こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は290話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
290話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 逆謀
邸宅に戻ったフランチェ大公は、何時間も考え込んでいた。
明るい空が夕焼けを経て漆黒のような闇に変わってから、彼の口が開かれる。
「アルディールを呼んできて」
フランチェ大公の目はいつにも増して静かだった。
悩みは長かったとしても決断を下し、躊躇いがなかった。
「呼ばれましたか?」
呼ばれたアルディールが頭を下げる。
フランチェ大公は手を後ろに組んで窓の外を見ながら言った。
「外部任務を遂行中の騎士を呼び入れなさい」
「全員ですか?」
「一人残らず。極秘裏に」
アルディールの目に異彩が灯った。
長くは話さなかったが、フランチェ大公が重大な決断を下したことが推察できたのだ。
「分かりました」
「そしてベロニカに上がってくるように言って」
アルディールが退き、まもなくベロニカが執務室を訪れる。
華やかさの象徴のようだった彼女だったが、最近になって顔がかなり傷んだ。
大公家の財政が悪化し、彼女が享受しなければならない多くのもののうち相当数をあきらめ、それによる激しいストレスに苦しめられた。
自分の性格通りにできないことが多くなるとエレナに対するベロニカの憎しみは手のほどこしようもないほど大きくなっていった。
性格はさらに暴悪になり、猟奇的でありながらサディスティックな行為も増えた。
「話を間きました。皇帝がまたバスタージュ家の相続を防いだそうですね?」
「ああ」
「はあ!まったく。誰のおかげであの場にいることも知らずに」
ベロニカの頬がびくびくする。
大公家にとって皇室は言うことをよく聞く犬に他ならない。
そんな犬が主人を噛もうとすると腹が立つほどだ。
「このまま黙っているつもりですか?」
「・・・」
「何か言ってみてください。ノブレス通りも滅びることになったんですよ!」
息苦しさに耐えられなかったベロニカの声が尖った。
俗語でノブレスの街は「ハ工を飛ばした」と言われている。
何人かの貴族が見物としてたびたび訪問したが、それが全て。
目を保養するだけで消費はしないでサロンとバシリカに行ってしまった。
その結果、累積した被害額が膨大だった。
単純な投資費用を除いても、ノブレス通りの1日の運営費さえ賄えず、借金ばかり抱えているのが実情だ。
もし、リチャード皇帝がバスタージュ家の相続を先送りすれば、大公家の財政は最悪に突き進むことになるだろう。
「ベロニカ、しばらく領地におりなさい」
ベロニカの目が揺れた。
領地に降りていろという言葉が状況が良くないという話に聞こえたためだ。
「理由は何ですか?本当に回生が不可能なほど、大公家が崩れたんですか?」
「違う」
「それとも何ですか?理由でも知ってこそ納得するんじゃないですか」
フランチェ大公の目に不気味さが宿る。
「どうしても皇帝を変えなけれはならない」
「・・・」
驚くのもつかの間、天を伏せるという発言にもかかわらずベロニカの満面に隠されない笑みが広がった。
「ついに決心したんですか?」
「うん」
「もっと早くしなければなりませんでした。飼ってくれた飼い主を噛む犬を見てはいけないじゃないですか。行儀悪くなるように」
ベロニカは手で口を覆って笑う。
帝国の中心は皇室ではなく大公家だ。
単なる皇族に過ぎなかったリチャードを皇帝の座に座らせたのが現フランチェ大公だ。
そのような境遇を忘れて歯をむき出しにしたのだから、笑止の至りだった。
「領地に行きません」
「ベロニカ」
フランチェ大公は彼女の名前を低く言った。
失敗は考慮していないが、それでも念のためベロニカを領地に送るところだった。
最悪の場合、領地で座り込みを準備することができるから。
ところがベロニカが拒否した。
「私も皇室に行きます」
「あなた・・・」
「行って皇帝を引きずり下ろしてひざまずく光景をこの目で直接見たいです」
ベロニカは、「何とかして追いかける」という断固たる意志を示した。
皇帝を足元に置くその瞬間を逃したくもなく、皇室を踏みにじって皇帝まで塗り替える大公家としての地位を肌で感じたかったのだ。
その自負心こそ将来、大公家の主人になる彼女が帝国を牛耳るための原動力になるだろうから。
「皇帝の次は皇太子の番でしょう?」
「生かしておく理由がないから。首都に戻り次第処刑するだろう」
ベロニカはうなずいた。
「彼は私を侮辱しました。殺すなら一番極悪な方法で殺してください。ああ、四肢を裂いて首を抜くのもいいですね」
「分かった」
フランチェ大公は素直にその願いを聞いてくれた。
歴史は勝者の手に渡るものだ。
逆謀が成功すれば、シアンにもっともらしい罪名をつけて殺せばいいのだ。
難しい頼みでもない。
「Lも殺さないと?」
「そのつもりだ」
フランチェ大公はこの機会を利用してすべてを整理するつもりだった。
「どうせ殺すなら、あの女は私にください」
「あなたに?」
ベロニカの瞳に深く染み込んだ憎悪の念がみなぎっていた。
「ただ殺すのは物足りないじゃないですか?私の怒りが解けるまで壊そうかと思います」
「わかった」
「あ、サロンは私にください。あれは使い道があるように見えました」
フランチェ大公がそうすると約束した。
Lを殺せば、サロンは適当な名分をつけて財産を差し押さえた後、新しく擁立した皇帝にやらせ、功臣になる自分に下賜すればいい。
そうなればノブレス通りを基点にサロン、そしてバシリカにつながる首都経済のトロイカを形成することができた。
悩んだが、フランチェ大公はベロニカの同行を許可した。
彼の計算に失敗という2文字はなかったから。
フランチェ大公も準備を始めました。
決戦の日も近いですね。
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