こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は224話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
224話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 密会
「どうしたの?しばらく会うことはないと思っていたのに」
宴会場を出たロクサナは、先に席を離れたカシスに会うために動く。
そんな彼女の目の前にグリセルダが現れた。
「冷たくしないでよ。まだ怒ってるの?あなたの同意なしに勝手に行動したのは申し訳ないと思っているんだから」
「・・・」
しかし、相次ぐ謝罪にもロクサナの反応は冷ややかだ。
それを見てグリセルダはまた反省するふりをして口を開く。
「本当よ。もうこんなことはしないから。だから、あなたの他の犬のように捨てないでくれる?やっぱり私はあなたのそばが一番面白いから」
グリセルダもアグリチェの血筋らしく、内に黒い蛇を一匹飼っている。
ロクサナに好意を抱いているだけに毒歯を見せていないが、長い舌をぺろぺろさせながら続く彼女の反応を期待しているのが感じられた。
グリセルダはアグリチェにいた頃からこんな風にロクサナを刺激し、その見返りに戻ってくる冷淡な反応を楽しむ不思議な趣味を持っていた。
ロクサナはグリセルダをしばらくじっと見つめ、口を開く。
「グリセルダ、私はあなたのことがかなり好きな方よ」
赤い唇から流れ出た単調な音声が爆弾にでもなるかのようにグリセルダは固まった。
彼女は不意に聞いた意外な言葉に少なからず衝撃を受けたようだ。
「急にどうしたの?」
グリセルダは鳥肌が立つように反応する。
ロクサナに向けた目つきは、何かを間違えたり、あるいは死ぬ日を目前にして突然変わった人を見るようだった。
ロクサナは胃もたれした顔をしているグリセルダに向かって言葉を継いだ。
「あなたはかなり有能で、程度を知っているから、私を煩わしくさせることもないでしょう」
褒め言葉といえば褒め言葉だ。
しかし、相次いでロクサナが冷たく微笑んで付け加えた言葉を聞いて、グリセルダは疑いとは異なり、幸いにも自分が正常だということに気づく。
「それなのに、ユグドラシルの中に入ってきて、ただでさえ無能になった姉が、このように一寸先も知らずに一線まで超えてしまったら、私の気持ちはどうなるのかしら?私は今まで役に立たない人をそばに置いた歴史がないのに」
相変わらずの毒舌に、グリセルダはむしろ安心した。
先ほどの第一声のように、柔らかくてむずむずした言葉はロクサナと自分の間に少しも似合わないものだった。
グリセルダも再び余裕を取り戻し、不満げに呟く。
「本当に酷いわ。ここに来て呪術が下手だからってそんなに虐めるの?以前から知ってたけど、私にはとても冷たいわよね、あなた。ジェレミーに対するのと全然違うじゃない」
「心にもないことを言わないで。あなたも私に家族扱いしてもらいたいわけではないはずなのに」
その通りではある。
ロクサナに今になって姉扱いされるのは考えるだけでも鳥肌が立つだけだ。
そうするうちに突然思いつくと、グリセルダは独り言のように呟いた。
「知っている人もまだ生きていたら、あなたのように面白い人間に育っていたのかしら?ちょっと残念だわ」
「・・・」
「そういえば、あなたのさっきの演技上手だったわよ。目つきがあまりにも切なくてベルティウムであなたがあの人形に火傷したことを知らなかったら、私も騙されるところだった。名前がニックスだったかしら、きっとあなたはあの人形を最大限苦しめたがる方だろうに」
グリセルダが表情変化のないロクサナの顔をじっと見ながら悪戯っぽく首を傾ける。
その後、彼女が付け加えた言葉にロクサナの目つきが微かに動いた。
「それより黒い犬が、さっきあなたの部屋から何かを持って出て行ったわよ。これまで主人がお腹を空かせていたせいかしら」
楽しいことになるかのように囁いたグリセルダがロクサナを先に通り過ぎて廊下を歩く。
「そうしているうちに、一度首輪を引っ張った方がいいんじゃない?」
「・・・」
ロクサナは遠ざかる足音を聞きながらグリセルダと反対方向に動いた。
彼女の顔は酷く冷めていた。
カシスは人通りの悪い北の庭にいた。
片隅に置かれた長い椅子に座った彼の顔に微かな光が差す。
近づいてくる見慣れた人の気配を感じたが、カシスはすぐに首を回さない。
口の中に溜まった言葉を、まだ完全に整理できていないからだ。
しばらくすると甘い香りが鼻をくすぐった。
か細い腕が後ろから巻き込まれ、カシスをそっと抱きしめる。
長い髪が彼の肩の上に滝のように流れ落ちると同時に、正面を向いていた顔が横に少しズレた。
「振り向かないで」
しかし、次の瞬間、耳元に小さく囁かれた言葉が、続こうとしていたカシスの動きを阻んだ。
「今は嫌なの」
短い沈黙の中に微かな草むしの音が染み込む。
低い声が再びその上に重ねられた。
「どうして?」
「私の顔、今あなたに見せたくなくて」
耳元を掠める声は、そよ風のように薄く穏やか。
しかし、ロクサナは頑固にカシスを抱きしめた腕を離さない。
「ロクサナ」
そんな彼女に、カシスはいつものように真っ直ぐな声を流した。
「会いたい」
彼女の心にある葛藤を知っているように。
どんな状況でも彼女を支えてくれるように、その低い声に揺れは少しもなかった。
敵なのか味方なのか分からないグリセルダ。
今のところは味方?