こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
204話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ちび王子様の夏⑬
しばらくして、ダニルのお父さんが今回の件でダニルを叱らないと約束し、私と何度も指切りをした後、みんなで子供たちが待っている場所に向かった。
不思議だ。
先ほど出てきたときはとても暗くて複雑に感じた場所が、今はとても単純な道に見えた。
突然、私は父の手を放し、前に走り出して、地下の洞窟の入り口近くに急いで駆け寄った。
「・・・フォ、フォ!」
「今だ!」
あれ?外の風景に一瞬驚いた。
どうしてみんなここに集まっているのか分からなかった。
さっきの素晴らしい大きな鳥はもちろん、私が探しに行ったあの糞坊主のアライグマ、そしてマルガモおじさんまでみんなが揃っているのだろうか?
糞坊主のアライグマは私を見て身体全体で喜びを表していた。
歯を食いしばり腕を振り回した。
一方で、恐ろしいマルガモおじさんは怒りの表情で額にしわを寄せていた。
しかし、それは私に対する怒りではなく、もともと怒っていたように見える。
ユリが私に向かって叫んだ。
「アルリョサ、豚アライグマのやつがマルガモおじさんを連れてきた!」
「ポ、ポ!」
「静かにしろ、豚アライグマのやつ!これも全部お前のせいだ、マルガモおじさんを連れてくるなんて・・・」
「何度そう呼ぶなと言ったらわかるんだ!全く、誰がイバンの子供じゃないか・・・!」
マルガモおじさんが大声を上げた。
どれほど危険な気配があったのか、ユリが再びそのニックネームを口にすれば、腰に手を当てたまま、ユリのお尻を強く叩きそうな勢いだった。
それにしても、豚アライグマのやつ、マルガモおじさんを連れてきたのか?
二人は知り合いだったのか?
「でも、ダニルはどこにいるの?」
「そこに隠れちゃった。さっきマルガモおじさんが来て・・・」
ユリがぎこちない表情を浮かべた時点で、すでに手遅れだった。
マルガモおじさんは静かに剣を抜き、さらに威圧感を増した低い声でうなるように言った。
「少しだけ静かにして・・・」
「おお、マルガモ、尻尾までお前も来てたのか?」
後ろについてきた叔父さんが驚いたように半ば呆れながら叫んだ。
少し後、マルガモおじさんは叔父さんのところへ走り寄っていった。
父とダニルのお父さんは子供のように動揺していた二人を振り返りもせず、じっと立っていた。
「グルルル・・・」
母が現れるや否や、さっきまで威圧的で恐ろしげだった龍は急に身を縮めて縮こまった。
私は恐怖で声が出なかったが、母はむしろ、その様子が見たかったのか、いつもと変わらぬ様子でただ不明瞭な声を漏らしていた。
それでも大胆にも近づいて、手のひらで龍の背を軽く叩くところまでしたのだ!
そんなことをしても、龍はうろうろするだけで、それ以上何もせずじっとしていた。
奇妙だったのは龍だけではなかった。
ブタのようなネズミと大きな鳥もなんだか変だ。
そもそもこれらの連中がすべて大人たちと知り合いであるのは明らかだったが、特に母上と何か関係があるのは間違いなかった。
ブタのようなネズミがしきりに私を指差しながら母上に何かを自慢げに話しているように見えたからだ。
私はまず、ダニルを探すことにした。
ユリが話していた隠れ場所を見ても見当たらなかった。
一体どこに隠れたのだろう?
「ダニル、どこにいるの?」
「ここだよ・・・」
小さな声が聞こえた方に近づいていくと、私は思わず言葉を失った。
ダニルは2つの岩の間に頭を押し込んで、うずくまっていたのだ。
「そこで何をしてるの?」
「・・・」
ダニルはそれ以上答えなかった。
いっそ初めから隠れたりせず堂々としていればよかったのに!
どうやら父親たちが来るなり慌ててここに隠れたようだ。
ただ、隠れ方が少し問題だった。
頭だけ隠したからといって見えないわけではないのだから。
私は母上がいる方に戻った。
ダニルの父親は、私がしていることをすべて見ていたようで、そのままダニルが隠れている場所に向かう。
ユリは心配そうな表情で私を見ていたが、なんとかなると思ったのだろう。
その間に、話を終えたらしい言葉遣いの荒いおじさんと口論を終えた叔父さんが、手を振りながらこちらにやって来た。
叔父さんはユリを見て、なぜそのような格好をしているのかと呆れたように溜息をつきつつ、肩をポンポンと叩きながらお腹を抱えて笑い始めた。
「もう、笑わないでくださいよ!これ全部あの言葉遣いの荒いおじさんのせいなんですから!」
腹を立てたユリが熱心に抗議を始めた。
言葉遣いの荒いおじさんは目を伏せて、まるで龍のように怒っているわけではなかったが、不満そうな顔をしていた。
私は父に向かって、「龍は父上と知り合いなの?」と尋ねた。
「いや、私はこんなやつ知らないけど。」
「グルルル・・・。」
「と言えるならいいけど、実はお前のお母さんの友達だ。」
私は自分の耳を疑った。
なんと、豚のようなヤマアラシと大きな鳥まで、みんなお母さんの友達だったのだ!
だから、元々仲が悪かったのに仕方なく仲良くなったということだ。
いまいち理解できず、頭の中が混乱していく。
私が知る限りでは、父と他の大人たちはもともと全員がパラディンだった。
では、この奴らは一体何者なのか?
父が私をじっと見つめながら、豚のようなヤマアラシはポポリと呼ばれる魔獣で、大きな鳥はグリフィンという魔獣だと教えてくれた。
魔獣とは魔物のようなものだという。
龍も魔物に属するのだと。
私はこれまで、魔物と言えば何か恐ろしい、無慈悲な怪物を想像していたが、この奴らはまったくそういう外見ではなかった。
頭の上で龍がグルグルと大きな鼻息を立てていた。
地tは私に龍と向き合わせるように言いながら、どこか説教をするような口調で言った。
「実は、この奴らはお前と兄弟も同然の存在だ。」
「どうしてですか?」
「お前の母さんと私が、この世話の焼ける奴らを大切に育てたからだ。」
あまりにも驚いて、口がぽかんと開いたまま龍を見上げると、龍は鼻を膨らませた。
「じゃあ、もしかして・・・今日は、この子たちが私たちを見つけに来たってこと?私が誰だか分かってたの?」
「もちろん分かってたさ。お前が母さんの中にいたときから見てたんだもの。」
なんと、生まれる前から私を知っていたなんて・・・驚きと感動で胸がいっぱいだ。
ユリも驚きの表情を隠せない様子だった。
この驚きの事実を早くダニルにも教えなければ・・・と思っていたが。
「無事終わったみたいだな。」
突然父が話を切り出し、そちらに目を向けると、ダニルのお父さんが「おかげさまで」と答えながら私に微笑んだ。
片方の腕でダニルを抱えながら、ダニルはその騒ぎを振り払おうとバタバタしつつも、何か欲しがっているように見えた。
私もユリもその場でぽかんと立ち尽くしてしまった。
帰り道、後ろを振り返ると、大きな体の龍がこちらを見守っているのが分かった。
なぜなら、ダジャレのような内容が腹の底からひっくり返るような感じで興奮を引き起こしたからだ。
今回は咳き込むこともなく、ただ深く息を吐きながら思いがけずうめき声を上げた。
今回出てきたのは、アガの白い大きな物体ではなく、もっと小さくてしっかりとした物体だった。
それが「チャラン」と音を立てながら床を転がり、最終的に足元で止まった。
みんなその物をじっと見つめながら声を飲み込んだ。
「これって君の時計じゃないの?」
素早く近づいて確認したユリがそれを振り返って、首を軽く縦に振った。
私が何か言おうとする前に、ダニルがそれを発見して竜に向かって怒鳴り始めた。
竜はただ大きく身震いするだけだったが、今回は私がそれを拾い上げてダニルに手渡した。
「無くしたものを見つけてくれたのに、なんで竜に怒るの!」
そう言うと、ユリが「それは正しい」と私の言葉に同意してくれた。
私たちが同時に叫び声をあげたことで、静かだった洞窟が非常に騒がしくなった。
片耳を掻きながら振り向いた父が体をねじったことで、もうこれ以上ダニルを見つけることはできなかった。
代わりに竜が見えた。
目をパチパチさせながら私を見つめている竜は、どこか困惑した表情をしている。
その頭上には気まずそうにグリフィンとポポリが乗っかっていて、少し疲れた様子をしていた。
父は私の背中を優しく掻きながら、やめるようにと頼んだ。
「どうも私はつい大袈裟に反応しすぎてしまうんだが・・・。でも、今になってみれば、君たちがこの子たちを助けたことを、この子たちもわかっているんじゃないか?」
まだ気持ちは収まらなかったが、やめることを約束した。
前を向くと、両手で耳を塞いでいた話好きな叔父さんが私に向かって微笑んでいた。
彼は突然、少し気分が良くなったようだった。
ユリが頭を叩かれた理由を理解した。
友達の喧嘩を止める代わりに、自分も加勢したという話だった。
そしてユリは、顔をこすりながら、どことなく複雑な笑みを浮かべている。
ダニルが自分よりも叱られている状況に安堵しているようだったからだ。
「・・・それを王子様に言うつもりか? お前がなくしたくせに、そんなことを言うのか?!」
「わ、アルリョシャにそんなこと・・・うわあ!ごめんなさい!」
おお、これほど素直に謝るとは驚きだ。
むしろ足を怪我したことを幸運だと思わねばならない!
正直、叔父さんが私との約束を破ったとは感じなかったので、特に気まずさもなかった。
そんな出来事の後、私たちは全員帰路についた。
竜にまた会いに来ると言って別れを告げたら、竜は少し嬉しそうにしていた。
森を抜ける間、グリフィンとポポリは私たちを見送ってくれた。
マルオンおじさんとお父さんたちは道中、終始途切れることなく話を続けていた。
すべて聞き取れない内容だったが、途中でマルオンおじさんが「自分には息子がいなくて幸運だ」と言ったようだった。
なぜか気になったので、おじさんに「どうしてマルオンというあだ名なのか」と尋ねてみた。
しかし、しばらくの間、誰も何も言わなかった。
ダニルはお父さんと一緒に自分の家に帰り、ユリは高僧様と一緒に自宅に向かった。
途中で別れると、残ったのはマルオンおじさん、お父さん、そして私だけだった。
下る道沿いに、見たことのない不思議な花が咲いていた。
黄色い花弁がありながらも、どことなく透明感のある輝きを放っていた。
「お父さん、あの花を摘んで母上に渡したらダメですか?」
お父さんは困った表情で私を見つめた後、マルオンおじさんが隣で何かを言った。
そして二人が何やら話し合った後、お父さんは不思議な花を一本切り取って私に手渡してくれた。
「もしお母さんがこれをどこで摘んできたのか尋ねたら、カミュおじさんにもらったと言いなさい」と教えてくれる。
ああ、そうだったのか。
まったくその考えには至りませんでした。
私はなぜか申し訳ない気持ちになり、マルオンおじさんにあんな質問をしてしまったことを謝った。
するとおじさんは少し微笑みながら、「君は王妃さまに似ているから、私は幸運だ」と言う。
こうして私の最初の森での冒険は幕を閉じた。
お父さんと一緒に宮殿に戻り、秘密の冒険の痕跡をすべて消した後、気がつけばいつも通りの日常が戻っていた。
私はお母様が私の宮殿に訪れる時間を作ってくださるのをじっと待ち、ようやくいらした時に花束を差し出した。
「まあ、とても美しい花ね。」
お母様はとても喜んで私をぎゅっと抱きしめ、頬にキスをしてくれた。
初めの計画は失敗しましたが、それ以上に充実した一日になったと思う。
それに加えて、お父様が本当に私の秘密を守ってくださったことも、少し素敵だと思いました。
正直、それはちょっとカッコよかったです。
大きな鳥、フンボルトペンギン、カメレオン、それとライオンが昔から私のことを知っていたというのも驚きです。
<完>