こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は212話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
212話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 秘密の会談⑧
「ニックス・・・、会わないと。そうしてこそダンテが・・・」
「・・・」
「ダンテ・・・」
そうするうちに少し前に自分が言った言葉も忘れたように、ノエルが突然疑問を表した。
「え・・・?そういえばダンテはどうして見えないの?」
しばらく止まっていたノエルの歩みが再び続く。
彼は今や大声でダンテを呼んで探し始める。
「ダンテ?ダンテ!ダンテ、どこにいるの!?」
意味の分からない不安と混乱に満ちた奇異な姿。
「ダンテ・・・」
そうするうちに、ノエルが足から力が抜けたように座り込んだ。
以後も何かを探すように茫然と虚空を彷徨っていたノエルの目に徐々に水が溜まり始めた。
混濁していた彼の目にも焦点が当てられ、次第にハッキリとした光が戻ってくる。
ノエルは、まるで夢から覚めた人のように虚しくぼんやりと座り、太い涙をポタポタと流す。
「ダ・・・、ダンテ、いない。本当にもう・・・、ダンテいない・・・?」
そのように鼻と目を赤く染めて涙ぐんでいたノエルが、結局は声を張り上げて泣き始めた。
隣にいるカシスと彼の部下の存在はすっかり忘れているようだ。
カシスは体面も羞恥心も知らない人のように全身で泣いているノエルを冷たく硬直した顔で見つめた。
「どうしたの?」
その時、カシスの後ろから細い音声が飛んできた。
視線を逸らすと、視野に入ったのは今夜カシスがずっと待っていた人だった。
黒いマントをかぶったロクサナが座り込んだノエルを凝視している。
ノエルは慌ただしく泣いて、新しく来た人の存在に気づいていない様子だった。
「今来たんだ。待っていたのに」
カシスはロクサナの視界を遮り、彼の視線が移動する。
「ノエル・ベルティウムを連れて行って」
隣にいた部下に命令したカシスがロクサナに近づいた。
チラッと目を滑らせるが、デオン・アグリチェの姿はどこにも見えない。
「私たちも入ろう」
カシスはロクサナの手を引っ張った。
ロクサナはまだ泣いているノエルを見て、カシスについて席から足を引く。
「ずっと外にいたの?遅れるかもしれないから、先に入ってと言ったじゃない」
「来るのを見てから寝ようと待っていたんだ」
ただ真夜中にこっそりニックスを探しに出てきたが、カシスによって挫折されてああしているのかと思ったのか、ロクサナはノエルについてこれ以上何も聞かなかった。
カシスも少し前にノエルから聞いたことをあえてロクサナに言わなかった。
しかし、彼の頭の中にはデオン・アグリチェの名前がハッキリと釘付けになっている。
ペデリアンを去る前、ベルティウムの動向を探るために送った腹心の報告書に最後に書かれていた人。
少し前からカシスを巻き付けていたある直感がノエルの泣き声を聞いている間、その体をますます大きくした。
もしその感じが違わなかったら・・・。
デオン・アグリチェ。
今、ノエルをこのように絶望させた人は彼だろうという強烈な予感がした。
デオン・アグリチェは人通りの少ない後園にいた。
夕闇の空に濃いオレンジ色の流れが広がっている。
後園にはロクサナのベッドの枕元に置かれた花瓶の中のものと似た花が咲いていた。
同じ種類ではなかったが、外見だけは非常に似ている。
普段なら視線を一度も与えなかった花の茂みがデオンの目を捉えたのはそのような理由だった。
一見無関心そうに見えるデオンの顔は、事実上、この上なく冷淡に氷結した状態だ。
するとふと、赤い気配が視線の先に巻かれる。
ばっ!
少し前までは目の前で孤高に咲いていた花が彼の手の中で滅茶苦茶に砕ける。
しばらくして、精一杯力を入れていた手を伸ばすと、花と共に潰れた蝶の残骸が視界に現れた。
しかしそれはロクサナの毒蝶ではなく、普通の蝶。
ロクサナは実に大胆だった。
彼女は花園での出会いの後、デオンを監視することさえしていない。
彼をあんな風に自分から離したのに、無駄なことをしないか怖くもないようだった。
それはきっとロクサナが知っているからだろう。
デオンが既に飼い慣らされた犬だという事実を。
だからデオンが見えないところで彼女の後を追っていることを知りながらも、一歩の視線さえ彼に許さないのだろう。
昨夜、ロクサナがユグドラシルを離れ、魔物の生息地に向かうことを知って後に続いた時のように。
一瞬、感情が込められていなかった乾いた唇が両側に裂け、その上に霜降りの笑みが浮かんだ。
ロクサナは既に一度彼女自身の手で壊したアグリチェを何らかの意味で再び責任を負うために戻ってきた。
ダンテがデオンに殺されたことをカシスは把握したようです。
ノエルはこのまま放置するつもりなのでしょうか?
デオンは相変わらずロクサナに執着している様子。