキの周りに集まって団欒な誕生日を過ごす夢だ。
「お嬢様!」
熟睡したエレナを起こしたのは部屋の外のヒュレルバードの声。
氷の騎士と呼ばれる彼らしくなく、非常に動揺し、切羽詰まった声だった。
「・・・卿?」
目が覚めたエレナは重い瞼を持ち上げる。
朦朧とした精神を追い出したのは鼻を突くキツイ匂い。
「お嬢様、無礼を犯します」
荒々しくドアを叩いていたヒュレルバードが寝室に飛び込んだ。
後に続くメイの姿も見える。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「どうしたのですか?」
「サロンが火事になりました。早く脱出しなければなりません」
「火事ですって?」
信じられないように問い返すエレナの表情は固まった。
彼女にとってサロンは全てだと言っても過言ではない。
人生の理由であり、人生を支える原動力だ。
火事でサロンを失うのではないかという不安感が彼女を少しずつ侵食していく。
「早く脱出しなければなりません、お嬢様。一階に火の手が広がっています」
ヒュレルバードの催促にもかかわらず、エレナは微動だにしない。
「お嬢様、危険です!煙を吸うだけでも致命的になる可能性があります」
隣にいたメイも慌てて騒ぎ立てる。
それもそのはずで、エレナの寝室はサロンの最上階。
一階から始まった火が広がり、黒い煙が上に燃え上がっている。
下手をするとガス中毒で命を失いかねない状況だ。
(落ち着いて、エレナ。このままサロンを失うわけにはいかない)
ぼんやりとしていたエレナは両手を上げて頬を強く叩いた。
「お嬢様!?」
「ちょっとでいいから、私に時間をちょうだい」
目が覚めたエレナはベッドから降りて窓際に向かう。
(火の手が一階に留まっている)
サロンの主材料は石材と大理石。
火に弱い木材とは異なり、石材と大理石は火に強い性質を帯びている。
おかげで火が早く広がるのを防いでいるようだ。
(まだ時間はある。火を消す時間が!)
エレナは冷静に状況を把握した。
焦って慌てたところで状況は変わらない。
今できる最善の方法を見つけて措置しなければならない。
決心を固めたエレナは、水をつけたハンカチを口に当てて言った。
「火を消します」
「お嬢様!」
「方法があります」
エレナが力を込めて言ったが、ヒュレルバードも退かなかった。
騎士の本分は自分の主君を守ること。
いつでも、命を手放すことがあってもエレナの安危が最優先だった。
「分かりました。その前にまずサロンを出てから・・・」
「それじゃあ遅いです」
エレナは断固として首を横に振る。
今は火事が一階に限られているが、間もなく建物全体に広がるだろう。
サロンが崩れれば、今まで築いてきた全てのものが砂城のように崩れ落ちてしまう。
ノブレス通りを牽制するのが難しくなるだけに、大公家への復讐にも大きな支障が生じる。
「サロンには散水装置があります」
「散水装置ですか?」
メイが首を傾げて反問する。
「火災が起きたら天井から水を撒くことができるように設置した装置よ。バルブを解除すれば火を消すことができるわ」
「・・・!」
「そんなものが存在するのですか?」
エレナは何の対策もなしに火を消そうとしているわけではない。
天才建築家のランドールは設計当時からサロンの火災に備えて安全装置を作っておいた。
バルブを開けてサロン内部に散水すれば、炎が広がる前に抑えることができる。
レンの救助は間に合うのでしょうか?
そしてエレナの考える火の消去方法。
散水装置が起動すれば火事を最小限に抑えることができるでしょう。
ここでサロンが全焼すれば、エレナの復讐も失敗に終わってしまいます。
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