影の皇妃

影の皇妃【308話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は308をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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308話 ネタバレ

影の皇妃【307話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は307話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • これから

華やかな皇室専用の儀典馬車がサロンの前に到着した。

「お迎えに参りました、L」

皇居近衛副大将のフィギンが礼備正しく礼儀をわきまえる。

彼の態度にはエレナに対する尊敬の念がにじみ出ていた。

「毎度お手数をおかけして申し訳ありません」

着飾ってからエレナは照れくさそうに微笑む。

自ら行くと言ったが、シアンは皇居近衛隊を同行させて丁重に招待した。

「そんなことを言わないでください。Lにお会いして会話を交わすだけでも、私には大きな光栄です」

フィギンは笑いながらエレナを馬車までエスコートする。

エレナが馬車に座ると、彼女は礼儀正しくドアを注意深く閉めた。

秀麗なたてがみの白馬が足を転がすと馬車が前に進んだ。

皇室専用の儀典馬車でも足りず、20人を超える皇居近衛隊のエスコートまで加わると、人々の視線が集中するのは当然のことだった。

「どうして行列なんですか?」

「皇太子殿下がLを連れてくるようにと送ったようだ」

「またですか?本当にLを皇后のものだと思っているのか?」

「私は賛成。正直、Lほど私たちのような平民を考えてくれる貴族はいる?あんな方が皇后にならなければ誰になるの?」

「それはそうですね。貧民救済もして、うちもただで勉強できるし」

「そういうことだよ。ああいう方が聖女なのだろう」

皇居に到着したエレナが儀典馬車から降りると、常駐していた皇居近衛隊員たちが節制された動作で剣を持ち上げ歓迎式を行った。

「やめてほしいと、あんなにお願いしたのですが」

エレナは困惑しているようにつぶやいた。

盛大な歓迎式はシアンの仕業だ。

以前もそうだったが、エレナが皇居の招待を受けて訪問する時は必ずこうだった。

「殿下は本宮の庭園にいらっしゃいます」

フィギンが先頭に立って案内する。

行列のために離れていたヒュレルバードがいつの間にか現れ、エレナの後ろを守った。

 



 

本宮庭園はエレナが皇居の中で良い思い出として記憶する数少ない場所。

今は故人になってしまったリチャード皇帝が寂しさに苦しんでいたエレナをたびたび呼んでお茶を飲みながら慰めてくれたためだ。

「いらっしゃいましたか」

庭の入り口に着くと、エレナを迎えたのは見慣れた顔だった。

「ザカリンさん」

エレナは彼と向き合った顔をして明るくなる。

エレナの紹介でシアンの側近になったザカリンは彼の助言者として活躍していた。

エレナの支援を受けて建てた学校の校長も兼ねて教壇にも立つので、最近会うのが大変だ。

「いつも話は聞き伝えています。大きな功を立てたんですって?」

「功だなんて、とんでもないです。ただ殿下を手伝っただけです」

「相変わらず謙遜ですね。入ってみましょう。お待ちしております」

エレナは軽い黙礼で答えを出し、庭に足を踏み入れた。

皇居後苑は皇族や招待された人だけが出入りできるため、ヒュレルバードはザカリンと入り口に残る。

それほど大きくない小さな規模だった。

そのためだろうか、もっと暖かい感じを与える。

庭の真ん中に着くと、シアンが待っていた。

「来たね」

「皇太子殿下にお目にかかります」

シアンはかすかな笑みを浮かべ、立ち上がって椅子を取り出した。

「座ろう」

テーブルを挟んで向かい合って座ると、シアンがエレナのティーカップに滝れたばかりの紅茶を注いだ。

その姿から優れた茶道の実力を窺うことができる。

「あなたには及場ないが、自分でもてなしたくて練習した」

「練習ですか?」

「うん」

シアンがかすかな笑みを浮かべた。

体が二つでも足りないほど忙しい時局だったが、エレナをもてなすために睡眠まで減らしながら茶道を練習していた時間は、彼にとって人生の活力であり幸せだった。

驚いた表情をしていたエレナがティーカップを持ち上げて唇に運ぶ。

エレナは見た目以上に深い風味に感心した。

「お口に合うかな?」

「香りも、味も素晴らしいです」

「よかった」

シアンがまた微笑む。

無表情だった彼が、こんなによく笑ったことがあるだろうか。

エレナはぎこちなくもその笑顔が嫌いではなく、目を離すことができなかった。

そのような視線を感じたのか、シアンが問い返した。

「どうしてそんなふうに見るんだ?」

「殿下が笑う姿が見慣れないからです」

エレナの率直な答えにティーカップを持っていたシアンの手が止まる。

「そんな気がした。父は私が職務と責任に苦しみ、笑うこともできずに生きることを望んでいなかっただろうと」

「陛下といえば、きっとそうされたのでしょう。誰よりも殿下を愛していましたから」

そこな言葉がある。

愛の終わりは犠牲だと。

エレナはその言葉を深く理解した。

シアンがさらに濃くなった笑みを浮かべながら紅茶を吟味した。

「それで、あなたが見るにはどうなの?笑うのがぎこちないのかな?」

「いいえ、いい感じです」

エレナは思わずくすくす笑ってしまった。

誰もやり遂げられなかった、怪物のようなフランチェ大公を殺して皇権を強化することに成功したシアンが、そんな心配をするということ自体が似合わないからだ。

「レンは来られないって。あ、訂正するよ。レン伯爵に」

正式に家門を相続して伯爵になったレンも、目が回るほど忙しい時間を過ごしている。

久しぶりにシアンが席を用意したので、顔を見ることができるかと期待したが、内心残念だった。

「処理することが多いようですね」

「今日は必ず行くべきところがあるそうだ」

「あ・・・」

エレナは何か思い当たることがあるかどうかうなずきながら茶碗を口に持っていった。

エレナとシアンに劣らず、フランチェ大公を憎悪するレンであるため、正式に爵位を世襲し、家門を収拾した今になって、あの方に会うことができたようだ。

紅茶が冷めたら再び温めることを数回、久しぶりに会ったシアンとエレナは長い時間談話を交わした。

その中には、逆謀を鎮圧するのに赫々たる功績を立てたエレナの褒賞の話も。

「勲章は受けるが、領地と爵位は遠慮する?」

「はい、殿下」

「帝国で準男爵は形式的な名誉の地位に過ぎない。法では貴族だが、貴族社会では貴族待遇を受けられない中途半端な位置だ。それでも大丈夫ということか?」

「だから準男爵が好きなのです。貴族と平民のどちらにも入り込めないということは、つまりどこにでも入り込めるということじゃないですか」

「あなたは本当に・・・・」

シアンは言葉を濁してため息をつく。

彼女の持っている雄心を知っているので、これ以上勧めることができなかった。

「君の意志がそうだから、これ以上強要しない。けれど、何も受け取らないなんて、残念な気持ちになるのも事実だ」

「すみません」

「これは申し訳ないことではない。宿題だと思っている。君のためにできることを探してみろと」

シアンが紅茶を吟味した。

早くもエレナのためにしてあげたい何かが頭の中に浮かんだ。

「ああ、殿下、一つお願いがございます」

「言ってみて」

「謀反の鎮圧に赫々たる功績を立てたヒュレルバード卿を称えてほしいです」

決戦の日、大公家の騎士たちから不名誉な騎士と悪口を言われたヒュレルバードを見て、エレナは胸を痛めた。

ヒュレルバードは、「後悔はない」とし、「再び戻るとしても、エレナに従っただろう」と言ったが、前世で「帝国の三剣」と呼ばれた彼が、そのような扱いを受けるのが気になったのだ。

だからこそ、功労を認められ、彼の不名誉を晴らしてあげたかった。

 



 

「君が言わなくてもそうするところだった。ヒュレルバード卿には勲章と男爵の爵位、そして領地が与えられるだろう。また、帝国の騎士という称号を与え、彼の不名誉を晴らしてやる」

「殿下・・・」

エレナは感動したかのように頭を下げる。

シアンは彼女が思っていた以上に気を使ったことが分かった

「また、ヒュレルバード卿が応じれば、彼に皇宮近衛隊の団長を任せるつもりだ」

「だ、団長を?」

「騎士が備えるべきすべての条件を備えた人物の彼が引き受けてくれるなら、皇宮近衛隊はさらに強くなるだろう。もちろん、ヒュレルバード卿が許すという前提だが」

エレナは自分が爵位を貰うよりも喜んだ。

自分によって失墜した騎士の名誉を取り戻すことができるからだ。

自分に会って、ずれてしまった彼の名誉と人生を元の場所に戻すことが.できたことに安堵した。

「明日出発するって?」

「はい、北部にいる両親を訪ねるつもりです」

「お迎えするのかな?」

「そのつもりです」

消息を知っていながらも、これまでお伺いする考えがなかった。

大公家を破滅させることができない限り、両親まで危険に陥れるかもしれないふりをした。

やっと心の荷物を下ろしてお二人に会えるようになったのだ。

シアンは一緒に行けないから残念そうな顔をする。

「首都に来たら必ず皇居に連れて来て。あなたのご両親なら私にもご両親だよ」

アンナはシアンの好意に感謝し、理解を求めた。

「殿下、これで失礼します。立ち寄る所がありまして」

「久しぶりの出会いだったので、時間が経つのも忘れて騒いだね」

「私もです」

エレナはスカートの裾を持ち上げて別れを告げた。

ここから北方は遠い。

距離を考えると、かなり長い間見られない可能性が高かった。

「ベロニカの処刑式はあなたが来た後に進行することにしよう」

これまで皇居監獄に入れられたベロニカをエレナは一度も探さなかった。

存在もしなかった彼女の過去の人生のように、誰も探さず、助けてくれないそんな漠然とした気持ちの中で絶望を感じてみろと。

その卑怯な苦痛はエレナが下す刑罰だった。

「ご配慮ありがとうございます、殿下。この辺で失礼します」

「体に気をつけて」

エレナは背を向け、礼法の教科書と言えるほどの優雅な歩き方で庭を出た。

シアンは遠ざかるエレナの後ろ姿が覗野の外に消えてからも、長い間目を離すことができなかった。

 



 

戦いが終わった後の平穏。

シアンはエレナを皇后として迎えるつもりはあるのでしょうか?

ヒュレルバードが団長を引き受けるのかも気になります。

ようやく両親と再会できるエレナ。

再会が待ち遠しいですね!

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