こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は294話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
294話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 長い夜の始まり②
「殿下、あそこを見てください。大公が動きました」
大公街近くの旅館に隠れているフィギンが状況を報告した。
密かに裏門を通じて出たフランチェ大公と騎士団は、馬を駆り立て、迅速に皇居に向かって動いていた。
準備する暇を与えず一気に旗揚げを成功させようとするかのように機敏だった。
シアンはそのようなフランチェ大公と騎士団の行動を注視しながら口を開く。
「準備は?」
「いつでも動けます」
平民になりすましてカズベギ山を下りてきた皇居近衛隊員たちは、大公家屋敷近くの旅館と建物に身を隠していた。
なんと50人に逹する丈夫な男たちが集まれば疑われるのも当然だが、ばれなかった。
エレナが事前に大公街近くの旅館と建物数軒を買い入れ、皇居近衛隊員が身を隠す空間を用意しておいたためだ。
シアンは改めてエレナの先見の明に感嘆する。
何手先を見通すのか彼は取ってすることすらできなかった。
『皇居を明け渡して大公家を占拠するんです』
初めてあの話を聞いた時の衝撃が生々しく感じられた。
フランチェ大公の謀反を煽った後、皇居を襲撃させて謀反の証拠にしようと言ったのだ。
その間、シアンに大公家を占拠して実利を取るように言った。
それだけではない。
皇居に一人で残る皇帝リチャードを秘密通路に逃走させることまで完璧だった。
「私たちも動く」
シアンの命が落ちるやいなや、曲がった手振りをする。
すると、建物の中で待機していた近衛隊員たちが一斉に建物の外に出て列を作った。
屋上から降りてきて皇宮近衛隊の前ではシアンがローブを脱ぐ。
漆黒の髪と瞳が世の中を飲み込むような夜とこの上なく調和していた。
「今夜」
長い言葉は必要なかった。
シアンは腰元から剣を抜き取る。
帝国の皇室を象徴する文様が刻まれた宝剣の剣先が大公家に向かった。
「大公家を帝国から消す」
サロンのオープン以来、最も盛大な舞踏会が開かれる。
本館だけでは足りず、別館までぎっしりと詰め込んだ訪問客で舞踏会は盛況だ。
今回の舞踏会は、訪問客が好みに合わせて楽しめるように、別館、本館、劇場などにテーマの異なる音楽や装飾、酒などを提供し、意味のある人同士でもう少しコミュニケーションができるようにした。
結果は大成功だった。
一つで終わるのではなく、多様さを尊重して追求したサロンの舞踏会は、気難しい貴族だけでなく、偏狭で画ー化された趣向を持った訪問客まですべて収容可能な文化の場になった。
「私は先に上がります。後をお願いします」
会場全体を見渡し、来場者と形式的な話し合いをしたエレナが後をカリフに預けて退場する。
社交界が癖になったとはいえ、多くの人を相手にするのはいつも容易ではないことだ。
ましてこの時刻、どこかで生死をかけた死闘が繰り広げられているだろう。
それが気になっていつものようにいられなかった
ヒュレルバードの代わりに護衛を引き受けた騎士ベルを連れて執務室を上がってきたエレナは、ソファーに座る暇もなく机に向かう。
そこにはマジェスティ情報員が伝書鳩を通じて受け取ったメモが時間帯別にずらりと並んでいた。
<ヒュレルバードが10人の傭兵を連れて首都に移動中>
舞踏会に参加する直前、エレナが最後に見たメモだ。
「遅れないようにしてほしい」
エレナは心配そうに独り言をつぶやいた。
過去の人生、帝国の三剣と呼ばれるヒュレルバードの戦力は絶対的だ。
何百年もの間、皇居近衛隊よりも強いと考えられていた大公家の騎士団を相手にするには、ヒュレルバードが適時に必ず到着しなければならなかった。
<レン、裏切り者の除去と家門掌握中>
<フランチェ大公、皇居に移動中。騎士団数字百人と推定>
<皇太子シアン、大公家攻撃開始>
<リンドン伯爵、騎士団帯同してバスタージュ家に移動中>
エレナは穏やかな目でマジェスティ情報員が収集しておいた情報を耽読した。
理性を基に些細なことも逃さないように徹底的に分析する。
刻々と変わる状況を注視し、時に合わせて対応するために神経を尖らせた。
彼女はコントロールタワーだ。
サロンの舞踏会に参加したのはごまかし。
今、首都のあちこちで起きているこの緊迫した事件をいちいち報告を受け、統制しているのは彼女だった。
(一つも見逃してはいけない。私が逃した瞬間、全部終わりだよ)
ちょうど開けっ放しの窓から鳩一匹が飛んできた。
情報組織マジェスティから通信で利用する伝書鳩である。
ハトはゆっくりと羽ばたきを止め、エレナの机の横に置かれた台座に座った。
エレナが手を伸ばしてハトの両足に縛られていたメモを解いて確認した。
「え、どうして!?」
その内容を読み上げるエレナの声はかすかに震えた。
揺れる瞳は、彼女が今どれほど動揺しているかを推測させる。
「どうして私の言うことを聞かなかったんですか!私と約束までされたのにどうして!」
彼女の目は潤んだ。
生きる道まで教え、そうするという約束まで取り付けたが、結局彼は約束を守らなかった。
かつて、彼女にこの上なく優しい義父だった。
大公家のいない帝国を見せたかったのに、このような選択をした彼があまりにも恨めしかった。
「・・・どうしたんですか?ねえ?陛下?」
エレナは悲しみに打ち勝つことができず、うつむく。
力が抜けたようにエレナが手から離してしまったメモにはこのように書かれていた。
<皇帝リチャード、皇居の中の大殿で大公を待っているところ。逃走拒否>
まさか皇居を囮にするとは驚きですね。
ですがリチャードは逃走を拒否しました。
これが意味することは・・・。
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