影の皇妃

影の皇妃【94話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は94をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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94話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 新女性

秘密通路に続く部屋に戻ってきたエレナは、ソファに座って一息つく。

ホールでは自分に代わって、カリフがラファエルの新作を発表しているだろう。

「お疲れ様でした。討論まで時間があるので、休んでいてください」

「分かりました」

笑顔を浮かべながら、エミリオが用意してくれた暖かいお茶を飲む。

緊張していた心身が落ち着いた後、戸惑っているメイを呼んだ。

「エミリオさんから大雑把な話は聞いた?」

メイはうなずく。

「本当に・・・、ベロニカ姫じゃないのですか?」

彼女はすでに真実を聞いたにもかかわらず、いまだに信じられないようだった。

「私はベロニカではないわ。彼女の代役よ」

「・・・」

メイはしばらく黙っていた。

頭で理解して受け入れようと絶えず努力する姿が見られる。

「だから私に言ったのですか?本当の子供ではないから?」

「ええ」

「大公を暗殺しようとする私を止めたのはどうしてですか?」

「無謀だったからよ。あなたは失敗しただろうし、私はそれを望んでいなかった。復讐を望むのなら、本当に確率の高い方にかけることを願ったからよ」

淡々としたエレナの言葉にメイの声が震える。

「お嬢様、いいえ、あなたの今までのやり方が?」

「本当に完璧な復讐は、大公家の破滅よ」

今まで解けなかった謎が全て解けた。

大公家の息の根を止めるエレナの緻密さに、メイは身の毛がよだつのを感じる。

「・・・Lは本当に怖い女性ですね」

「あなただけで復讐する?」

メイはしばらく悩んだ末に、決心したように話した。

「私もお嬢様と一緒にいたいです。それでも良いでしょうか?」

「もちろんよ」

エレナは喜びを隠せずにメイの手をギュッと握る。

今日は本当に嬉しい日だった。

サロンがオープンし、堂々とLの名前で帝国に初登場した。

そして、メイを完全に自分の味方にすることが出来たのだから。

 



 

「恩人、もうすぐ討論会が始まります」

「もうそんな時間?」

「お嬢様、討論会とは何ですか?」

メイは正体が分かったにもかかわらず、お嬢様という呼称を変えなかった。

「二人でいるときはLと呼んでちょうだい」

「いいえ、こちらの方が楽ですから。緊張していたら、知らないうちに間違いを犯すことがありますので」

彼女の決心は固いようだ。

「それに、お嬢様は私が見てきた貴族より貴族のようです。母もお嬢様ほどではありませんでした」

「メイ・・・」

エレナは心から自分を信じて従ってくれるメイに感謝した。

「さっき討論会について聞いたわよね?」

「はい」

「サロンでは毎日討論会が開かれるの。身分と地位に囚われないため、仮面で自分を隠して討論をするのよ。今日は私も討論会に参加するつもり」

「お、お嬢様が?」

メイは驚いていた。

「どうしたの?私が参加するのが変?」

「いいえ。そうではなく、私が見てきた貴族のほとんどの令嬢は、討論などをとても嫌がっていましたから」

帝国は他国に比べて女性の人権が高い方ではあるが、その限界は明白だ。

貴族の令嬢たちは、婚期になると政略婚をするのが日常茶飯事であり、社交界活動をしたり夫を内助するのが徳目と思われていた。

(分からないでもないわ。私もそうやって生きてきたのだから)

ベロニカ公女に成り済まして贅沢をし、虚栄心を満たしてきた。

皇太子妃になってからは、シアンの愛情を渇望していたのだ。

「私はそんな決まりきった人生を過ごしたくない」

エレナは主導的に暮らしたかった。

誰にも振り回されず、ひたすら自分の人生を生きようと考えていた。

 



 

エミリオの案内で、ホールのあった場所とは反対方向の廊下に進む。

廊下の端に到着すると討論会場が見えた。

面白いのは、討論場を中心に円形の観覧席が設けられているということ。

待合室に入ると、すでに参加者が到着していた。

約束の時間になりエレナが真っ先に出ると、様子を伺っていた参加者たちもモジモジしながらついてくる。

(相当な度胸がないと、まともに意見も出せないでしょうね・・・)

何人かの参加者は緊張しているように見える。

これほど大勢の人の前で自己主張するのはプレッシャーが重いのだろう。

とにかくエレナは、サロンの第一印象に等しいこの公開討論会を成功に終えたかった。

ソファに座り、テーブルのベルを鳴らして人々の視線を集中させる。

「公開討論会のテーマを公示します」

参加者たちは事前にテーマを知らされているが、参観者たちはテーマについて知らされていない。

「今日のテーマは、人文主義についてです」

「・・・!」

観覧席の人々が驚きを隠せなかった。

エレナが言及したテーマは、非常に難解で難しいテーマだったから。

「それでは私の意見を最初に言います。私は人文主義が人間の幸せと結びつくと思っています。そして・・・」

彼女の主張が続くほど、討論参加者は驚いてしまった。

彼らもテーマに関する主観と主張、そして根拠と反論を徹底的に準備してきた。

しかし、人文主義へのエレナのアプローチは、彼らの予想を遥かに上回るほど破格的だったのだ。

その日、公開討論を参観した男性はそんなエレナを見て呟いた。

「新女性」

これまで数え切れないほど多くの知性を持った女性たちが努力を続けてきたにもかかわらず、冷遇と差別、偏見の中でそっぽを向かれてきた。

エレナだけがそれを可能にしたのだった。

 



 

メイも正式な仲間になってくれて嬉しいですね♪

ヒュレルバードにも仲間になって欲しいですが、彼は大公家の騎士ですから難しいかもしれません。

初の討論会は無事に成功したようですし、これから平民たちも参加できるようになれば良いですね!

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