こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
今回は55話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
55話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 赤ちゃん画家②
その翌日、ミハイルは何か様子をうかがうように私に絵を描いてくれとせがんではいない。
あいつの前で絵を描く姿を見せてはいけないと本を読んだ。
すると、傍に座って一緒に本を読んでくれた。
合間合間に私が普段苦手な発音を2回ずつ読んであげる無駄な親切も発揮して。
そうして、なぜかいつもと違って、姉と兄が来る前に勉強が残っていると言って部屋を出た。
何かあったのかな?
確かに、レベンティス大公がコテージで一緒に生活しているので、家族だけの時間が必要なのかもしれない。
しかし、わずか数十分が過ぎる前に、私はミハイルが逃げたことに気づいた。
(いったい何の噂を立てたんだ・・・)
ダミアンお兄ちゃんがすごく心配そうな顔で私に近づいてきてささやいたから。
「アナスタシア、何を描いたのかみんな分かってくれなくて悲しかった?」
「うん?」
そんなことなかったのに。
私が絵が下手だということくらい、今更のようなこともなかったし。
「ミハイルがすまないと言ってたよ」
あの子は・・・勝手に膨らませて話を兄に伝えたに違いない。
ダミアン兄さんは最近、勉強量を増やしていて、そうじゃなくても忙しいのに。
毎日のんびりと昼間から遊ぶミハイルとは違うんだよ。
私は訳もなく心の中でぶつぶつ言った。
お兄さんが一緒に遊びに来たこと自体は良かったけど。
「それでラウレンシアと一緒に絵を描く時間を持とうとしたが、ぐっすり眠っていて起こすことができなかった」
それは理解できたり。
お姉さんはまだ訓練が身についてなくて、めっきり寝付いてる状態だったから。
「ララ、シャシャと遊びたいのにすごく眠い」
「それでは訓練時間を少し減らしても大丈夫だ」
「いや!それは違う、ララ、頑張って立派な騎士さんにならなければならないから!」
「じやあ、アナスタシアと遊ぶのは大変なんだけど?」
「我慢できる!立派な人になるためには嫌なこともしなければならないと言った。
つい昨日の夜のことだ。
私のお姉さんが急に大きくなったみたいで、ちょっとそわそわした感じもしたけど。
お姉さんは私にも我慢させるようですまない顔だったが。
幼い姉もじっと我慢するが、私は当然大丈夫だった。
実は一人で遊ぶのは癖になったりもしたし。
私の人生のほとんとが一人だけの時間だったから。
そのように姉のことを考えると、小さな笑い声とともに兄の指の節が私の頬にそっと触れる。
「うちのアナスタシアは本当にラウレンシアが好きなんだね」
すると、すまなさそうな言い方で私に言った。
「お兄さんがアナスタシアと一緒に絵を描こうとしてるんだけど、お姉さんがいなかったら惜しいかな?」
「違うよ!」
私はその言葉を即座に否定する。
もちろん姉と兄の両方があるのが一番良いが、特に姉だけが好きだったり、そういうわけでもなかった。
私はお兄ちゃんもとても好きだよ。
その上、勉強するのに忙しい兄が時間を割いてくれたが、それだけでも十分に心が温かくなった。
「本当?お兄ちゃんとだけ遊んでいいの?」
「うん。ジョア」
もう一度確認するように話すと、お兄さんが嬉しそうに私の頬をトントンとたたいた
なんだか恥ずかしくなる目つき。
とても大切なものを見るようにしているから。
こんな時、本当にお父さんに似ていると思う。
お父さんが家族を見る時と似たような目をしていて。
お兄さんは少し長く私を眺めて、ゆったりと紙と色鉗筆を取り出した。
「握る時、こうやって握るといい。ぎこちないと思うけど」
兄は色鉛筆を持つ姿勢からゆっくり教えてくれた。
最初の人生から徹底した詰め込み教育で体得した状態だったが、私は黙ってその優しさを満喫する。
これは間違った行動だろうか?
それでもあなたが一つ一つ教えてあげようとするのに、断れないわけないでしょう。
しかも、普通の赤ちゃんは鉛筆の持ち方など知らないのが正常だ。
私はそのように合理化して兄と一緒に絵の練習を始めた。
「アナスタシア、何が描きたいんだい」
「う~ん。グル~ん?」
頭の中で素早く描きやすいものを探して話した。
難しいことを言って、あまりにも下手すぎて兄を傷心に陥らせたくなかった。
誠実で優しいお兄さんは、どうすれば私がもっとうまく描けるか色々な方法をまた悩むから。
「雲が好き?」
「・・・うん」
いくら下手な私だとしても雲はただくねくねと描くだけだから、雲のように見えるように描くことができるはず。
花だけでもちょっと大変なのに。
それさえも描けるのが花びら5枚付いた基本形程度だが、それも他の人が落書きで描いたものほどではなかった。
私は、色鉗筆であれクレヨンであれ、どんな道具を握っても、飛び出るように塗るオ能があった。
(私の手の筋肉の繊細さは、武器を扱うのに最適化されているに違いない)
武器は握れば自分の体のように動けるのに、むしろもっと早く握った筆記具はなぜこのような形なのだろうか。
私がしばらく嘆いている間、兄は青色と空色の鉛筆を手に取った。
「何色で雲を描きたい?」
「これ」
私が空色を選ぶと、なぜか兄が手をたたいた。
「アナスタシア、色選びがすごく上手だね?」
目に見える通りに色をよく選んだと褒められるとは思わなかった。
「最初はお兄ちゃんが一緒に手をつないで描いてあげようと思うんだけど、それでもいいの?」
「うん」
すると兄は紙の上に雲の形をゆっくりと私の手を取って描き始めた。
<ねくねと簡単な形の雲が描かれる。
「雲みたいに見える?」
「うん、グルミ」
「じゃあアナスタシア一人でもやってみようか?」
「うん!」
私は自信を持って答えた。
雲ぐらいは私ぐらいでもいくらでも描けるだろう。
直線を引こうとしてもくねくねと描かれるので、むしろこのように曲がりくねった方が容易だろうという考えだ。
でも・・・。
(いったい私の手はどうなってしまったの?)
くねくねと描くだけでいいのに、めちゃくちゃにくねくねしている。
それでももっと恥ずかしいのは。
「わぁ、アナスタシア上手だね」
ねじれた糸のようなものを見て、兄が誉めているという事実。
いや、あなただけじゃなくて。
「本当にうちのお嬢さん、雲もお上手ですごいです!」
「窓の外に見える空とお嬢さんが描いた絵と、何が本物なのかわかりません!」
女中たちまで昨日の過ちを挽回するかのように話していたので、さらに恥ずかしくなった。
穴を探したくなるから、やめて・・・。
しかも弱り目に祟り目で。
「アナスタシア、じゃあ今度はお兄ちゃんを描いてみようか?」
兄が私に要請事項を言うことまでした。
それもすごく期待に満ちた目で。
(私は・・・。お兄さんがこうしたら、断れないんだけど)
どうしても私に友愛にひびが入る行動をしてほしいとは・・・。
だが、実はこの頼みの結末は決まっているも同然だった。
私があなたの頼みを断れるはずがなかったし。
「アナスタシア、あなたが描いてくれたの?」
やっとのことでつぶれた円の上に丸と棒をいくつか描いたのを見て・・・それなりに渾身の力を尽くした。
お兄さんが喜んだ。
そして私が兄を描いた肖像画、いいや抽象画はすぐに邸宅内に広がっていく。
「お嬢さん、私にも描いてください!」
2千年間積もった私の絵の実力を不本意に表すようになった。
色違いの抽象画に喜ぶ人々を見て、恥ずかしさはもっぱら私の役目だった。
ダミアンに絵を描いたことで、他のみんなも要請するのは目に浮かびますね。
ミハイルの絵も描くことになるのでしょうか?