影の皇妃

影の皇妃【88話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は88をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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88話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 初めての味方

「ベロニカ公女?」

「・・・!」

カリフの隣にいたエミリオもその言葉に驚いていた。

内心ではエレナの正体が貴族か、皇族ではないかと思っていたが、まさか大公家のベロニカ公女だとは想像もしていなかったのだ。

「よく会っていましたよね、先輩」

エレナは長い髪を後ろに回して、悪戯っぽい笑みを浮かべる。

驚きのあまり、カリフは開いた口が塞がらなかった。

「じゃ、じゃあ・・・、ルシアは?」

「エミリオ様から説明してもらえますか?本当のルシアがどこにいるのか」

エレナに頼まれたエミリオが代わりに答える。

「娘のルシアは今、ベルカン王国の首都にいるよ」

「ああ、これは夢に違いない・・・」

カリフは目の前に現実から目を背けようとしていた。

しかし、エレナから滲み出る雰囲気は、間違いなく彼がこれまで取引してきたベロニカ公女と変わらない。

この事実を受け入れざるを得なかった。

「これまで騙していてごめんなさい。けれど、仕方なかったのです。ルシアという名前がなければ、大公家の監視が酷くて私の自由がなかったのですから」

「ち、ちょっと待って。公女殿下がどうして大公家の監視を受けるのですか?」

カリフはすぐに気づいた。

エレナがこれまでしてきた事を思えば、大公家を狙った計画が多かったから。

大公家の後継者に他ならないベロニカが、なぜ大公家を相手にしているのか理解できない。

 



 

エレナは深呼吸をして、ラファエルとエミリオを交互に見る。

真実を明らかにするのは大きな勇気が必要だった。

大公家を相手に孤独な復讐劇を繰り広げるエレナにとって、二人は唯一信頼できる人物。

それにもかかわらず、過去と現世で一度も明らかにしたことのない秘密を打ち明けるのには、大きな決心を必要とした。

「私はベロニカ姫ではありません」

「冗談でしょ?公女殿下出なければ、誰が公女なのですか?」

混乱しているカリフを見て、エレナが真実を告白する。

「私の名前はエレナ。ベロニカ公女の代役なのです」

「「・・・!」」

カリフだけではなく、平常心を失わないエミリオでさえ混乱していた。

沈黙が流れる。

長い沈黙を破ったのはカリフ。

「それじゃあ、本当のベロニカ姫はどこにいるのですか?」

「私も知りません。ただし、近いうちに戻ってくることは知っています。その時になれば、代役である私は用済みとなるでしょう」

「よ、用済み?」

カリフの疑問にうなずく。

まんまと騙されて迎えた惨めな死が走馬灯のように流れる。

「大公家にしてみれば、私は単なる人形に過ぎませんから」

「・・・」

カリフは言葉を失う。

まるで自分の悲惨な結末を知っているかのようなエレナの表情を見て、彼は何も言えなかったのだ。

「恩人」

エミリオがそっと呟く。

「今まで貴方様が準備したすべては、ベロニカ公女が帰ってくる時のためのものでしょうか?」

「似ていますが、厳密に言うと備えではありません。私が望んでいるのは大公家の没落です」

「没落・・・。決して容易いことではないですね・・・」

エミリの表情が複雑になる。

相手は帝国の柱と呼ばれるフリードリヒ大公家。

これまで多くの被害を与えたが、それだけで没落する大公家ではなかった。

「簡単ではありませんが、私はできると信じています」

息を整えたエレナが悲壮に話し続けた。

「しかし、これ以上は大公家も傍観はしないでしょう。大公家のリアブリックは残忍な女です。お二人が危険に晒されることもあり得るでしょう」

いつもより丁寧な態度で頭を下げる。

「それにもかかわらず、不躾ですがお願いします。今までのように、私を助けていただけますか?」

 



 

「恩人・・・」

「・・・ルシア」

エレナはいつにも増して切実だった。

二人の助けがなければ、ここまで来ることは出来なかったと知っていたから。

危険であることを知りながら、手を繋いでほしいと哀願するほかなかったのだ。

そんなエレナの心のこもった告白に、先に反応を見せたのはカリフだ。

「助けないわけがないじゃないか。君じゃなかったら今頃、私はろくでなしの令嬢を誘って婿に入ることを考えていただろう。そんなろくでなしに君は声をかけてくれた」

「先輩・・・」

「そんな君が助けを求めているんだ。知らないふりなんて出来ないよ」

カリフは胸を叩きながら自分を信じろと言った。

「恩人」

「はい」

「覚えていますか?貴方様に初めて会った日、ルシアに恥ずかしくないお父さんになって欲しいと言われたと」

「忘れるわけがありません」

「今手を引いたら、娘に合わす顔がありません」

「エミリオ様・・・」

エレナは胸に響く感動を覚えた。

単なる代役に過ぎない自分のために、味方になってくれるカリフとエミリオの存在がありがたかった。

自分は一人じゃない。

そう初めて感じたのだ。

心を開いて信頼できる友軍。

「よし!そうと決まれば、これから何をやればいいんだ?」

意気揚々と叫ぶカリフを見ながら、エレナは明るく笑った。

「今の仕事を順調に進めてください」

 



 

「エレナ」にとっての初めての味方が出来ましたね♪

この調子で、メイやヒュレルバードにも打ち明けて欲しいと思います。

できればレンも仲間になってくれると嬉しいかな・・・。

シアンとの進展も気になるところです!

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