こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
118話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 大きな慰め
全身の力が抜けて、歩くのもやっとだった。
よろよろと宿舎に戻って部屋に入ろうとしたそのとき。
「レリア。」
背後から低い声が聞こえた。
振り返ると、暗い表情のロミオが立っていた。
いつもは明るい表情のロミオがそんな顔をしているのを見て、ひどく不安な気持ちがこみ上げてきた。
「…どうしたの?」
「中に入って話そう。」
疲れているから後にしようと言いたかったが、ロミオの表情があまりにも良くなかったので、仕方なく口を開いた。
部屋に入った途端だった。
突然ロミオが背後から近づいてくるのが感じられた。
「ロミオ?」
ロミオは背後からレリアをそのまま抱きしめた。
とても軽く、そして優しく。
「……」
瞬間、なぜか嫌な予感がした。
レリアは力なく笑う。
「また私に追跡の魔法をかけたんじゃないでしょうね?」
「…そう。今回は君じゃなくて、皇帝のほうだ。」
レリアは深いため息をついて目を閉じた。
皇帝との会話をロミオがすべて聞いていたようだ。
それでも、自分に追跡魔法道具をつけていたわけではないという事実に少し安堵した。
「…なぜ追ってきたの?」
「皇帝が君に何かするんじゃないかと心配でさ。」
ロミオはレリアの片方の肩にそっと額を預けた。
温かい体温が伝わってきて、安心と慰めを感じた。
心地よく、静かだった。
「レリア。」
「…うん。」
「君がそんなに大変な時期を過ごしていたなんて知らなかった。」
「……」
「強がってばかりいるから、本当に強いのだと思っていた。」
ロミオが苦しそうに言った。
吐き出すような言葉に、レリアは心が軽くなるのを感じた。
「私は一生、君の味方だよ。何よりも君が一番大事なんだ。」
「……」
その瞬間、なぜかグリピスが言っていた言葉を思い出した。
「僕だけがこんな気持ちだと思う?他の3人も同じだよ。」
「考えてみて、僕たちは戦争に参加して再会したあと、ずっと君のために生きてきた…君の復讐のために。」
「それで君が生きてるって知ったんだ。」
「女の子だったってことまで分かったよ?それでどんな感情を抱いたと思う? 当然…」
「以前とは違う意味で君を手に入れたいと思うのは当然じゃない?」
「ずっと君のために生きてきたんだから…それは当然のことだよ、レリア。ある程度は従順でいてくれなきゃ。」
「まぁ、こうなってしまったけど…僕は我慢できる。他の奴らと君を共有することも。」
「君は私たちに責任を取る必要があるんだ、レリア。」
大きな衝撃とともに迫ってきたその言葉がよみがえり、息が詰まるような気がした。
「ロミオ。」
「言わないで。」
どんな質問をしようとしたのか察したのだろうか?
ロミオのそっけない返事に、何も言えなかった。
「………」
その時だった。
[特別好感度対象者 <ロミオ> 様]
「特別レシピを手に入れました!今すぐレシピを確認しますか?(ง •̀_•́)ง」
突然現れたメッセージに戸惑った。
恐る恐る「確認」と口にすると、新しいレシピの内容が現れた。
【特別レシピ:正体不明の妙薬】※誰かにとっては絶対に必要な薬!今すぐ渡してください! (´・‿・`)♡
『何よ、どうせ悪人なら教えてくれてもいいじゃない?』
レリアは眉間にしわを寄せて体を背けた。
ロミオはその腕の中から離れたレリアを無表情な顔で見つめた。
「…ロミオ、どこか具合悪いんじゃない?」
妙な不安がこみ上げて投げかけた質問に、ロミオのまつげがピクッと震えた。
「…僕が具合悪く見える?どこが?精神的に?」
「………」
「僕は何でも我慢できるけど、カーリクスみたいなイカれたやつの酒の相手は絶対無理だから?」
ふざけた言葉に、ふっと笑みがこぼれた。
しかし、そのレシピの薬の名前が妙に引っかかった。
これまでのレシピを見ると、特別レシピはすべて友達それぞれのための薬だった。
カーリクスには視力を治す薬だったし、グリピスには…たしか、生命力に関する薬だったはず。
『とにかくこの薬もロミオに必要な薬ってことだよね……』
レシピの説明を見ても、どんな薬かはわからなかったが、「とにかくロミオに渡さなきゃ」という思いがわいた。
もしかすると彼の魔法に関する何かかもしれない。
『ロミオは誰よりも勉強熱心で、いや、むしろ才能ある魔法使いだから。』
どうせ「賢者の石」を作るにはこのアイテムも必ず一度は製作しなければならなかった。
そうしなければ実績が蓄積されないシステムだ。
レリアは応接室のソファにぐったりと座るロミオを見ながら、製作素材を確認した。
『ちょっと、まさかまた……違うよね?』
【正体不明の妙薬】
-必要な素材リスト
・嘘つき怪盗ルーピングの違法カード(30 / 1)
『あれ?』
予想外にも、材料はすでに持っていた。
ゲーム内の訪問者「怪盗ルーピン」のクエストをクリアするたびにもらえる報酬カードだった。
以前にクエストをたくさんやっていたので、数も十分にあった。
レリアはすぐに製作ボタンを押し、完成した瞬間にインベントリから取り出した。
そしてロミオのそばへと歩いていった。
どんな薬なのか分からないせいで、不安が押し寄せた。
『まさかこれ…変な薬じゃないよね…毒とか体に害のある薬じゃないよね?』
【ええっ!? Σ(;°Д°) 】
『危険な薬ではないようね。』
レリアは内心で安心しつつ、いつ薬を渡そうか悩んでいた。
その時、悩んでいたロミオが口を開いた。
「ペルセウス皇帝が首都で地位を得た貴族と君を結婚させようとしている。そうしてここにずっと縛っておくつもりらしい。」
「……。」
その言葉に思わずため息が漏れた。
いったいどんなつもりでそんなことをしようとしてるの?
「何も証拠をつかませないように、先に婚約してしまうって手もあるよ。」
「なに?」
「君が利用する相手が必要なら、喜んで引き受けるよ。」
「………」
「もちろんだからって、僕に手を出すなんて考えないでね。」
ロミオはからかうように、私の肩をX字に抱きしめた。
レリアは思わず乾いた笑いをこぼした。
「これ、受け取って。」
雰囲気が悪くなかったので、笑いながら薬を差し出すと、ロミオは素直に受け取った。
薬瓶には読めない文字が書かれていた。
レリアには読めない奇妙な筆致だった。
「どんな薬かはわからないけど、君に必要だって言ってた……。」
「錬金術の精霊?」
「……。」
レリアはバツが悪そうに視線をそらした。
少し前、錬金術についてしつこく質問してきたロミオに対して、レリアはほとんど口ごもっていた。
それなのにロミオは『錬金』の存在を精霊として受け止めたようだった。
「どんな薬かわかる?」
「うーん……」
ロミオは薬瓶に書かれた文字を見て、ふっと笑った。
「君、本当に魔法使いか、錬金術師じゃないの?」
「…え?」
ロミオは「ふむ」と唸りながら彼女を見つめた。
薬瓶に書かれた魔法使いと錬金術師の言語をまったく読めていないのを見て、確信したのだ。
ロミオはクスクス笑った。
『なんてこった。』
レリアは理解できない言葉に目をぱちくりさせていた。
そんなレリアを見て、ロミオは曖昧な笑みを浮かべた。
そして肩をすくめながら言った。
「僕に必要な薬なんだ。」
「…研究材料、そういうこと?」
「まあ、似たようなもんさ。」
反応を見る限り、どんな薬か教えるつもりはないようだった。
「ちょうど必要だったんだ。」
ロミオはそう言って薬瓶を手でいじった。
「レリア。」
「……。」
「最後に言うことだから、よく聞いて。恥ずかしいし、もう一度は言わないから。」
「…え?」
「君はあのとき…僕を救ってくれた。」
「………」
「僕はいつも君を尊敬してる。いつも敬い、愛してる。これからもずっとそうだよ。」
「………」
「まるで信徒になったみたいに、いつも君のそばにいる。友達としても同じだから。だから――」
「………」
「君も少しは僕を頼って、僕を利用してよ。遠慮しないで。恩を返す機会は与えるべきじゃない?」
「ロミオ….」
レリアが小さな声で呼ぶと、ロミオの表情が曇った。
「…ちょっとひどく落ち込んでる?慰めるのも大変だよ、まったく….」
「……」
ロミオは吐きそうな表情を浮かべたかと思うと視線をそらした。
そして耳が赤くなっていた。
レリアは自分を慰めようとするその気持ちが伝わり、ありがたく感じた。
幼い頃、最初にできた友達がロミオだった。
だからだろうか?ロミオと一緒にいると心が安らいだ。
しばらくぼんやりしていたが、口を開いた。
「私も同じだよ。むしろ君が、君たちが私を救ってくれた。私も君たちを、自分の英雄だと思ってる。」
ロミオの眉間がしかめられた。
彼は薬瓶の蓋を開けて飲もうとしながら、苦々しい顔でレリアを見た。
「せっかく恥ずかしいのを我慢して言ったのに…それだけ?」
「ほんとに性格ってやつは…」
「嬉しいって?それはわかってるよ。」
「はぁ。」
レリアがきょとんとしている間に、ロミオは薬をすべて飲み干した。
「……」
レリアは本当に大丈夫なのか気になって、ロミオを注意深く観察する。
表情は特に変わりなかった。
でも、研究用の材料なのに、あんなにごくごく飲んでも大丈夫なの?
「じゃあ、もう行くね。」
ロミオは用事が終わったように軽く立ち上がった。
「夜に一人で泣かないで。怖くなったらこのお兄ちゃん呼んで、ね?」
「……」
「…あ、そうだ。それから…。」
ロミオは部屋を出る前に、ふと身体を向けた。
「一応言っておくけど、きみ……」
「うん?」
「さっき僕が“愛してる”って言ったの、勘違いしてないよね?全然そういう意味じゃないからね?勘違いしたら君が損するよ……」
「出ていかないの?」
「いや、もういいってば。でもさ、もし僕を政治的に利用したくなったら、結婚くらいは考えてもいいよ……」
「カーリクスみたいに殴られたいの?」
ロミオは拳を握りしめ、レリアの気迫に気おされながらも、そそくさと逃げ出した。
「はぁ……」
ロミオが出ていくと、ようやく部屋の中が静かになった。
レリアは、気が抜けたように軽く微笑んだ。
けれどもロミオが訪ねてきてくれたことが、きっと大きな慰めになったのだろう。
そう……最初から家族だったのだ。
傷つく理由なんて、まるでなかった。







