こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は73話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
73話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 助けてくれたのは?
エレナの指摘に、アヴェラの顔が真っ赤になる。
一度も感じたことのない羞恥心と侮辱感に手が震えた。
「それでも殿下が関心を持たなければ、先輩が祝福を受けて生まれた家門のせいにしてください」
過去の自分を見るかのように真心を込めて助言する。
人間性は別として、シアンを慕うアヴェラの気持ちだけは本気だということが分かるから。
過去の自分のようなミスを繰り返さないでほしいという小さな願いを込めて。
「何様のつもり!?」
怒りに耐えかねたアヴェラが大声で叫んだ。
そして無理矢理に手首を引き離す。
「何をじっと見ているの!私が責任を取るか、2度と生意気な口が利けないようにしなさい!
腹が立ったアヴェラが怒鳴りつけると、エレナの勢いに押されて躊躇っていた女子生徒たちが我に返る。
エレナは怖がるどころか氷水のように冷たい視線で彼女たちを見つめる。
「それが退学届に繋がるのはご存知でしょう?」
「え?」
「アヴェラ令嬢はいつも先輩たちだけを前面に押し出すのは、なぜでしょうか?」
投げかけられた疑問に女子生徒たちは混乱する。
「残念な人たち。アヴェラ令嬢が後のことで責任を負うと思いますか?」
「・・・」
「これまでの行動を見れば分かると思いますが。このことで先輩たちが退学になっても、彼女が見守ってくれると思いますか?いいえ、そっぽを向かれるでしょうね。初めから責任なんて取る気もないのですから」
エレナは彼女たちの心の片隅に座っているアヴェラへの不安と不信に火をつけた。
ここに集まった大多数は公爵家という背景から、アヴェラに従う場合が多かったから。
彼女には人望がない。
「よく考えてみれば確かにあるはずですよ。彼女についていって過ちをすべて覆い、学術院から追い出された先輩たちが」
「・・・!」
火種を投げると、本当にそういう事があったのか、彼女たちは黙っている。
アヴェラも異常な気配を感じたのか、もっと威圧的で高圧的に催促した。
「何してるの?私の後ろにはラインハルト公爵家がいるのよ」
「信じない方がいいですよ」
エレナは静かに話しかけた。
こういう時ほど興奮せず平常心を保つことで、相手の信頼感が高まることをよく知っていたから。
「退学?学術院の卒業証書なんて何の意味があるの?私が責任をとるわ。あなたたちは私の信頼の方がもっと価値があることをよく知っているはずよ」
アヴェラの発言に、本気で卒業証書よりも、彼女の信頼が自分と家門に得だと判断したのか、何人かの生徒が同調し出した。
その光景にエレナの眉間に少ししわが寄る。
無知は勇敢だと。
躊躇っていた生徒たちも彼女を取り囲み、エレナを無理矢理抑えて跪かせた。
完璧に主導権を取り戻したと感じたアヴェラが勝利の笑みを浮かべる。
「眼鏡も外しなさい」
エレナがかけていた眼鏡を無理矢理外すと、アヴェラの笑みがさらに濃くなった。
彼女は高慢に歩いてきてエレナのあごを掴む。
「私を侮辱した代償が何なのか、一生忘れられないようにしてあげるわ」
アヴェラが手を勢いよく振っても、エレナは目を瞑らなかった。
最悪に近い状況まで追い込まれたが、さらに毒気が増したように目を見開いてアヴェラを睨む。
(はあ・・・、本当は体まで使いたくなかったんだけど)
体は小さくても、エレナは同じ年頃の令嬢たちに比べて力を使うことが多い。
腕を振りはなそうとした時だった。
「何をしている?」
声は大きくなかったが、アヴェラの手のひらがエレナの頬に当たる直前で止まった。
「誰?」
アヴェラはイライラを隠さないまま声の方向に頭を傾ける。
その瞬間、彼女は口をパクパクしながら目を見開いていた。
「殿下」
「・・・!」
アヴェラの口から出た言葉につられてエレナの表情も固まる。
レンなら予想はできたが、シアンの登場は予想外だ。
慌てたのはアヴェラだけではないようで、女子生徒たちも頭を垂れた。
一瞬のうちに静粛になった周囲は、さっきまでエレナを苦しめられなかった状況とは対照的だった。
「皇太子殿下にご挨拶申し上げます」
エレナは振り向くことができない状況でシアンを見ることができなかった。
その代わりにアヴェラの顔を近くで見ることができる。
思慕する男に絶対にバレたくない恥部を見られて困っている姿がありありと見えた。
「アヴェラ令嬢、これはどういうことだ?」
「殿下、これは・・・」
「もう一度聞く。この状況を説明しろ」
「あ」
シアンの冷えた声がエレナの胸を打つ。
アヴェラは困惑し、まともに顔を上げられないまま言い訳をした。
「・・・新入生が先輩後輩間の尊重を裏切ったので罰を与えていました。これは令嬢たちの問題ですので、殿下のお引き取りをお願い致します」
彼女は巧みに言い訳をする。
エレナを「礼儀のない後輩」と罵倒すると同時に、「シアンが関与することではない」と線引きをしたのだ。
「・・・」
シアンはアヴェラとエレナを交互に見る。
「このような状況でも、令嬢は話が上手なのだな」
「事実を申し上げただけですので、誤解のないようにお願い致します」
「その話を私に信じろというのか?」
「殿下」
アヴェラの声が慌て出す。
エレナを抑圧していた女子生徒たちも、シアンの反応に当惑して居ても立っても居られなかった。
「私の知るルシア令嬢はそんな女性ではない。彼女は礼法を深く理解し、時には貴族の模範にしたいほど貴族らしい。そして、何でもストレートに直言する正直な女性だ」
「あ」
シアンの言葉を聞いた瞬間、エレナは込み上げてくるところだった。
彼が心からエレナに対して尊重していたことに。
ピンチのタイミングで登場したシアン。
スッキリしますね♪
今回でエレナのシアンへの認識が少しでも変わってほしいです!
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