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愛され末っ子は初めてで【95話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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95話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 平穏な時間

公爵領での時間は、穏やかな湖のように流れていった。

ラウレンシアお姉様はもう乗馬にもすっかり慣れてきて、ダミアンお兄様は十二歳の誕生日にエンデブラン小公爵になった。

もちろん両親は私と姉の意思も確認してくださった。

「ララは頭が痛いのは嫌、黒が好き!頭が痛いのはお兄ちゃんがやって!」

『私も頭が痛くなるのは嫌です。』

私と姉にそっくりなその返答に、申し訳なさそうな顔をしていた兄も、緊張していた両親も、みんな笑みをこぼした。

今年でパルサンに来て3年になるラミエルは、もう言葉を詰まらせることもなく、とても上手に話すようになった。

私より小さかった体格も、いつの間にか少しずつ成長していたが、まだまだ小柄なままだった。

本当に私だけ、いや、私とミハイル・レベントスだけが、赤ちゃんの頃からずっと小さい。

小さいのが定着してしまったのは間違いない!

私はなんだか悔しくなって、朝の陽射しの中ゆっくりと体を起こした。

気づけば8歳の春。

私はいつものようにカーテンを開ける前にスマートフォンを取り出してアプリを確認した。

『……今日も手がかりがないな。』

ホンシを連れてきた日からちょうど3年が経ったが、その後、私は“影”を持つ人と出会うことはなかった。

『全部で何人いるのか、あの子にでも聞いてみるべきか。』

あの子はたぶん知っているだろう。

何も解決しないまま時間が流れていって、正直、少し焦りも感じるようになった。

公爵家の末っ子として暮らすのは、日が経つにつれてどんどん心地よくなってきたからだ。

『でも必要なら、また3年は姿を現さないってわけか。』

まさか、もうこの世界にはいないってことは……ないよね?

本当に変なやつだった。

現れれば騒がしくて、いなくなると目につかなくて妙に気になってしまう。

『まぁ、あいつは死んでも死ななさそうな奴だけどね。』

考えるのはこの辺にしておこう。

私はそのままカーテンを開けた。

「お目覚めですか、お嬢様?」

見慣れた顔が朝を迎えてくれた。

私も八歳になったので、実は以前のように遊ぶことはなくなった。

でも両親は末っ子が穏やかに怠け者で怠惰な気質があるということを受け入れてもらえたおかげで、私は基本的な教育だけ午前中に受けて、午後からは主に自由時間を過ごしていた。

『まあ、正直、学ぶことなんてほとんどないのも事実だけど。』

どの世界でも基本は似ていて、それ以外のことも、ある程度生きていれば自然と身につくものばかりだった。

剣術とかそういうのは一人で独学するほうがマシだったし、今の“末っ子”というイメージを脱したいと思ってもいなかった。

一方でラミエルは、帝国で自分だけのための教育を受けられなかったせいか、授業を受けるのがすごく好きだった。

『だからこの時間は、私だけの時間。』

昼食を食べて夕食まで。

他の子たちは勉強時間だったけれど、私は散歩をしたり読書をしたりして時間を過ごした。

たまには母のそばで書き練習をしながら手紙の封筒に印を押すのを手伝ったりもした。

今日は日差しが良くて、私は住宅の庭を散歩することにした。

天気も良く、事件もなく、穏やかだった。

しかも今日の昼ご飯は私の好きなトマト入りの炒め物料理だった。

「うん、とってもいい。」

「何が?私が?」

「……?」

突然聞こえてきた声に首を上げると、木の上にいてはいけないやつがいた。

バッと声を上げて、少年が木の上からぴょんと飛び降りた。

「久しぶりだね、赤ちゃん。」

「もう赤ちゃんじゃないもん。」

3年経っても相変わらず小さくて生意気なミハイル・レベンティスだった。

「まだ私より小さいんだから赤ちゃんだよ。やっ!」

またいつものように言ってくるその言葉に、私はミハイルの足をぎゅっと踏んでやった。

「小さいって言うなって言っただろ。」

「小さくてかわいいから言ってるのに、じゃあ嘘でもつけってこと?」

善意の嘘でもつこうとしてる努力、少しはしてくれない?

私は頬をふくらませて、ぷいっとそっぽを向いた。

ミハイルは、それが何かおかしかったのか、小さく笑いながら私の手をそっと握った。

「ただいま。」

それにしても、どうして毎回その第一声を私に向けて言うの、あんた。

そしてここ、あんたの家じゃないの?

「なんで道に置きっぱなしにして、変なところに行ったりするのよ?」

「だから早く赤ちゃんを探さないと。」

その言葉にあきれ顔をしてしまい、また笑いがこみ上げてきた。

すると自然と私に腕を差し出してくるミハイル。

はあ、まったく。なんで私の手がこうなるのよ。

私はミハイルの腕に手を添えて、そっとつかんであげた。

「ねえ、赤ちゃんの手、だんだん強くなってきた気がする。」

「こんなふうにしっかりしてれば痛くもなさそうだけど、私の手が痛い。」

「手が痛いなら何してるの、ただ踏めばいいじゃん。」

「踏まれるのが好きなの?」

「そうじゃないけど、赤ちゃんがちょっとふざけてるんだから、それくらいは受け止めてあげなきゃ。」

その言葉に、私はミハイルの望み通り足をぎゅっと踏んでやった。

わざとらしく「アウアウ」って言うから、もっと踏みたくなった。

「でも、本当は一緒に来るはずじゃなかった?」

「うん、でもちょっと早く終わっちゃって、一人で来たんだ。」

「またおじいさまには話さないの?」

「うん。」

ミハイルはそれが何か悪いことでもあるかのような顔で答えた。

まったく、ほんとにこの子は。

「おじいさま、寂しがってるよ。」

「おじいさまが?僕のことを?」

ミハイルは、そんなことがあるはずがないという顔で話した。

「それは寂しいってことじゃないよ。」

「じゃあ?」

「嫉妬。」

「嫉妬?」

「私一人で赤ちゃん見に行ったって小言言われちゃった。」

その言葉に私は眉をしかめ、何かに気づいて足を止めた。

「おじいさまの仕事を代わって行ってきたんだよ。」

「赤ちゃんは本当に私を何だと思ってるんだろう。一度もそんなこと言ったことないのに。」

ミハイルはそう言いながら、もう胸まで届くようになった私の髪をいつものように撫でてきた。

「おじいさまが遅くまで働かれるのが私のせいじゃないでしょ?誰か一人でも先に行ったほうがいいじゃない。」

「たかがふたりなんだから、一緒に行けばいいのに。」

ミハイルはその言葉に、まぶたを少し伏せた。

「いつになったら赤ちゃんに可愛いって言ってもらえるかな?」

今だって十分に可愛がってくれてる気がするけど。

私はもう一度ミハイルの足をしっかりと拭いてあげた。

相変わらずこの子は、たった一言でもしっかり意味を持たせる才能があった。

私が軽くため息をつくと、ミハイルが私の腕の上に置かれた手をトントンと叩いた。

振り返って目が合うと、とても可愛らしく笑ってこう言った。

こんなふうに顔をくしゃっとさせて笑うとき、この子には必ず夢があるはずなのに。

「赤ちゃん、明日ぼくに時間くれる?」

「時間?」

「うん、一緒に行きたい場所があるんだ。」

 



 

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