こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は72話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
72話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アヴェラの介入
「は?」
レンは呆れた顔で制服についた絵の具を見る。
明るい絵の具が飛び散ってみっともなかった。
「ああ、勿体ない」
「お前、この制服がいくらだと思ってるの?」
レンの脅し文句にラファエルは淡々と答える。
「制服じゃなくて、絵の具ですよ」
「え?」
「この絵の具がキャンパスについていたら、何かの美しさを表現する芸術作品になったはず。それがあなたの服について、僅かな染みにしかならないのが勿体ないですね」
バン!
威嚇的にレンがテーブルを叩きつける。
ビックリしたエレナが身震いした。
「私に文句をつけるのか?」
「ただの芸術的解釈です。故意ではありませんので」
脅迫されたにもかかわらず、ラファエルは萎縮する気配もなく、淡々と言い訳をする。
その平然さに、逆に腹を立てるレンが変な人のように感じられた。
「こんな新鮮な方法で覆されるなんてね」
ラファエルの対応に呆れながらも、レンは笑い転げる。
このような状況でも彼は楽しんでいた。
(ああ、もう!)
そばで見守っていたエレナはこのままではいけないと思い、前に出ようとした時だった。
「なんでお前まで乗り出そうとするんだ?ただでさえ頭に来ているのに」
「先輩」
「睨みつけるなよ、怖いじゃん。悪党はこれだから大変なんだ。今日はこの辺で終わりにしようかな」
レンはよろよろ歩きながら画室の外に歩いていく。
そして彼は手を振った。
「また会おうね」
レンの足音が聞こえなくなってから、エレナは心配そうに言った。
「先輩、とても危なかったですよ。あの人間を相手にするほど損なのですから、無視してください」
「あのままにしておいて大丈夫でしょうか?理由は分かりませんが、彼がルシアちゃんに危害を加えるのではないかと心配になります」
感受性が鋭いラファエルには、密かにレンから漂っていた敵意を読んだのだろう。
彼はエレナの安否を心配した。
「仕方がないですよ。今のところ満足な方法もありませんし」
エレナは心配しなくても大丈夫というような笑顔を浮かべることしかできなかった。
エレナは約束された周期より早く画室を出るために記録室を出た。
この前の訪問の時、招かれざる客のレンが邪魔をしたため、ラファエルの集中力が落ち、思ったよりも作業の進捗が遅くなったからだ。
彼は自分のキャリアにおいて最も大切な時期を体験している。
それだけに、エレナはレンの妨害が起きたことにとても申し訳なく思っていた。
(どうしよう?先輩の絵の邪魔になってはいけないのに)
別館に入ろうとすると、見慣れた女子生徒たちが立ちはだかる。
彼女たちはアヴェラ派閥に属し、以前にも絡んできた連中だ。
「はぁ」
面倒な仕事に巻き込まれたので、イライラしてため息をつく。
エレナは仕方なく頭を下げた。
「私今忙しいので、要件だけ簡単に伝えてもらえますか?」
「何言ってるの?またレン先輩が現れるとでも?」
一瞬呆れて、エレナは失笑してしまう。
「彼が欲しいのなら、私が紹介しましょうか?譲歩しますよ」
「え?」
本気でレンを渡せるのなら、渡したいと思っているから。
「本当に生意気な女ね。ついてきなさい」
別館の中から5、6人の女子生徒が現れてエレナの周りを取り囲む。
彼女が逃げられないように腕を掴み、引っ張っていくように連れて行った。
(アヴェラとは決着をつけた方がいいよね)
彼女の事を考えると、エレナは苦笑いを浮かべてしまう。
(ベロニカだったら最初からこういう問題にもならなかったけど・・・)
それでも気後れする理由はない。
ここは学術機関。
校則が優先されるだけに、権力を利用した圧迫は不可能なのだから。
別館の横、生い茂った木々の向こうの空き地に、アヴェラはいた。
以前エレナに迫られていたミシェルも一緒だ。
「あなたね」
「私に会いたがっていたんですって?アヴェラ令嬢」
アヴェラの傲慢な視線の中には、エレナへの嘲笑が滲み出ていた。
「近くで見たら本当に醜いわね。どこを探しても魅力がないし」
彼女の露骨な卑下で、女子生徒たちはクスクス笑う。
しかし、侮辱されたエレナにはあまり反応がなかった。
アヴェラの低俗な語彙と水準はよく知っていたから。
「殿下と夕食をとったんですってね?殿下も優しいお方ね。同情心で付き合ってあげたのだから」
アヴェラが侮辱的な卑下をすると、周りの女子生徒も同意のうなずきをしていた。
「どうしたのですか?まるで、殿下に一度も正式に食事の招待を受けたことがないかのように話されるのですね」
「・・・!」
エレナの皮肉に一瞬、アヴェラの表情が悪魔のように歪む。
ベロニカの前でなら辛抱したはずだが、相手が一介の商人の娘であるルシアだから、かなり侮辱的に聞こえたのだろう。
見守っていた女子生徒たちの口が驚愕で開いていた。
「アヴェラ」とは帝国の4大家系ラインハルト公爵家の長女。
そんな彼女の神経をこれほどに掻き乱した女性は生まれて以来エレナが初めてだったから。
エレナの口答えに腹を立てたアヴェラが手を高く上げる。
怒りで理性が麻痺したかのように、後の事を考えずにエレナの頬を殴った。
パチン!
しかし、アヴェラの手のひらはエレナの頬に届かなかった。
殴った瞬間に、彼女が手を伸ばして手首をギュッと握ったから。
「放さないのかしら?」
「先輩なら殴られると分かっていながら放しますか?」
「あなた・・・」
「先輩こそ身の振り方をもう少し上手にされたらどうでしょうか?」
「私に口答えするの?あなた如きの分際で?」
言い争う2人を見て、女子生徒たちが介入しようとした瞬間。
「会話中なのが分からないの?」
エレナの一瞥に、彼女たちは近づけず戸惑った。
感情的な令嬢たちにとって、無感情なエレナの視線は、不慣れで手に負えない性質のものだったから。
「だから殿下も先輩を見ていないのですよ」
「え?」
「むしろこういう時間に自分を先に振り返ってみてください。なぜ殿下が先輩に目を向けないのかを」
ラファエルも意外に度胸がありますよね♪
そして、アヴェラの登場。
思ったよりも小物臭がするので、エレナには負けないでほしいです。
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