影の皇妃

影の皇妃【296話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は296をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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296話 ネタバレ

影の皇妃【295話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は295話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 皇帝の覚悟②

騎士たちが、つかつかと皇座が置かれた壇上に歩いて行く時だった。

リチャード皇帝が脇に置いておいた剣を抜く。

皇帝になる前から彼が使っていた愛剣だ。

「剣を捨てなさい、陛下」

「それができないなら?」

「今さら抵抗は無意味だということをご存じではないですか?陛下のご機嫌を損ねないように配慮させていただきたいのですが、それでは困ります」

丁重さを装ったフランチェ大公の声には逆らえない強圧が込められていた。

これ以上の線を超えれば、皇帝として最小限の待遇さえしないという警告だ。

「私は見たよ。廃位になった先皇が蒸されたのか。死ぬことができず、生きるしかない屈辱的な日々だった」

リチャード皇帝は剣をしっかりと握り、剣刃を自分の喉仏に当てる。

彼の突発的な行動に近づこうとした騎士たちが立ち止まった。

フランチェ大公の目も揺れた。

最近、歯をむき出しにしたものの、数十年間息を殺して彼の顔色ばかりうかがっていたリチャード皇帝が、あんな行動をするとは予想できなかった。

「陛下、余計なことはしないでください」

「本当にそう思うのか、大公?」

「・・・」

「真夜中に皇居に入って皇帝を殺したという汚名は、あなたも手に負えないだろう。反正ではなく逆謀になるだろうから」

「今すぐに・・・」

事態の深刻性を認知したフランチェ大公が防ごうとしたが、リチャード皇帝の動作がもっと早かった。

「止めろ!」

フランチェ大公の叫び声と同時にリチャード皇帝の首から血の噴水が噴き出す。

皇帝はよろめきながら崩れていく体で勝者の笑みを浮かべた。

「じ、地獄で・・・会おう・・・」

皇座を血で染めたリチャード皇帝がぐったりした。

徐々に生気を失う彼の目には一抹の未練と後悔も残らなかった。

こんなにでもシアンの役に立てれはそれで十分だった。

限りなく恥ずかしく無能な父親であり皇帝だったが、最後だけは天井壁画に描かれた先代の皇帝たちに恥ずかしくない選択をしたからだ。

その姿を見守っていたフランチェ大公が歯を食いしばる。

最悪だった。

余裕を与えずに制圧しなけれはならなかったが、そうすることができず、事故が起きてしまった。

「何をそんなに気にしているんですか?どうせ殺さなければならない者でした」

ベロニカは大したことではないように振舞ったが、フランチェ大公の表情はなかなか広がらなかった。

事態の深刻さが思った以上に重大だからだ。

「腐っても肯定だ。骨しか残っていない帝国の皇室だが、その象徴性は小さくない」

「それで?今さら死んだ皇帝が生き返ることもないじゃないですか?」

ベロニカはリチャード皇帝の血で赤く染まった壇上をさりげなく登る。

鼻を突く血香まで彼女には郷愁のように平穏に見えた。

壇上に上がり、リチャード皇帝の遺体の前に立ったベロニカがつぶやいた。

「だから、どうしてやたらに口を滑らせるんですか」

ベロニカが足を上げて、遺体となったリチャード皇帝の顔を踏みつける。

先ほど、Lと彼女を比較して侮辱したことに対する仕返しだ。

それでも怒りが収まらないのか、ベロニカは遺体が揺れるほど強く蹴った。

 



 

その間、フランチェ大公は深刻な顔で後始末を苦慮した。

ベロニカの言葉どおり、死んだリチャード皇帝を蘇らせることはできない。

すでにこぼれた水にこだわるよりは、ひとまず計画通りに動いた方が良いと判断する。

「皇帝の印章を持って来い」

命令を受けた騎士たちが一糸乱れぬように動きながら、シラミを捕まえるように城を探した。

しかし、どこからも印章を見つけることができなかった。

皇帝の執務室を含め、本宮を捜索して帰ってきた騎士たちも同様だ。

フランチェ大公の満面に怒りがこもる。

本来あるべきところに印章がないということは、事前に持ち出したという意味だ。

フランチェ大公は急いで処理しなければならない事案の文書に死んだリチャード皇帝の地蔵(指章)を撮った。

リチャード皇帝が死んだところで目隠しをしたが、仕方がなかった。

最小限の名分を掲げなければ、反発を招きかねないからだ。

「遅滞する時間がない。すぐにバスタージュ家に行く」

今最も重要な課題は実利を取ることだ。

バスタージュ家を吸収し、大公家の健在さを示すことができれば、リチャード皇帝の死をめぐってむやみに大公家を指弾することはできないだろう。

結局、世の中を動かすのは力、覇道だから。

「助けを求めてよかった」

最悪だと言ったが、フランチェ大公はそれなりに信じるところがあった。

それほどの保険もなしにこのようなことをするほど、彼は無謀ではない。

 



 

彼がちょうど大戦に出たとき、騎士の1人が「えっ!」と言って、いきなり走ってきた。

「大公殿下、大変なことになりました!」

フランチェ大公が何があったのか調べろと言わんばかりに目配せすると、第2騎士団長のジェームズが前に出る。

「あなたは見習い騎士のアンソニーではないか?大公家にいなければならない君がどうしてここにいるんだ?」

「そ、それが、皇太子が率いる皇宮近衛隊が大公家を奇襲しました」

「なんの戯言だ!?皇居近衛隊は今数寄山にあると聞いた。彼らが大公家を襲うなんて?それが話になると思うか!」

ジェームズは信じられないように怒鳴りつけた。

それもそのはず、日暮れまで皇宮近衛除が数寄山でキャンプ中だという報告を受けた。

数寄山から大公街まで馬に乗って休まず走っても半日は十分かかる。

常識的に辻褄の合わない話だ。

「私もどういうわけか分かりません。皇太子と皇宮近衛副大将が曲がったところが明らかでした」

「君が見間違えたんじゃないの?」

「そんなことないです!私がこの目ではっきりと見ました」

ジェームズの追及に見習い騎士のアンソニーも悔しいと言わんばかりに声を高めた。

「大公殿下、どうやら事実のようです」

ジェームスはうつろな声で報告し、唇をかんだ。

見習い騎士とはいえ、彼の切迫した態度からして、嘘を報告するようではなかった。

「・・・」

フランチェ大公は口をつぐんだまま沈黙する。

その時間が長くなり、大公家が襲撃されたという事実に不安感が伝染病のように広がる時だった。

「クク」

フランチェ大公の低い笑い声が城に広がる。

静寂を破った笑い声はだんだん大きくなり、すぐに城を大きく鳴らした。

「お父様?」

ベロニカがそのようなフランチェ大公を理解できないように眺めた。

フランチェ大公が壇上の上、リチャード皇帝の冷たい遺体を見上げる。

「皇太子を前面に出して大公家を襲撃されるとは夢にも思いませんでした。これは陛下に一発食らいましたね」

どうしてだろうか。

やられたという言葉とは違って、フランチェ大公の口元からは笑みが消えなかった。

それも笑いに満ちた嘲笑だ。

「ところがですね、陛下。どうやら天は陛下の味方ではないようです」

全く理解できない話にベロニカの忍耐心が限界に逹した。

じっくり考えたが、さっぱい分からない。

「陛下の味方ではないんですって?何を言っているのか一つも聞き取れません」

「今、大公家は殻にすぎない」

「それが?」

「財産は呼び戻せばいいし、人は集めればいい。しかし、大公家の高貴な血筋は世の中に私とあなた二人だけだ」

「あ!」

フランチェ大公の言葉の意味に気づいたベロニカが微笑む。

ベロニカが謀反に加担せずに大公家に残っていたなら、シアンと皇居近衛隊に捕まり、人質の身分を免れなかっただろう。

大公家の嫡統後継者であるベロニカが人質に取られることほど最悪の状況はないからだ。

ところが、ベロニカが旗揚げに加担して危機を免れた。

天運が伴ったと見ても過言ではない。

「やっばり天が私たちを助けてくれるようですね」

ベロニカの満面に宿っていた不安感が雪が解けるように消え、口元に笑みが広がった。

「災い転じて福となすとは、こういう時のことなんだ。皇帝が先に私たちを殺そうとしたという名分を得たからね」

結局、歴史は勝者の手に使われるものだ。

皇帝と皇太子が先に剣を抜き、フランチェ大公は生きるためにやむを得ずリチャード皇帝を殺すしかなかったという名分を手にすることになった。

「これ以上遅滞することはない。計画どおりバスタージュ家を吸収する」

大公家を失った今、バスタージュ家を掌握し、臨時本拠地にしなければならない必要性があった。

リチャード皇帝の遺体処理と皇居掌握も疎かにできないが、まもなく到着する助力者が代わりにするので、その部分は気にする必要がなかった。

「皇太子のみ処理すればいい」

バスタージュ家を掌握し、行き場を失った皇太子シアンと皇居近衛隊を殺害すれば、今回の革命は成功だ。

フランチェ大公は騎士団を連れて大戦に出た。

 



 

リチャード・・・。

大公家の占拠は成功に終わりましたが、バスタージュ家を占拠されれば全て終わりです。

今のところエレナの計画は順調なのでしょうか?

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