メイドになったお姫様

メイドになったお姫様【90話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【メイドになったお姫様】まとめ こんにちは、ピッコです。 「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

90話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 謎の美女

モグモグ。

シアナは幸せそうな顔で、糖蜜をたっぷりとかけた串焼き果物をかじっていた。

シアナがいる場所は、皇宮近くの街路にある小さな屋台。

庶民たちに愛されているこの屋台の料理は、皇宮の料理と比べると材料も調理法も質素だった。

それでも比べ物にならないほど美味しかった。

甘辛いタレがたっぷり絡んだ焼き鳥の串を頬張りながら、シアナは驚嘆した。

「皇宮の料理よりはるかに味が濃厚だなんて。」

もちろん、それだけが理由ではなかった。

シアナの周囲で同じように食事を楽しむ人々のソースを口につけたまま、シアナは微笑んでいた。

腰を伸ばして厳格な礼儀を守らなければならない皇宮とは全く違う雰囲気だった。

「これも美味しさの秘訣の一つだわ。」

シアナは冷えた頬を両手で包み込むようにして温めた。

食事を終えたシアナは、通りを歩き始めた。

今日、シアナが皇宮の外に出てきた理由は、バラの祭典の際に着るドレスとアクセサリーを購入するため。

ラシードの目をかいくぐって外に出たものの、一人で出るのは簡単ではなかった。

アリスがシアナをしっかりと引き止めていたからだ。

「(おいしいものを買ってやるからと祖母に小遣いをもらったみたいなものだわ。)」

ニニとナナもシアナの腕をつかみながら叫んだ。

「[シアナ様がドレスを選ぶのをお手伝いするために、最新のドレスの流行を全部勉強しましたよ!]」

「[私もドレスにぴったりのアクセサリーをしっかり研究しました!]」

「だから一緒に行こうよ!」

しかし、シアナは3人の同行をきっぱりと拒絶した。

「[私はバラの祭典の際、自分の正体を隠して皇太子殿下のパートナーとして出席するつもりです。そのためには、ドレスもアクセサリーも秘密裏に準備しなければなりません。3人と一緒に動くのは目立ちすぎます。]」

あまりに正論だったため、アリス、ニニ、ナナはこれ以上反論することができなかった。

3人は不満そうに唇を突き出しながらも、渋々手を振ってシアナを見送った。

「その姿を思い浮かべると、心が痛くならずにはいられない。」

軽くため息をつきながら、シアナが到着したのは看板のない小さなドレスショップだった。

大通りに並ぶ華やかで豪華なドレスショップを避けてこの店を選んだのには理由があった。

この店は、ドレスやアクセサリー、さらには靴までを一括して準備できる店だ。

いちいちあちこち回る手間を省けるという意味で便利だった。

さらに大きな理由があった。

「この店は利用する顧客の情報を徹底的に秘密にしてくれるシークレットショップ。皇太子殿下の秘密のパートナーがドレスを仕立てるにはぴったりだ。」

シアナは店の扉を開けて中に入った。

店内は広くはなかったが、高級感のある品々でいっぱいだった。

黄金で装飾された棚には、数多くの宝石が散りばめられ輝くドレスたち。

「まるで皇后のドレスルームに足を踏み入れたみたい。」

店内を見渡すシアナに、店員が近づいてきた。

店員の表情は少し曇っていた。

それもそのはず、この店を利用する他の客たちとシアナの雰囲気があまりにも違っていたからだ。

化粧っ気のない顔にアクセサリーも一切つけていない。

さらに、粗末なドレスをまとっていた。

「どう見ても貴族ではない。金持ちの庶民ですらない。そんな女が何の知識もなくうちの店でドレスを仕立てるって?」

そんな考えが頭をよぎっている様子だった。

店員の心中を察したシアナは、眉を少ししかめた。

「失礼なのは分かっているけど、仕方ないわ。今の自分がこの店に似つかわしくないのは確かだもの。」

それでもシアナを追い返さなかっただけ、店員は最低限の礼儀を守ったと言えた。

そのため、シアナは恐縮することなく穏やかな笑みを浮かべて話しかけた。

「ドレスとアクセサリー、靴までセットで揃えたいのですが。」

「……ご予算はどのくらいをお考えでしょうか?」

この店は一流デザイナーが最高のドレスを仕立てる店だった。

そこに加え、顧客情報の秘密保持の費用も上乗せされ、一般のショップよりも価格ははるかに高額だった。

しかし、シアナは問題ないとばかりに言った。

「予算は10,000ゴールドです。」

「……!」

その瞬間、店員はその金額に驚愕し、動揺を隠せない表情を見せた。

とはいえ、それも当然だ。

シアナが提示した金額は、この店で最高級のドレスセットを5着も購入できるほどのとてつもない金額だったのだから。

疑わしそうな目つきで自分を見つめる店員に向かい、シアナが口を開いた。

「盗んだお金でもなければ、偽造通貨でもありません。金額の半分を前払いしますので、ご心配なら確認してみてください。」

「いえ、全くそんなことはございません。お客様に対してそのような不躾な考えを持つわけがありません。」

口先だけの弁解だった。

店員は、シアナが「表情に似合わず大胆な女性」か「素朴な顔をした詐欺師」のどちらかだと考えていた。

しかし、時間が経つにつれ店員の混乱は深まっていった。

ドレスを試着しているシアナの姿を見たからだ。

「ドレスの生地はミカドシルクが良さそうですね。エレガントで高級感があり、柔らかさも肌触りが最高です。」

「ドレスに合わせるアクセサリーはこれ以外にないですよね。アドリアン産の白い真珠か、少し控えめなデザインのものが良いでしょう。」

「センテリアン産のダイヤモンドで作られたネックレスがあれば良さそうですね……。」

「かしこまりました、お待ちください。準備して参ります。」

店員は慌ただしく動き、別の宝石箱を持ってきた。

その宝石箱は、ほとんどの客が初めに見せられるものとは違い、特別な顧客だけに出されるもので、なかなか開けられることはなかった。

輝く宝石を取り出し、首に当ててみたシアナが言った。

「うん。白い真珠が気に入りましたね。私の肌の色と調和して、ライトに当たるとダイヤモンドよりも輝くように見えます。デザイナーさんはどうお考えですか?」

少し離れたところから、シアナを観察していたデザイナーは、一拍遅れて静かにうなずいた。

「私もそう思います。」

「……」

デザイナーの隣にいた店員は、もはやシアナを無視することができなかった。

「彼女がただの変わり者の女性だとか、詐欺師だという考えはもう捨てるべきだ。」

それだけドレスや宝石に詳しい人が、ただの詐欺師であるはずがないからだ。

店員はデザイナーにそっと尋ねた。

「先生、あの方の正体は一体何者なんでしょう?」

数多くの上流階級の貴婦人たちを相手にしてきた経験のあるデザイナーは、若干幼さの残る顔を真剣に引き締めて答えた。

「これほどの宝石を纏うことができるのなら、少なくとも高位の貴族であることは間違いない。それに、失礼のないように対応するんだ。」

店員の顔は一瞬で青ざめた。

それは、シアナが初めて店に入ってきたときの、彼女を粗末に扱った記憶が蘇ったからだ。

「うわぁ、どうしよう。こんな大事な客をさっきの態度で接客してしまったなんて、問題になれば私は即クビだわ!」

今にも泣きそうな混乱状態の店員とは対照的に、シアナはどこまでも落ち着いて冷静に考えを巡らせていた。

「せっかく慎重にドレスを選んでいるのにお金が余るわね。」

シアナがラシードのパートナー役を引き受けるために、ソルから渡された準備金は十分すぎるほどの額だ。

最初は、この大金の半分以上を晩餐会の準備に使うつもりだったが、意外と簡単には使い切れなかった。

「でも全部使っていかなきゃ。」

そう考えたシアナは、ショップで陳列されていた髪飾りをいくつか選んだ。

それはアリス、ニニ、ナナ、シュシュへのプレゼントだった。

少し悩んだ末、さらに髪飾りを二つ追加で購入した。

それはアンジェリーナ皇妃とグレイス皇女へのものだった。

「一介の侍女が高貴な方々に贈り物をするのは奇妙に見えるかもしれないけど、それでも感謝の気持ちを伝えたい。」

自分を気にかけてくれる人々に、シアナは感謝の意を表したかったのだ。

レイシスへの贈り物には、アンジェリナの髪飾りと同じレモン色のブローチを選んだ。

「それでもお金が余るわね。」

ついでに、恩返しの気持ちでソルにもブローチを選んだ。

初めてでは到底比較できないほど緊張した様子の店員が言った。

「このブローチもご購入される場合、合わせてドレスセットを含めた金額が合計10,000ゴールドになります。」

目標を達成したシアナはほほ笑みを浮かべた。

 



 

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