こんにちは、ピッコです。
「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。
今回は49話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
49話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 中級侍女
シアナは服を着替える。
中級侍女の制服だ。
(確かに下級侍女の制服より綺麗ね)
色の細かい濃い緑色の服は、春の新芽のように爽やかな感じがした。
その一方で材質がはるかに高級で一層優雅に見える。
「気に入った」
シアナはへらへら笑って部屋を出た。
部屋の外にはアリスとニニ、ナナがわいわい騒いで待っていた。
三人はシアナを見て、きゃっ、と声と声を張り上げた。
「きれい、シアナ!」
アリスのほめ言葉に二二とナナもうなずく。
「シアナ様は顔が白いので、まるで緑色の葉っぱの間に、ふさふさとした桃一粒がぶら下がっているようです」
「噛み締めてあげたいほど可愛くて愛しい」
「・・・」
二二とナナは中級侍女に昇級が決定された以後、シアナを「シアナ様」と呼び命を救ってくれた恩人のように接していた。
シアナが何度もそうするなと言っても、彼女たちの行動は変わらない。
シアナはぎこちなく二二とナナに向かって言った。
「二ニとナナも新しい制服がとてもよく似合いますね」
ニニとナナもシアナと同じ濃い緑色の制服を着ていた。
二人は感動した顔で叫んだ。
「シアナ様のおかげです!」
「聖なるシアナ様!」
シアナも2人について笑った。
今日は正式に中級侍女になった意味深い日だ。
しかし、シアナと二二とナナは、余裕を持って感興に酔う暇がなかった。
昇級試験に合格した中級の侍女たちは、3週間教育を受けるからだ。
3人も教育に参加しなければならなかった。
シアナは眉をひそめ、アリスを見る。
「本当に大丈夫ですか?」
ルビ一宮の3人の侍女が一度に教育を受けるようになったせいで、アリスは一人になってしまう。
シアナの心配そうな顔と違ってアリスは平気な顔で話した。
「大丈夫だって」
もちろん、アリスは3週間、3人の侍女と離れて過ごすという事実が嬉しくなかった。
しかし、「以前のように嫌だ」と言って、苛立ちはしなかった。
(そしたら、シアナが困っていることを知っているから)
そして一人でルビ一宮にぽつんと残されたわけでもなかった。
3人の侍女が教育に参加する間、アリスは皇太后宮で過ごすことにしたのだ。
皇太后の提案で。
もちろんアリスは最初は嫌がって断ったが、皇太后が素早く掲げた餌は強力だった。
[アリス、君が宮殿にいる間、毎日パーティーを開いてあげよう。大陸で最も有名なパティシエを招待して、毎日違うお菓子やケーキを作ってあげる。首都で最も有名なデザイナーも呼んで、きらめくドレスも合わせて、宝石商も呼んでアクセサリーも購入しよう]
幼い孫娘に振った餌というにはかなり世俗的だったが、甘いものと派手なものが好きなアリスにはぴったりだ。
アリスは邪悪な笑みを浮かべて言った。
「食べたいものは全部食べて、欲しいものは全部持つよ」
これを機に、おばあさんの財布を全部はたいてしまうという悪魔のような意志が感じられる言葉だ。
シアナはそれを非難する代わりに、くすくす笑いながら言った。
「是非そうしてください」
皇太后は喜ぶだろう。
幼い孫娘に何かしてあげたくてたまらなかった状態だったからだ。
シアナはアリスの小さな頭を撫でながら言った。
「では行ってきます、お姫様」
アリスはシアナを抱き締めながら小さな声でささやいた。
「うん。帰ってきたら二度と私の胸から離さない。永遠に」
依然としてロマンス小説に心酔しているアリスらしい台詞だった。
アリスを皇太后宮に預けて、シアナ、ニニとナナが向かったところは巨大なホールだった。
今年中級侍女に昇級した人たちが集まっている場所だ。
二二とナナは信じられない顔で話した。
「なんと。ここも中級の侍女、あそこも中級の侍女だよ」
「そして、あなたと私も中級の侍女で」
「最高だね」
「同感だよ」
上気した顔でくすくす笑う二人と違って、シアナは落ち着いて侍女たちを見ていた。
(確かに中級の侍女たちは雰囲気が違うんだね)
下級侍女からは感じられなかった聡明さと重みが感じられる。
その時、濃い緑色の制服を着た厳しい顔の女性が登場した。
集まっていた侍女たちは緊張した顔で腰をまっすぐ立てて女性を眺めた。
女性が口を開いた。
「皆に会えて嬉しいわ。私は中級者を管理する中級者の侍女長メーガンよ」
中級侍女長のメーガンは、ゆっくり侍女たちの顔を見ながら話を続けた。
「先に言っておきたいことがある。勘違いする者がいるかと思って言っておくが、君たちはまだ正式に中級の侍女になったわけではない」
中級の侍女試験に合格したが、それは基本的な能力に対する評価に過ぎなかった。
まだ最終的な検証が残っている。
「君たちは今後3週間、中級の侍女として教育を受けることになるだろう。その過程で中級侍女としての資質が疑われる点が発見されれば、再び下級侍女に降格されるわ」
知っていた事実だったので、侍女たちはみなたくましく答えた。
「はい、肝に銘じます」
中級の侍女長メーガンはうなずきながら話を続けた。
「みんな知っていると思うが、侍女たちの業務は徹底的に分かれている」
下の侍女は掃除や洗濯などの単純なことをする。
中級の侍女はそのような下級の侍女を管理し、宮が円滑に帰れるようにする。
上級侍女は主人の一番近い所で世話をする。
(私は侍女が一人だけのルビ一宮にいたので、あの三つを一度にやったんですが。特殊な場合だったのね)
侍女たちの後ろに立っているシアナはそう思って、続くメーガンの言葉に耳を傾けた。
「そして中級の侍女に必要な能力の一つは、下級の侍女たちをどれだけうまく扱えるかということだ。君たちにそのような能力があるか確認してみるつもりよ」
方法は簡単だ。
新しく昇級した中級侍女たちは皇居のあちこちに配置される。
洗濯室、調理室、修繕室、物品保管室など・・・。
そこで見習い侍女たちは下級侍女を管理し、業務を遂行することになる。
3週間、大きな問題なく仕事を終えたら、本当に中級の侍女になるだろう。
い家柄の侍女も下級侍女に中級者になるまで何年もかかるが、シアナはわずか数ヶ月でそれをやり遂げたのだ。
珍しいケースだから噂にならないはずがない。
オームは10年以上の厨房の仕事のおかげで、でこぼこになった腕をうごめきながら言った。
「出身も悪いのに、こんなに早く中級の侍女になるなんて、明らかだ。あらゆる汚い術数を使ったんだろうね?でも、ここでもそのような小技が通用するという錯覚は捨てろ。私はまともに仕事ができない侍女は許さないから」
シアナの超高速昇進は、既存の侍女たちに憎しみが刺さったようだった。
それでシアナは素直にうなずく。
「はい」
シアナの平然とした返事にオームの顔がくしゃくしゃになった。
昇級したばかりの中級侍女は、実は下級侍女と大差ない。
年季の入った中級の侍女を見ると顔色を窺っておずおずと緊張したりした。
ところが、シアナは全くそのような気配を見せなかった。
(豆くらいの大きさが生意気には。やはり聞いていた通りだ)。
見た目はとてもおとなしいが、中には尻尾が9つついたキツネが入っていると。
オウムが荒々しく言った。
「これからあなたは厨房の食材管理室で働くことになるよ。ちゃんと仕事ができなければ、中級の侍女長に全部言うから、そう思って」
シアナは台所の状況を全く知らなかった。
配置されたばかりの所だったのだから当然だ。
そのため、簡単に仕事をするためには、オームの助けが必要だった。
(けれど、あの姿を見ると、全く助けてくれる気配がないね)
シアナはオームに助けを求めるのをすぐに諦める。
それほど心配ではなかった。
(食材管理室で働く下級侍女たちに聞けばいいksら)
しかし、しばらくして、シアナはそれも容易ではないことに気づく。
「お会いできて嬉しいです。今日から食材管理室で一緒に働くことになったシアナです」
「・・・」
しかし、シアナの気さくな挨拶に下級侍女の誰も反応しなかった。
ただ冷たい目でシアナを見つめるだけだ。
シアナは微笑んだ顔で考える。
(一体これはどういう状況なんだろう?)
侍女たちの序列は厳しかった。
中級の侍女が「うんちをしたジャム」と言うと、下級の侍女は「ジャムが本当においしそうですね」と笑わなければならないほとだ。
(そんな下級侍女が中級侍女にこんなに堂々と敵意を表わす?)
いくらシアナが超高速昇進をして憎たらしくなったとしても容易に理解することができないない状況だった。
間もなくシアナは理由が分かった。
下級侍女たちの間にいる見慣れた顔を発見したからだ。
シアナは大きな目でつぶやく。
「ジャンヌ?」
その瞬間、ジャンヌの口元が激しく上がった。
見習いの侍女だった頃、シアナをうんざりするほど苦しめた頃のように。
正式な中級侍女になるための研修期間。
シアナなら問題ないと思っていましたが、道のりは険しそうですね・・・。
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