こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は239話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
239話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 巨大な嵐⑤
本格的に事件が起きる直前、ノエル・ベルティウムが泊まっている部屋は静かだった。
昼食を出された後は誰も彼を訪ねてこなかったので、ノエルは一人で椅子にぽつんと座って焦った手で肘掛けを掻いていた。
その時、ドアの外から重い音が聞こえてくる。
何かが壁にぶつかるような音は2度にわたって間こえてきた。
キィッ・・・。
それから突然ドアが開いた。
外にはきっと歩哨が立っているはずなのに、なぜかドアの隙間から流れ込む空気がとても静かだ。
ノエルはよろめきながら席から立ち上がる。
もしかして人形たちが来たのかな?
彼はベルティウムを去る前に、所有するすべての戦闘人形に命令を下した。
だから、今頃は彼らがここに到着して当然だろう。
ノエルの手がドアノブを引っ張った。
しばらくして彼が発見したのは門の前に倒れている歩哨たち。
彼らにこれといった外傷は見られなかった。
また、蟻一匹も歩き回らないように周囲がとても静かだ。
だったら、人形たちの仕業ではないのに、どうして・・・。
ノエルはしばらくまともな睡眠も休息も取れなかったため、ぼんやりとした頭の中で疑問を思い浮かべた。
しかし、頭がごちゃごちゃに絡まっていて、考えを長くすることはできなかった。
ぽやけた脳裏に自然に再び浮上したのは、彼がユグドラシルに来た絶対的な目的といえる存在の顔だけ。
「ニックス・・・」
ノエルの曇った目には奇妙な輝きが漂っていた。
彼は自分の人形を探してよろめきながら動き始める。
その間、建物の外壁に乗って流れ込んだ騒々しい音が波動のように伝わってきた。
ついにノエルの歩みが、ほぼ駆けっこのレベルに速くなる。
目的地は、やはりニックスがいる場所。
デオン・アグリチェも外の騒ぎに気づく。
彼は一点の光も漏れない部屋に一人でいた。
椅子に体を深く埋めて座って手にあごを当てていた彼の耳元に重装備がぶつかる音、また誰かが大声で叫ぶ音声と鋭い悲嗚が混じった騒音が押し寄せた。
今は昼だったがこんなに暗い部屋の中に座って外のうるさい音に静かに耳を傾けていると、まるで去年の冬のアグリチェに戻ったような気がした。
デオンはゆっくりと席から立ち上がり、窓の方に歩く。
腕を動かして厚いカーテンを歩くと、濃い雲の間から差し込む日差しが視野を突き剌した。
デオンは視線を落とし、その下で起こっている光景をじっと見た。
その目つきがあまりにも乾燥していて、もし今誰かがデオンを見たとしても、彼の視野に込められた光景が残酷な殺陣の現場だとは誰も考えられないだろう。
外で繰り広げられる意外な場面はデオンの興味を引いたが、それは一瞬だけ。
対峙中の二つの群れのうち、片方が首を突き抜けても平気で動く姿が特異だったが、それもやはりただそれだけだった。
そうするうちにしばらくして、デオンの視線が彼のいるところで直角に位匿した横の建物に触れる。
忙しく廊下を横切る人の姿が窓ガラスに透過し、視界に入り込んだ。
ノエル・ベルティウム。
ユグドラシルの中を侵した人形たち。
あの建物のどこかに閉じ込められているアシルの人形。
深い闇が立ち込めた赤い瞳に一瞬鮮明な輝きが輝いた。
しばらく窓際に留まっていたデオンの歩みがついに席からゆっくりと離れる。
彼はユグドラシルに入ってからずっとどこにも届かず、沈黙の中を漂流していた。
しかし今まさに、ぼんやりとした道しるべが一瞬目の前で点滅したような気がした。
デオンはドアを開け、薄暗い部屋を出る。
そして、それよりもずっと暗い廊下に足を踏み入れた。
ロクサナは鎖骨のネックレスを破った。
落ちた丸い宝石が、するすると床に散らばる。
サアアアッ!
割れた断面から漏れたほやけた煙が、すぐに背後に立ちはだかった。
直ちにその中で「バンッ!」と爆発音を出して何かが爆発する音が間こえた。
「い、今のあの演技は何ですか?落ちた宝石から出てきたようだが・・・」
「気のせいです」
「今、そこで爆発音も・・・」
「ただの偶然です」
隣にいたパンドラとリュザークが戸惑ったが、口クサナは彼らの疑問を一気に切り取った。
そして、彼女は煙をくぐって出てきた人形たちに残りの髪飾りを抜いて投げつける。
それは肉眼で見える人形の部位の中で最も防御力が弱い急所である目に突き刺さった。
急に視力を失ったため、追いかけてきた人形がしばらく停滞し、速度が少し遅くなる。
さっき経験してみた結果、鼓膜を破裂させて撹乱を与える方法が最も効果的だったが、これ以上使える武器がなくてできなかった。
走る状況でも変わらない高い命中率にリュザークとパンドラは一瞬にしてまたもや呆然とした表情を浮かべる。
いずれにせよ、3人は人形の動きが遅れている間、建物の中に無事に入ってきた。
この人員で適当な対策もなしにあの程度の数の人形を相手にするのは愚かなことだった。
「ドアを閉めなさい!」
彼らは中に入るとすぐにドアを固く閉めた。
「展示室に武器があります!」
3人は背後から聞こえるドンドンという音を聞きながら再び走り出す。
まっすぐ走って左に曲がる廊下に位置したユグドラシルの展示室には、由緒ある宝剣と槍などが綺麗に保管されていた。
「一体あの人たちは何ですか?どうしてあえてユグドラシルに・・・!」
「人ではありません」
パンドラが切られた髪の毛をなびかせながらロクサナを振り返った。
疑心がこもっていた彼女の顔にすぐ悟りがよぎる。
「ま、まさかベルティウムの人形?」
その直後、パンドラは言葉を見つけられなかった人のようにあばいた。
リュザークの顔も硬くなっていた。
実際、ニックスではなくベルティウムの人形をこのように直接相手にするのは、ロクサナも初めてだ。
苦痛にも反応しないあの無感覚な姿を見ると、改めて彼らがニックスとどれほど違う存在なのかを感じ、状況に合わない嘲笑が漏れた。
その瞬間、再び耳に耳鳴りがしてズキズキする頭痛が額を割るように突っ込んだ。
ロクサナはユグドラシルの中に散らばった毒蝶を通して様子を見ていた。
このように数匹の毒蝶とリアルタイムで時刻を共有することは体に無理が行くことであり、ユグドラシル内ではさらにそうだった。
人形たちはすでにユグドラシルの内外に布陣している。
いつの間にか各建物の奥深くまで掘り下げて入った人形たちが部屋のドアを壊して中を確認する光景が見えた。
彼らの行動はまるで誰かを探しているようだった。
散らばった蝶の目で確認した他の人形たちの動きも奇異だ。
彼らは目に見える者を皆攻撃したが、その後はまた何かを探すように目を丸くする。
ロクサナはカシスの隣にいる蝶に注意を集中させた。
カシスは隠れていた虫を撲滅するかのように、出くわした人形を次々と壊している。
彼の通り道には破壊された人形の残骸が影のように敷かれていた。
しかし、廊下を突破する彼の動きは、なぜか人形をなくし、周囲にいる人々を守ること以外に、他の目的があるように感じられた。
ロクサナは唇をかんだ。
「私は大丈夫だから来る必要はないと言ったのに」
ロクサナの視界が建物の内外を絶えず行き来する。
途中で心を変えたものの、ほんの少し前まではロクサナはここにいる人々を危険にさらす計画をひそかに立てていた。
しかし、少なくとも彼女はここにいる人たちを皆殺しにするつもりはなかった。
ノエル・ベルティウムはどうしてここまでするのだろうか。
ロクサナはユグドラシルに来てからずっと不安定に見えたノエル・ベルティウムの姿を思い浮かべながら目元を固める。
「別々に動きます。私は立ち寄る所がありますので」
ついに到着した廊下の分岐点で、ロクサナは方向を変えた。
「ちょっと・・・!」
パンドラとリュザークは急いでロクサナを呼んだが、すでに彼女は遠ざかっていた。
カシスと彼の腹心たちが突然の状況でも迅速に対処したおかげで、人形たちがすべての建物を占領することはできなかった。
そのおかげで、ロクサナも邪魔されずに動けそうだった。
ジェレミーも庭を出てこちらに向かっているのが見える。
その姿がなんとなく危険に見えて、口クサナはナビに最大限安全な道で彼を導くようにした。
カシスにも蝶がついていたが、自分をロクサナの方に導くのではないという事実が分かったのか、そばで飛んでいる蝶を無覗して独自に動いている。
ニックスに視野を転換すると、彼もやはり外の騒ぎを聞いたのか、部屋の中で一人でどうすることもできず彷徨っている光景が目に入った
人形たちの動きから見て、ノエル・ベルティウムの目的はきっとニックスの乗っ取りだろう。
そのため、ロクサナは彼より先にニックスを引き抜くつもりだった。
頭が過負荷になったせいで瞬間的に覗野がひっくり返って目眩が押し寄せる。
ユグドラシルの呪術陣に影響を受ける状態で、あまりにも無理に毒蝶の力を使って撹乱が来たのだった。
じゃらじゃら!
その時、突然横から何かが飛び込んでロクサナの腰をひったくる。
ロクサナは反射的に指の指輪に触れ、飛び出た刃物をそこに打ち込んだ。
チェン!
しかし、それは腰を包むことができずに折れていった。
すぐに何かが彼女の手首に巻きつく。
直後、口クサナは驚くべき力で持ち上げられた。
足が地面から離れる。
不意に奇襲され、空中で体を縛られたまま、ロクサナは眉をひそめた。
「どこへそんなに急いで行くんですか?ロクサナちゃん」
周辺の緊迫した状況とは異なり、悠々自適極まりない音声が耳元を打つ。
その声は思ったより遠くから聞こえた。
つまり、彼は今彼女の腰にしがみついている張本人ではなかった。
ロクサナは彼女の腰を締めている硬い緑の茎から覗線をそらして首をかしげた。
「オルカ・フィペリオン」
ひんやりと固まった声が目の前に現れた男の名前を呼ぶ。
すると、彼が晴れた日に野原を散歩でもしたかのように明るく微笑んだ。
「こんにちは、ロクサナちゃん。いい午後でしょう?」
ここでオルカの奇襲・・・!
ロクサナが珍しくピンチに陥っていますね。
カシスとジェレミーの救援はあるのでしょうか?
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