こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は39話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
39話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アグリチェ家の謀反
謀反が成功してラントが失脚したという知らせが、すぐにアグリチェ全体に広がった。
和合会に出席した一行が帰ってきてから僅か1時間も経っていない時点のこと。
当然、邸内は大きな混乱に包まれた。
しかも、アグリチェを掌握したのは、直前まで邸宅を騒がせた長男ポンタインではない。
「みんな夢中で走り回ってる。アリの群れと同じね」
アグリチェの長女グリジェルダは、急いでいる人々をテラスから見下ろして笑っていた。
彼女はこれら全てがロクサナの計画であることを知っている数少ない人物の一人。
ラントが席を外している間に、審判の部屋に彼を戒める呪術陣を作ったのは彼女なのだ。
グリジェルダは他の面では頭角を現せられなかったが、呪術陣の設計にはかなり素質があった。
「ロクサナ、あの子は本当に普通じゃないわ」
彼女は今の状況にとても興味を持っていた。
ロクサナがこんなに面白い子だと知っていれば、もっと早くそばにくっついていれば良かったと思えるほどに。
アグリチェの実権を握っているのは、ロクサナ、デオン、ジェレミーだった。
他人に知られていた反乱の代表者はデオンだったが、グリジェルダは彼を動かしているのがロクサナだという事実を知っている。
既に屋敷の実権も彼女に移っていた。
グリジェルダもラントを追い出すのに一役買った。
何か理由があるわけではなく、ただ面白そうだったから。
父親に背く行為だったが、別に罪悪感など感じない。
彼を守るべき義務があったわけでもないし。
ラントは、必要ならいくらでも自分の子供を殺すことのできる男だ。
実際、彼が廃棄処分して殺した子供も数人いた。
それならば、その逆の場合も十分に起こり得ることではないのだろうか?
そんなラントの下で生まれ育ったため、グリジェルダを含むアグリチェの子供たちは家族愛を知らなかった。
当時から弱肉強食の競走構図に投げ出され、各自の能力だけで生き残らなければならなかったのだから当然とも言えるだろう。
いずれにしても、ラントの失脚の知らせを聞いて、彼を救おうと心に決めた兄妹はいなかった。
兄妹の多くは、これまで想像すらできなかったこの新しい構図に非常に興味深く思っている。
ただし、邸宅の妻たちは今の状況に多少困惑しているようだが。
グリジェルダは頭の回転が非常に速い。
だからこそ、彼女はすぐにこの全てが何の意味もない無に戻るだろうということに気づいていたが。
「今夜、アグリチェ史上最も盛大な祭りが開かれるでしょうね」
グリジェルダは嬉しそうに笑いながらテラスを出た。
処罰の部屋を守っていた監視人が到着した人物に丁寧に挨拶した後、ドアを開ける。
室内の匂いは、長い間蓄積されてきた血生臭い匂いとさまざまな薬の匂いを漂わせていた。
ラントはその真ん中で縛られていた。
まさに、これまで彼が狩ってきた人間のように四肢を縛り付けられ、鎖をつけたまま、全身が満身創痍の状態で・・・。
ロクサナは立ち止まって、そんなラントをじっと見下ろした。
「ロクサナ、貴様・・・」
ラントは赤い目で彼女を見つめ、血の海のような声を吐き出す。
不気味なほど無表情だったロクサナの顔に、微かに微笑が浮かんだ。
その顔はいつものようにとても美しく、むしろ今の状況と乖離しているように感じられた。
「とてもお似合いな格好をしていますね、お父様」
ガチャン!
「貴様!」
「実は、ずいぶん前からあなたのこのような姿を見たかったのです」
前に軽く踏み出したロクサナの足が、ラントの首に繋がった鎖を踏みつける。
その反動でラントの体がさらに底に下がった。
無理矢理させた屈辱的な姿勢にラントは激しくもがいたが、ロクサナはビクともしない。
「今まであなたの嫌な顔を見るたびに、私が何を考えていたか分かりますか?」
密閉された部屋に静かに響く声は、宴会場の中で流れるメロディーのように柔らかい。
「どんなふうに殺せば、あなたに最大の侮辱と絶望を与えることができるのだろうかって」
しかし、そこに込められていたのは、これまでラントが想像すらできなかった血の滲む呪い。
「そして、あなたが死ぬよりも、もっと苦しめる方法は何だろうかって」
ラントは今すぐにでもロクサナに悪辣を浴びせたかったが、引っ張られた鎖で首が締めつけられて、苦しい息遣いだけを辛うじて吐き出すことができた。
「私の目の前で毒蝶に食われて、苦しそうに死ぬのを見るのもいいかもしれませんが・・・」
ロクサナの言葉に従って蝶々が空中に現れる。
蝶が優雅に羽ばたいてラントの元へ飛んだ。
そして、彼の体の上に降りて、美味しそうな身を齧り出す。
さらに数匹の蝶々が現れ、肉を剥ぎ取るまで、ラントは歯を食いしばって呻くだけだった。
しかし、カサカサする羽音が次第に大きくなり、壁面を染めた蝶の影が、ほとんど灯りを覆うほどまでに増えた時には、彼の顔も青白くなり、呆然としていた。
「今だけは、あなたがアグリチェであることを嬉しく思います。どんな風にあなたを苦しめても、簡単には死なないのですから」
ロクサナはそんな彼を見ながら甘美そうに微笑む。
「ですから、なるべく辛抱してくださいね」
しかし、薄暗い炎が溜まった彼女の赤い瞳の中には、残酷な殺意が溢れ出すように揺れている。
「生きながら、私があなたに受けた恩を返すことができるまで」
残酷な悲鳴が美しかった。
音楽の前奏のような叫び声が処罰の部屋に響き渡る。
蝶に体を食われるのが怖すぎます!
アグリチェ家の人間は中々死なないのですね。
まさに生き地獄。
ラントがこの状況から抜け出すことはあるのでしょうか?
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