政略結婚なのにどうして執着するのですか?

政略結婚なのにどうして執着するのですか?【56話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。

今回は56をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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56話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 最初の復讐

翌日の午前。

「まさかと思ったら、本当にそこに行っていたんだ」

ナディアと一緒に帰ってきた子龍を発見した瞬間、不機嫌な表情のグレンが一番先に吐いた
言葉だ。

「予想していましたか?」

「当然、この家の中から見えないから、どこかへ出たという意味だろう。それは高い確率で君のそばであろうと」

それを予想しながらも、再び公爵が戻らなかったのは賢い奴だから、自分で姿を隠すという信頼があったためだ。

流暢に人の話をしながらも、その事実をナディアの前では隠すほど利口なやつだから。

グレンは細目で憎らしい竜をちらりと見ていると変なところに気づいた。

それは龍が何かを噛んでいるということだ。

「ちょっと、こいつ今何をかんでいるんだ?」

「ああ、私が来る途中に買ってあげたジャーキーです」

「何?勝手についてきた罰で、領地に帰るまでおやつはあげないことにしたじゃないか」

「あ、それはそうだけど・・・」

ナディアは照れくさそうに笑いながら答える。

「ノアが私がたくさん助けてくれたんです。その功労でおやつ禁止令は取り消すことにしました」

「キルッ!」

「・・・」

話が終わるやいなやノアが意気揚々とした表情をして見せた。

爬虫類があんなに表情豊かになれるということに感嘆するばかりだ。

意気揚々とした姿が少しいらいらしたが、それを問い詰めている時ではなかった。

ナディアが言った内容の中で、そのまま見過ごせない部分があったためだ。

「助けてくれた?あいつが君を?一体公爵邸で何があった・・・」

「まあ、それがですね」

ナディアは公爵の下で起こったことを大まかに要約して彼に話す。

うまくいったという結論に反して、話を聞くグレンの表情は次第に驚愕に染まっていった。

「やっばり、君をそこに置いてくるのではなかった。私のせいだよ。二度とそんなことがないようにする」

「結果的にもっとうまくいったからいいでしょう」

「これからあの姦悪な女とは言葉を交わさないで。最初から絡まない方がいいね。今日のようなことがまた起こらないという保障はないじゃないか」

「まあ、それは困ります」

ナディアにはまだ妹のために知らせる事実がある。

カレインに必ず反剪する必要がある事実が。

ナディアが婉曲に拒絶の意思を明らかにすると、グレンの表情が心配そうに変わった。

「彼女にまた会うって?もう一度考えてみたらどう?」

「ちょっと話をしようとしているだけなので、心配しないでください」

今回のことで、カレインは父親の信頼を完全に失ったが、それだけだ。

腹違いの妹の命を奪うのはバラジットを完全に崩した後になってこそ可能なことだろう。

しかし、その日が来るまで・・・生きても生きるものではないようにすることはできる。

(あの子もそろそろ知る時になったね)

むしろ知らなかった方がよかった真実を。

ナディアは窓の外を見ながらかすかに笑う。

 



 

バラジット家の嫡女カレインは、1年間ヨハネス修道院で修行をすることになった。

信実な貴族の家の令嬢たちがたびたびすることだ。

普段、彼女の性格を知っていた人たちは首をかしげたが、ほとんど深く考えなかった。

急に物心ついたかもしれないんじゃない?

父親の憎しみを買ったカレインが罰を受けているという内幕を知っている人はきわめて少なかった。

そして、その内幕を知っている人の一人であるナディアは、妹を見送るために城門に向かう途中だった。

「お父さんが頭をよく使いましたね」

結婚適齢期の貴族の令嬢に修道院で修行した経験があるということは得なら得であって、実はそうではなかった。

カレインに罰を与えながらも、政略結婚相手としての価値を上げる。

ちょうど父が考え出すような話だ。

城壁の東門には小さな馬車が小さな随行員たちと一緒に出発を待っていた。

まず、ナディアを調べた公爵家の随行人たちが彼女に向かって挨拶する。

「ナディアお嬢さん?どうしたんですか?」

「私の一人だけの妹が修道院に行くと聞いて。ちょっと話ができるように席を外してくれる?」

「それは・・・」

随行員たちがお互いの顔色をうかがう。

カレインが腹違いの姉を嫌っているというのは公然の事実だ。

機嫌が悪そうなカレインにナディアを送るのは正しいことなのだろうか?

しかし、妹に挨拶をしたいと言っているのだから、断ることはできない。

そのうえ、相手は侯爵夫人であり、公爵令嬢だった。

結局、彼らは「短く終わらせてほしい」という頼みを残して、席を外すしかなかった。

「ありがとう。ちょっとの間だけだから」

ナディアはにっこり笑って妹のいる馬車に近づく。

開いた馬車の窓の中に、青白い顔の妹が見える。

ショックが大きいようで彼女はナディアが近づくまで姉の存在に気づくこともできなかった。

ナディアは自分の訪問を知らせるために口を開いた。

「こんにちは、カレイン」

その時になってようやくカレインの瞳に焦点が回ってくる。

彼女はぼんやりと目を瞬かせながら口を開いた。

「ナ・・・ディア?こ、ここにはどうしたの?」

「あなたが修道院に行くと言ったから。挨拶に来ないわけにはいかないわ。修道院だなんて、本当に感心な思いをしたね」

「・・・」

事情をすべて知っている人がそのようなことを言うことほど腹が立つことがまたないものだ。

空虚だった彼女の瞳の中に火花が散る。

カレンは歯ぎしりをして言った。

「今回のことで君が勝ったと思うな。私は公爵家の唯一の嫡出だ。お父さんが私を追い払えると思う?あなたのように半分の貴族とは・・・」

「唯一の摘出?面白いことを言ってるね。あなた、実の娘じゃないじゃん」

「・・・」

カレインの言葉が詰まる瞬間だった。

とんでもない嘘だ。

耳をすまして聞く理由もない。

だからすぐに消えろと大声で叫はなければならないのに、妙に声が出なかった。

いや、大声を出すどころか、息をすることさえ難しかった。

肺に水がいっぱいになるような気がする。

しばらくの間、口だけばちばちしていたカレインが、やっと蚊ほどの声を出した。

「何を・・・うわごとを・・・」

「どうして話にならないと思うの?あなた、お父さんがなぜエイデンお兄様に爵位を譲ろうとするのか、真剣に考えてみた?嫡女がいるなら婿養子になればいいのに。いや、それ以前にお父さんがなぜ再婚しないのか不思議に思ったことはないの?」

「お父さんは・・・私の母をずっと恋しがっていたから」

「プッ!」

ナディアは失笑してしまった。

妹の返事があまりにもおかしくて、また可哀想で・・・笑いをこらえることができなかった。

「ハハハハ!」

彼女は馬車に頭をもたげたまま、長い間笑った。

普段のカレインなら、ここら辺でもう笑うな、と叫んでいるはずなのに、まだ何の反応もない。

本当は本人もうっすらと不安がっていたのだろう。

笑いすぎて涙が溜まりそうだ。

目の周りの水気を拭き取ったナディアは頭を上げて言った。

「自分で言っても話にならないと思うだろう?うちの父が、いや、公爵がそんなにロマンチックな人なの?」

「黙れ」

「以前、主治医との会話を盗み聞きしたことがあるんだ。彼は後継が持てない身だ。女性を妊娠させることができないと。ところで、どうして私たちがその人の実子であることができるの?」

「黙れと言っただろう!」

バン!バン!

カレインが威嚇するように窓枠を拳で叩きながら叫んだ。

もちろん、ナディアが妹の話を素直に聞いてくれるはずがなかった。

彼女はまるで歌を歌うように楽しく話を続けた。

「あの男は昔から甥っ子たちの話なら、死んだじゃないか。甥っ子たちは大事にしておきながら、いざ実の子たちは冷遇するなんて、おかしいと思わなかった?」

「それは、エイデンお兄様は男性だから!父は息子をずっと望んでいた。だからエイデンお兄様を特別に大事にするしかない!」

「エイデンお兄様だけの話ではないということを知っているじゃないか。私たちにいとこが一人か二人いるの?」

「じゃあ、お父さんがお母さんの浮気を知っていながら黙認したというの?プライドの高い方が?」

「プライドの高い人だから問題視しなかったんだ。奥さんの不正を暴くためには、本人が成仏具だということから知らせなければならない」

「うそ・・・」

「普通の男性に見られたかったのだろう。貴族の男性なら、妾から授かった私生児が一人ぐらいいるはずだから、私の存在も黙認したのだ。ちょうど私たち二人とも娘だったじゃん。政略結婚に利用して他の家門と結婚させてしまえば、バラジットの血筋を汚すこともない。あの人が君をとっくに殺さなかった理由はそれだけという」

「・・・」

その頃には、カレインの顔は紙よりも白くなっていた。

脳全体が真っ白になるようだ。

くらくらする渦中にも頭の中をよぎる過去の対話があった。

おそらく、死んだ母親の追悼式の時に間いた対話だったのだろう。

『公爵様は結局再婚はしないつもりのようですね』

『そうだね。まだ若いので、他の女性から十分に跡継ぎを見ることができるはずだが・・・』

『甥を後継にするつもりでしょうか?それとも、カレインちゃんと婿を結婚させるつもりかな?』

『公爵様のお嬢様お二人様です。あ、似てないんじゃないですか?少しも家族のようには見えません。お父さんの方の血が全然飛んでないように』

『まさか再婚をしない理由は・・・いや、私が何を言っているのか。亡くなった公爵夫人を称えるためでしょう』

 



 

あの日、カレインはあえて妄言を吐いた客を追い出すことができなかった。

騒ぎを起こしたら、自分がなぜそのような行動をしたのか、どんな対話を聞いたのかを明らかにしなければならないためだ。

突然、公爵の玄関に掲げられた一家の肖像画が思い浮かんだ。

お父さんとお母さん、そして幼い自分の姿が描かれた肖像画。

その絵の中の父は・・・一人だけかけ離れた格好だった。

まるで家族ではないかのように。

「・・・」

焦点が消えた瞳のカレインが上半身を揺らす。

肘が窓枠の上に強くぶつかったが、痛みは感じられなかった。

「実は、あなたもぼんやりと見当をつけていたんだろう?」

「ふぅ、うぅ・・・」

「その事実を認めたくなくて私のせいにしたじゃないか。父があなたを愛していない理由は、私が父の関心を奪っていったからだと。私がいなければ、唯一の娘になったら、その人があなたの面倒を見てくれると思った?」

ナディアの冷たい視線が倒れたカレインを見る。

今にも壊れそうな危険な姿だったが、かわいそうだとは思わなかった。

彼女のせいで自分の子供時代は地獄同然だったから。

愛情不足の子供の腹いせの対象にならなければならなかったのは、まさにナディアだった。

「私が生まれていなくても、父があなたを大事にしてくれるようなことは、決して起こらないだろう。そもそも実の子じゃないから。政略結婚に使うために育てておいた道具に過ぎない」

「・・・」

「だからカレイン、修道院でゆっくり考えてみて。私の話が間違っているかどうか。これから時間はたくさんあるんじゃない?」

「・・・」

カレインはついに頭を上げなかった。

しかし、ナディアは今この瞬間自分が私の吐いた一言一言が彼女の脳裏に刻まれていることが分かった。

「元気でね。時間があれば修道院でのあなたの姿を見に行くよ。一滴の血も混じっていないでも、私たちは姉妹で育ったじゃないか?」

ナディアはいつかカレインが自分に言った言葉をそのまま返しながら足を向けた。

ここに訪ねてきた目的を成し遂げたので、これ以上留まる理由はなかった。

(もう残りの時間ずっと自分の存在を疑って嫌悪しながら絶望の中で生きることになるだろう)

死を迎える前までずっと苦しみながら生きていくこと。

それがナディアが敵に与える刑罰。

なぜなら・・・。

(実は私もはっきりとは分からないんだ)

もちろん、完全にでっち上げられた言葉ではなかった。

いろいろな状況を組み合わせて推論しただけ。

心証だけあって物証はない状態というか?

医者との会話を盗み聞きしたというのも嘘だ。

父親がそんな会話を娘にこぼすはずがない。

「たとえ事実ではないと言ってもいい」

敵を相手にするのにあえて真実だけを利用しなければならないわけではないから。

もしカレインが父の実の娘だったら・・・それはそれでナディアにとって嬉しいことになるだろう。

実の子でありながら、一生自分自身を疑って生きていかなけれはならないなんて。

「なんと、可哀想なんだ」

しばらく足を止めたナディアは、ちらっと後ろを振り返った。

カレインが乗っている馬車がいつの間にか遠ざかっていた。

都を出る馬車を眺めながら、ナディアは大笑いする。

 



 

とりあえずカレインへの復讐はひと段落つきましたね。

次に再会したときの彼女の状態が気になります。

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