こんにちは、ピッコです。
「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。
今回は45話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
45話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ピクニック
アリスは二二とナナがあらかじめ準備しておいたピクニック用ドレスを着た。
宝石は除いてリボンだけでおしゃれをして、お姫様というよりは貴族家の令嬢のような感じがする軽いドレスだった。
「どう?」
ぐるぐる回るアリスを眺めながら、ニニとナナが熱狂する。
「とても可愛いです!」
「この世の可愛さじゃないです!」
「可愛すぎて誰かがひったくったらどうしよう?」
「あり得ることだ。だから棒を一つずつ必ず持って行こう」
二二とナナの大げさな褒め言葉にアリスの鼻が上がる。
シアナは本当に洗濯棒を手にする2人を見て驚いたが、2人の顔があまりにも真剣で止められなかった。
「侍女がなぜあんなものを持っているのかと聞く人がいれば、洗濯場に行く道だと言い繕うんだよ」
そうして4人はルビ一宮を出た。
間もなく到着したのは皇居の中にある白木の森。
二二とナナがシアナに説明する。
「私たちが見つけた場所です。他の庭園は人が行き来して楽に遊ぶのが大変じゃないですか」
「ここは皇居の隅っこにあるので、来る人がほとんdpいません。それで管理がちょっと疎かではあるんですけれども」
二二とナナの言うとおりだ。
森は静かだった。
きちんと管理もできていなかった。
だからもっと綺麗だ。
(庭師が手入れをしていないため、白木の木の葉が豊かで、野原には雑草と野花が勝手に咲いている)
まるで皇居の外のどこかに出てきたようだった。
ここが気に入ったのはシアナだけではないようだ。
「キャハハ!」
ここに来るや否やアリスは靴を脱ぎ捨てる。
それから裸足で野原を走り始めた。
まるでシアナと会う前のアリスに戻ったようだ。
猿のように勝手に暮らしていたわがまま姫に。
「私を捕まえてみろ~!」
アリスの叫びにニニとナナが悲鳴を上げる。
「なんと、なんと。私の目の前に見えるあのキュートで愛らしい人は誰?」
「森の妖精みたい」
掴んだりしない二人と違って、シアナは真剣に取り組んだ。
おびただしい速度で走ってくるシアナを見て、アリスは「え一っ、」と足を動かしたが、カ不足だった。
アリスはシアナに簡単に捕まってしまう。
シアナの両手に閉じ込められたアリスが泣きべそをかいた。
「ひどい。私は子供でお姫様だよ。手加減しないといけないんじゃないの?」
「それじゃ面白くないじゃないですか。こんなことは最善を尽くさなければなりません」
「・・・」
アリスは特に反論できなかった。
率直に言って捕まえるつもりが全くない二二とナナよりは、シアナの方が緊迫感に満ちていたからだ。
「私のスタイルだ!」
アリスが熱い鼻息を吐き出す。
アリスはシアナを見つめながら言った。
「もう一度やろう」
今日は一日中アリスが好きなように遊んであげることにした日だ。
それでシアナは喜んでうなずいた。
浮かれたアリスが地面を蹴る瞬間、誰かが現れる。
見知らぬ人の登場にアリスは驚いた顔で立ち止まった。
シアナも同じだ。
二二とナナも誰かと思ってあちらに置いた棒、いや洗濯棒を握って近づいてくる。
現れた人はまさに・・・。
「あ、こんにちは。シアナ」
シアナは目を見開いて女性の名前を呼んだ。
ぎこちない顔で笑っている人はアンジェリーナ皇妃だった。
いったい何事かと思って目を丸くしたシアナにアンジェリーナが言った。
「日差しの良い日にはレイと一緒に散歩をし始めたんだ。他の庭園は人が多くてここを利用しているよ」
「あ・・・」
やっとシアナはアンジェリーナの隣に口を開けて立っているレイシス皇子を発見する。
アンジェリーナは困った顔で言った。
「人がいるのを見てそのまま行こうとしたのだけど・・・シアナが見えたから挨拶をしたくて」
「・・・」
シアナはアンジェリーナの心がいかに弱いかを知っていた。
彼女はレイシスが傷つくのではないかと他の人の前に見えることにも気をつけている。
それでも私に挨拶をしようと姿を現したということに胸がジーンとした。
「そうだったんですね」
「うん。元気そうでよかった。いつか一度時間があれば宮に遊びに来てね」
シアナが「はい」と答える前に、鋭い声が響いた。
「シアナは私の侍女です。主人の許可もなしに何の無礼なことを言うんですか?」
鋭い声にアンジェリーナは肩をすくめて首をかしげる。
そこには荒々しい顔で腕を組んだ幼い少女が立っていた。
バラの花のように赤い髪に鮮やかな紫色の瞳。
アンジェリーナは一目で少女の正体に気づく。
第七皇女アリスだった。
皇帝に見捨てられ、まともな王女扱いを受けられなかったが、最近、皇太后の支持を得て力を持つようになった王女。
(幼いのに勢いがすごいね)
アンジェリーナは思わずつはを飲み込んだ。
アンジェリーナはこのような神経戦には弱かった。
それは幼い少女にも同じだった。
それでアンジェリーナは「なんでそんなことを言うんだ」と激しく反応する代わりに、眉をひそめて笑う。
「そうですね。私が大きな失礼をしました。お姫様に先に聞いてみるべきだったのに・・・」
「・・・」
予想とは違う反応にアリスの目が大きくなる。
(普通、このタイミングでは目を見開いて、小さなお姫様が生意気だと怒るが普通なのに?)
しかし、アンジェリーナはその代わり、頭を下げてアリスと目を合わせた。
「私たち、このように挨拶をするのは初めてですよね?」
アンジェリーナは皇妃、アリスは皇女。
同じ皇族だったが、2人はまともに顔を合わせたことがない。
アリスは皇族の行事にほとんど参加しなかったからだ。
たまに参加した時も一番奥まった席にいたので、中央に座っていたアンジェリーナとは会うことがなかった。
「アリス姫、シアナの力を借りることを許してくれてありがとう。この言葉を必ず言いたかったんです」
「・・・」
アリスの顔が食べられない野菜を食べたように歪んだ。
アリスは喧嘩には強い。
どんな皇族が来ても怯まない自信がある。
ところが、このように優しく自分に接する皇族は初めてだった。
アリスは何を言っていいかわからず、口をもぐもぐさせて、小さな声で言った。
「まあ、皇妃様も私の侍女たちを中級の侍女に昇級させてくれたじゃないですか。やり取りしたものですから、そんな挨拶はする必要はありません」
アンジェリーナはその言葉に大笑いする。
果たしてシアナが仕えるお姫様だと思った。
くすくす笑っていたアンジェリーナは立ち上がった。
シアナとアリスに挨拶をしたので、行ってみるつもりだ。
(レイは見知らぬ人が嫌いだから。アリス姫もレイシスが不便だろうし)
いずれにせよ去るのが良かった。
でも・・・。
「お兄さんと言っていたのに、私よりあまり大きくもないね」
いつの間にかレイシスに視線を向けたアリスが話していた。
最近背がぐんと伸びたアリスは、2歳も多い兄の背が自分ほど高いという事実にうぬぼれた。
アンジェリーナは驚いた。
アリスの目つきにレイシスヘの軽蔑や驚きが全くなくて。
アリスはレイシスの手に握られたスケッチブックを見て目を輝かせている。
「ところで、これは何?」
驚いたことにレイシスは反応した。
「絵」
短い答えをアリスがうんと聞き取った。
「絵が上手?」
レイシスが答える前にアンジェリーナは言った。
「上手です、とても」
「・・・」
「本人が描きたいものだけ描くんですけどね」
「描きたいのは何ですか?」
アリスの質問にアンジェリーナは少し赤くなった顔で答えた。
「綺麗なものです」
「・・・」
「人であれ、風景であれ、物事であれ、レイシスは綺麗なものだけを描きたいそうです」
その言葉にアリスが、ふーん、と目を細めて、すぐに口元を上げる。
アリスはレイシスに向かって赤い髪をなみなみと振りながら言った。
「じゃあ、私も描きたいんだろうね?そうだよね、お兄ちゃん?」
ものすごい自信だ。
アンジェリーナは当惑する。
レイシスが幼い妹の要請を無残に断るのではないかと思ったからだ。
それではお姫様にとても申し訳なさそうだった。
しかし、心配とは裏腹に、レイシスはアリスをじっと見て座り込んだ。
そしてものすごい速度で鉗筆を動かし始める。
レイシスの絵が完成した。
レイシスの実力を知っていたアンジェリーナとシアナはあまり驚かなかったが、アリスは違う。
アリスは絵を見てしばらく気が気でなかった。
美術作品については少しも知らないアリスの目にも、絵はあまりにも素睛らしかった。
バラの花が満開のように乱れた髪、頑固ながらも愛らしい瞳。
アリスは自分が美しいことを知っていた。
「はあ、でもこれほどではないんじゃない?」
アリスの小さくなった声に両側にいた二ニとナナが何を言っているのかというように首を横に振る。
「どういうことですか!アリス姫様の愛らしく、美しく、キュートな魅力がそのまま絵に込められています」
「そうです。私はお姫様が紙の中にすっぽり入ったと思ったんですよ」
アリスが顔色を伺いながら尋ねた。
「・・・本当?」
二二とナナはうなずいた。
「もちろんです」
「もちろんです」
すぐにアリスの鼻が上がり始める。
そうなんだ、私が綺麗なのは知ってたけど、これほどだったんだ。
「はあ、私というお姫様」という顔だった。
シアナはそれを見てニッコリと笑う。
(とにかく。ますます傲慢になっているんだから)
悪くなかった。
彼女はお姫様なのだら。
正道を守れば、姫はあんな図々しさと傲慢さを持っているのも悪くなかった。
何よりもアリスはレイシスが気に入ったようだ。
「お兄さん、本当に最高だ。他の皇族は縁起の悪い言葉ばかり並べられるだけで、こんな才能なんて一つもないのに。そんな奴らより百倍は立派だ!」
レイシスは「はい」と答える代わりに不明なことをつぶやいた。
アリスは「何言ってるの?」と首をかしげた。
一歩後ろからその姿を眺めていたアンジェリーナが言った。
「お姫様が喜んでくれて嬉しいようです」
「そうなんですか?」
「ええ、気分がいいと独り言が多くなるんですよ」
何も考えずに言ってるから、あまり変に思わないでほしいと言う前に、アリスがくすくす笑って言った。
「そうなんだ。まるで歌っているようだね」
「・・・」
アンジェリーナは何も言えなかった。
すぐにアンジェリーナの目元が赤くなる。
シアナは眉をひそめ、アンジェリーナを見た。
大丈夫かというように。
アンジェリーナは目の上をぎゅっと押さえながら苦笑いした。
「私もまったく馬鹿げているわ。子供たちが遊ぶのを見て涙が出そうだなんて」
シアナはアンジェリーナの気持ちを知る。
アンジェリーナは今日初めて、レイシスが同年代の子供といるのを見た。
それも同じ血が半分混ざった妹と。
レイシスは彼女が考えた数多くの恐ろしい状況とは異なり、アリスとあまりにもよく付き合っていた。
アンジェリーナは震える声で言った。
「アリス姫のおかげだよ」
アリスは生まれてすぐに皇帝に捨てられた。
長い年月を独りで過ごした。
しかし、今の幼い姫にはそのようなしわが全く見えなかった。
明るく、堂々としていた。
自分と少し違う人に対する偏見も見せなかった。
「アリス姫は幼いが立派だね。シアナ、君が面倒を見てくれたおかげだろう」
シアナは優しく微笑んで言った。
「皇太子殿下もそうです。皇妃様がよく面倒を見てくれたおかげでしょう」
いたずらな言葉にアンジェリーナも目を見開く。
この上なく嬉しい言葉であるかのように。
アリスがレイシスと仲良くなってくれて嬉しいです。
アンジェリーナも報われたでしょう。
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