こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は43話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
43話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 燃え盛る地獄の門
「姉さん」
その時、廊下の端からジェレミーが現れた。
教育室のある建物から出てきた彼は、書信を持っているロクサナの前に近づく。
ジェレミーの目がチラッと床に倒れている男を掠めた。
「エミリーは何をして・・・、姉さん一人なの?」
「お母様の所に送ったのよ」
ロクサナが答えると、ジェレミーは一瞬黙って彼女の顔を覗き込む。
そんなジェレミーの目つきは薄暗く陰気だった。
「姉さん、言われた通りにやったよ」
審判の部屋で父親のラントを相手にした時や、先ほど異母兄弟たちを扇動して教育官を処理しに行った時とは違って、いつもジェレミーだった。
彼はロクサナの命令に従う覚悟ができていた。
縁起の悪いデオンがロクサナのそばにべったりくっついているのは不満だったが、彼女の命令があったからジェレミーはこの3年間一度もデオンに触れなかったのだ。
以前とは違って、今はデオンに負けそうになかったが、ロクサナが望まなかったため、ムズムズする手を握りしめて、好奇心をグッと抑えて耐えてきた。
分別のない心で勝手に行動したのは、3年前、ロクサナのオモチャであるカシス・ペデリアンを誤って危険に晒した時が最後。
ジェレミーは今、ロクサナの隣で彼女が本当に必要とする人になりたかった。
だからこそ、彼女の望みなら何でも自分の手で叶えてあげたかった。
ロクサナがアグリチェを欲しいと言うなら、それを持ってきてあげるつもりだ。
もし彼女が父親のラントを惨めに殺したいと言ったならば、喜んで先頭に立つだろう。
しかし、ロクサナがラントを追い出した後、ジェレミーにやらせる事はどこか変だった。
これはまるで・・・、最初からアグリチェを支配することが目的ではなかったかのよう・・・。
「ええ、よくやったわ。最後にこの人を使用人たちの所へ運んでくれるかしら?」
ロクサナはジェレミーの動揺に気づいていないかのように静かに話した。
それでジェレミーも、首の端までそびえる疑問と不安を飲み込んだ。
「うん、分かった」
いずれにせよ彼は、ロクサナが望むことなら、それが何でも助けたかったから。
ジェレミーが別館に向かう後ろ姿を見て、彼が完全に視界から消えた後、ロクサナは引き返す。
壁の蝋燭で信書を燃やし、まだ火種が残っている紙を反対側の窓際のカーテンに寄せる。
ゆらゆらする炎が厚い布にたちまち燃え移った。
ロクサナは無表情のまま徐々に広がっていく炎を見つめ、立ち止まっていた体を動かす。
ウウウウン!
侵入者を知らせる警報が廊下に鳴り響く。
しかし、その間に続くロクサナの歩みには一寸の揺るぎもなかった。
命令を受けた蝶があちこちに散らばる。
彼女の背後でさっきより巨大になった炎が地獄の門のように口を開けた。
新年の初めの月。
その終わりで青のペデリアンが黒のアグリチェの城門を破って攻め寄せてきた。
武器と甲冑がぶつかる音が夜の静けさを破り、凍りついた冬風の間を駆け抜ける。
ペデリアンは水も漏らさず、アグリチェの周りを包囲したまま四方から猛攻撃を浴びせた。
前を塞ぐ敵を一気に切り倒したカシスが命令する。
「逃げる者は追うな!ラント・アグリチェの身柄確保を最優先にする!」
武器を持たない者と逃げる物は攻撃しなかった。
目的はアグリチェにいる人々の皆殺しではないのだから。
騒がしい中、誰かが飼育場のドアを開けたのか、アグリチェの内部はいつの間にか魔物と人間が入り乱れて修羅場となっていた。
カシスは一歩も止まらずに、前に立ちはだかるものを全て一掃した。
顔を上げると、炎が燃え広がる建物に視線が引かれる。
彼はそこに誰がいるか知っていた。
既にすべての準備を終えたにもかかわらず、すぐに目の前の城を侵略して攻撃しなかったことは、彼に出来る最大の忍耐であり礼遇だ。
アグリチェが投降したとしても、カシスは止まらないだろう。
あの炎の向こうにいる彼女が望むことも明らかに同じなのだから。
魔物の返り血でぶるぶる震えているアグリチェの配下を見下ろしながら、カシスは冷ややかに聞いた。
「ラント・アグリチェはどこにいる?」
ロクサナの目的はアグリチェの崩壊なのですね。
彼女自身はどうするのでしょうか?
そして、ロクサナの計画をカシスも知っていたのですね。
一体いつから?
三年前から?
https://recommended.tsubasa-cham.com/trash-of-the-counts-family-matome/
https://recommended.tsubasa-cham.com/survive-maid-matome/