影の皇妃

影の皇妃【87話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は87をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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87話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • シアンの選択

「すみません、遅くなりました」

エレナは遅れてシアンのいる待合室に到着した。

中ではカリフが仲介してくれていたのか、雰囲気は重くない。

そのおかげでエレナは遅れて来たが、ぎこちなくはなかった。

カリフが指し示すと、じっと椅子に座っているシアンと向き合う。

「殿下の勝利を心からお祝い申し上げます」

「ありがとう。ルシア令嬢と折り入って話したいことがあるので、ちょっと席を外してもらえないか?」

「分かりました、殿下」

エレナを決勝戦に招待するという気持ちまで見せたシアンなのだ。

カリフは、二人だけで話し合えるように雰囲気を盛り上げようと考え、ラファエルとセシリアを連れて控室を出る。

二人だけの空間に気まずい沈黙が流れた。

先に口を開いたのはシアン。

「君が来なかったらどうしようかと思った」

「え?」

「試合場に上がったとき、君の姿が見えた。その瞬間に緊張が解けたよ」

「・・・」

エレナはどう答えたらいいか分からなかった。

シアンの言葉が気分よく聞こえながらもプレッシャーになる。

「言いたいことが多い表情だね」

「ちょっとビックリしました」

「それは私の発言に?それとも、レンを破って優勝したこと?」

「両方です」

エレナが正直に答えると、シアンは憂いに満ちた目つきで言った。

「君のせいだ」

「・・・!」

エレナの瞳孔が激しく揺れる。

いつにも増して慎重で深みのあるシアンの視線に、自身の視線をどこに置けばいいのか分からなかった。

「君が言ったじゃないか、新時代を利用しろと」

「あ」

たった一言。

(すべては私のせいだった。元の歴史が捻れてしまったのは・・・)

薄々見当はついていたが、今は認めることができる。

エレナの言葉と行動が、シアンに大きな影響を与えたということを。

この変化がどこまで起きるのかは見当もつかない。

(何であれ後悔はしてない)

どんな変数が発生しようと、エレナは我慢して甘受するつもりだった。

成熟したシアンがあまりにも誇らしく思えるから。

 



 

「君の意見を受け入れて、私は貴族の対称点に立つことを選択した。そうしてこそ・・・」

「民衆は殿下の味方になるでしょう」

エレナが言葉を受け継ぐと、少し驚いたシアンの口元に笑みが浮かぶ。

「よく聞こえたよ。私を応援する民衆の熱い叫び声が」

「殿下」

「民衆は私の味方になるのではない。私が彼らの味方になるのだ」

シアンは変わった。

貴族に奪われた皇室の権威を求めるのではなく、帝国の根幹をなす民衆のための大義を掲げたのだ。

「そのような覚悟を証明するための出場だった」

「証明されましたね。レン先輩を破って、優勝までなさったのですから」

今回の優勝で、貴族たちは手段と方法を選ばずにシアンを牽制し、圧迫するだろう。

反対に民衆の間ではシアンの武勇談が広がり、皇太子なら腐った貴族を排除してくれるという信頼が生まれるだろう。

「君に聞きたいことがある」

「どうぞ」

「レンが言っていた。私に勝てば君と食事をする約束をしたと。それは本当なのか?」

エレナは口元をピクピクさせる。

「約束はしておりません」

「やはり一方的な強要だったのか」

勘違いだろうか?

シアンの口の端が僅かに上がったような気がしたのは。

「話を聞いて頭に来たよ」

「殿下?」

「君が彼と会うのは嫌だ。今も、そしてこれからも」

「・・・!」

エレナの心臓がヒヤリとする。

 



 

4年生の卒業式を迎える。

奇跡的な剣術祭優勝を生み出した皇太子シアン。

帝国を震撼させた「ベラドナ」の画家ラファエル。

剣術祭でシアンに敗れたが、「帝国の剣」と呼ばれるレン・バスタージュ。

今年のように優れたものたちを一度に輩出した年は珍しかった。

卒業式の前日、エレナはラファエルの画室に向かう。

ラファエルは丁寧に美術品の包装をしており、セシリアはその仕事を手伝っていた。

「先輩たちが卒業だなんて。時間は本当に早いですね」

「私たちが去った後、ルシアちゃんはどうするの?恋人でも作ってみたらどう?」

「何も考えていないですね」

「そうなの?考えのある人は多いようだけど」

セシリアは意味深な発言をして、エレナをからかった。

(私と彼女がこんな関係になるなんて・・・)

画室にある絵はラファエルに保管してもらうことにする。

二人と別れた後、エレナは次の約束の場所に移動した。

エミリオが運営しているレストランに。

「お帰り」

2階のテラスに入ると、カリフが嬉しそうに挨拶した。

「おめでとうございます、先輩。無事に卒業証書を貰えたのですね」

最初の出会いは取引で始まったが、今では信頼できるパートナーだ。

エレナはニッコリ笑って、エミリオと目を合わせる。

それは父娘の視線ではなかった。

「経過報告書を受け取りました。エミリオ様でなければ、大公家の牽制を避けて、これだけの勢力を備えることはできなかったでしょう」

「ありがとうございます。恩人に受けた恩に比べれば些細なことです」

エミリオが丁寧に話す。

カリフは突然の呼称に変化に困惑していた。

「先輩」

エレナは黒縁メガネを外す。

メガネだけを外したにもかかわらず、エレナ本来の顔のラインが現れた。

「お前、なんでメガネを外すんだよ。・・・えっ!?」

混乱したカリフを後方に、エレナは茶色のカツラを外した。

同時に頭を振ると、丸めて抑えていた長い金髪が滝のように流れる。

その瞬間、カリフは驚きの言葉を口にした。

「ベロニカ公女?」

 



 

シアンは確実にエレナに好意を持っていますね。

しかし、彼は卒業するので今後の登場が気になるところです。

そして、エレナがカリフとエミリオに正体を現しました!

彼らの反応が気になりますね。

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