こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は288話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
288話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 山賊のボス
「できました、お嬢様」
「本当?」
メイの言葉に応接室の裏側のソファーに座って読書中だったエレナが起きた。
優雅な歩き方で化粧台の前に歩いていくと、鏡に映ったヒュレルバードの姿を見てびっくりする。
「本当に卿ですか?」
あまりにも驚いたのか、エレナの目は満月のように大きくなっていた。
氷のように冷たくてなめらかだった肌は荒<なり、整えられていない豊かなあごひげは野性的に見える。
また、獣の毛皮を編んで作った、主に薬草屋や猟師などが着る衣服を着ていた。
何日も閉じないように乱れ、伸び伸びとした髪の毛は誰が見ても山菜で生活する山賊そのものだ。
「素晴らしいです。卿の姿が見えません」
「・・・」
エレナの感嘆にもかかわらず、ヒュレルバードは笑えなかった。
鏡に映った自分の姿がぎこちなくて、どこか不慣れだったためだ。
「卿、知ってますか?」
「何がでしょうか?」
「妙に純朴に見えます。山賊は山賊だけど、汚れていない山賊?」
「からかわないでください」
ヒュレルバードは顔を赤らめた。
山賊なのに、汚れのない純朴さがにじみ出ているというから笑うことも、泣くこともできなかった。
「卿なら間違いないでしょうが、それでも気をつけてください。いつ何が起こるか分かりません」
「胸に刻んで行動します」
ヒュレルバードは重大な責任を感じた。
今回の計略が成功するかどうかは、ヒュレルバードが握っていると言っても過言ではない。
「山賊に使う名前は考えてみましたか?」
「まだ考えていません」
「では、これはどうですか?前からずっと思ってたんですよ」
思いもよらない愛称に驚いたのもつかの間、ヒュレルバードはエレナがつけてくれた愛称にうなずく。
「その名前を書くようにします」
エレナは微笑みながら顔をそむけた。
「メイ、山菜生活は簡単ではないと思うわ。本当に大丈夫?」
「心配しないでください。もっとどん底も経験したことがありますから」
今回はヒュレルバードだけでなく、メイも同行する予定だ。
山賊の妻として。
メイは傭兵の食事から変装など多様な分野にわたって山菜生活に役立てようと合流する。
「二人を信じているけど、それでも体に気をつけてね。分かった?」
「はい、お嬢様」
エレナは2人の姿を長い間目に留めていた。
無事に再会することを心待ちにして。
「おいでになりましたか、恩人?」
エミリオの執務室を訪れたエレナは、大公家が保有している不動産を売り物に出したという話を聞いた。
「売り物の量は多いですか?」
「首都にある邸宅2棟、外郭地域の土地、商店街の建物6棟を売り出しました」
「買収の意思を示した貴族はいますか?」
「邸宅はいくつかの貴族が関心を示しましたが、土地や建物は買い手がいないといいます」
邸宅は地方から首都に上京する貴族たちで需要が十分だったが、土地や建物は投資に近い。
サロン一帯が首都の卵黄として浮上した今、外郭地域の土地や中心街から外れた建物に投資するほど貴族たちは馬鹿ではない。
「邸宅の買い入れもできないように手を使ってください。いざいう時はこちらから買い取りの意思を明らかにし、頭金だけかけた後、代金の支払いをできるだけ遅らせてください」
「おっしゃることは分かります」
売りに出された邸宅は高価だ。
貴族であっても、代金を一括払いで支払うことは珍しい。
ほとんとが分割払いで行われる。
もしエミリオが第三の人物を前面に出して買入代金を一括払いで支払うと出れば、資金難に苦しむ大公家は断ることができないだろう。
その後、言い訳をして代金の支払いを遅らせ、大公家の資金難を長期化させればいい。
その他の問題についての話し合いを分けているとメルがやってきた。
以前ならエレナが来るのを応接室で待っていただろうが、大事を控えた状況であるだけに場所にこだわらなかったのだ。
「どうなりましたか?」
「大公家と大公領を行き来する連絡手段を把握しました。首都と大公領までの距離を考慮して混乱を与えることができそうです」
「朗報ですね。お疲れ様でした。そちらにずっと気を使ってください。簡単には動かないと思いますが、最悪の事態には備えなければなりませんから」
エレナが大公領を注覗する理由は、フランチェ大公の私兵のためだ。
首都に滞在する騎士団の規模はすでに把握を終えた状態なので、ある程度対応が可能だったが、フランチェ大公が数千にのぼる大公領の私兵まで動けば、手の施しようがない事態に至る可能性がある。
それを心配したエレナは、情報組織マジェスティを活用して、大公家と大公領を行き来する連絡手段に混乱を与える計画。
大公領の私兵たちの足を縛るだけでも最悪の事態は防げた。
「皇居の知らせも持ってきました」
「話してみてください」
エレナの許可にメルは唇をもぐもぐさせた。
今からしなければならない話が、彼としてはあまり楡快な話ではないためだ。
「貴族たちが口をそろえてフランチェ大公がバスタージュ家を相続しなければならないと主張しています」
「フランチェ大公の目に入るためのあがきでしょうね」
大公家が危機に瀕しているとはいえ、誰も大公家が没落するとは思わない。
帝国の建国時点から盛勢を享受していた大公家が崩れることを誰が疑うだろうか。
この機会を利用して、大公家に印象を与えようとするあがきだった。
「皇帝陛下が持ちこたえていらっしゃるとはいえ、貴族の要求が激しく、いつまで持ちこたえられるかは未知数です」
「その部分については心配しないでください」
エレナは自信を持って言った。
「陛下は決してそのことを許さないです」
首都北部を囲むカズベギ山。
そこに山賊が出没した。
人々は腹を抱えて笑う。
帝国の象徴に等しい首都で山賊行為とは・・・。
ところが、時間が経つほど山賊の存在感が尋常ではなかった。
かなり名前が知られた中堅商団を襲撃し、物品を全て奪取した。
商団の護衛騎士たちが激しく抵抗したが、なすすべもなくやられるほど山賊が強かったという後聞だ。
それから数日後、大陸10大商団のカストール商会と山賊が出くわす。
せいぜい山賊のくせに10代上の優れた護衛騎士たちと競って生き残るとは思わなかった。
「山賊の悪行も終末を告げるだろう」と予想される。
ところがなゼか、北方地域で認められる騎士団出身の護衛騎士大将が山賊のボスの一撃を防ぐことができず虚しく敗れたのだ。
最初は誰も信じられなかったが、生存した人夫たちの目撃談が伝えられ事実であることが明らかになる。
ただの山賊のボスの無為が、並々の騎士団長を上回る強者という話まで出回り、これ以上むやみにできない存在として世間に認識され始めた。
山賊のボス、ヒュー、彼の悪名が帝国の首都を震動させる。
ヒュレルバードが山賊、最強の山賊ですね。
フランチェ大公はどのような行動に出るのでしょうか?
https://recommended.tsubasa-cham.com/matome/