ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜

ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜【44話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。

今回は44をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!

アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。

そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。

その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。

アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。

最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。

ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。

シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。

カシス・ペデリアン:シルビアの兄。

ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。

アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。

ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。

シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。

デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。

シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親

マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。

エミリー:ロクサナの専属メイド。

グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。

ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。

リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。

ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者

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44話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • side ポンタイン

「ちっ、一体何がどうなっている?」

ポンタインが噛み締めるように独り言を呟く。

地下の牢屋はさっきから静かだった。

鉄格子の前を守っていた部下たちも、いつの間にか全員消えている。

彼は機敏に周囲を見回しながら、足枷を外すために努めていた。

すると、遠くから地下の牢屋の扉が開く音が聞こえた。

ポンタインは動きを止めて、鉄格子に視線を向ける。

そして目の前に現れた人物を見て、彼は表情を歪めるしかなかった。

地下を訪れたのはデオン。

 



 

「ラントは?」

「もう父さんとも呼ばないのか?」

ポンタインの皮肉にもデオンは反応を見せない。

「中にいないのであれば、逃げたんじゃないのか?」

ポンタインはそう言って、歯軋りをする。

処罰の部屋に閉じ込められていたラントが、半死半生の状態で地下の牢獄に移送されたのは1時間ほど前だった。

しばらくの間切羽詰まった声で、怒りに満ちた呪いを噛み締めて吐き出す声が、遠く離れているポンタインの耳にまで流れ込んできたほどだ。

それでもある瞬間から静かになって気絶したと思っていたのに、いつの間にか一人で逃げ出したなんて・・・。

(くそっ・・・)

「おい、デオン。どうせ父さんの席を奪うために私を利用するのなら、こんなにまでする必要はないはずだ」

ポンタインは、地下牢から抜け出すため、ひとまずデオンを懐柔することにした。

「もともと私は首長になるつもりなどなかった。けれど、ロクサナがずっと横で提案してくるから、ちょっとハマっただけなんだ」

最初は殺されると考えていたポンタインも、今の状況が自分にとって有利だと思い始めた。

(デオン。あんなに孤高なふりをして、結局、貴様が望むことは私と同じじゃないか!)

そう思うと、声を張り上げて、目の前にいる腹違いの弟を嘲笑いたいくらいだった。

これまで本音を見せなかったデオンよりも、今の彼の方が懐柔しやすく感じられる。

「今私を出してくれれば、この手で直接父の首を取って君にやる。私も父さんのことは嫌いだったからな。だから、いっそのこと君が首長になれば、私も今までより君と仲良くなれると思うのだが?」

もちろん、実際にデオンに属して彼の靴を舐める気もないのだが。

「望むのあれば、アグリチェを離れて死んだように静かに暮らす。それでも疑いがあるなら念書も書こう。これから絶対に君を邪魔することはないから」

しかし、デオンの口からこぼれた無感覚な音声が、ポンタインの口を止める。

「とんでもない錯覚をしているのだな。お前が私の邪魔になる存在だと思っているなんて」

「え?」

「今までもそうだったし、これからお前が何をしても、私の邪魔になることはないだろう」

(この野郎・・・!)

こんな瞬間でさえも無視されていることを悟ったポンタインの目から火の粉が飛ぶ。

 



 

しかし、ポンタインは食いちぎった歯の間で噛み締めるような声を吐いた。

「それだったら、ここで私を解放してもいいのでは?こんなに警戒するように牢屋に閉じ込める必要が?」

デオンは無言だった。

沈黙が長くなるほど、ポンタインの苛立ちも徐々に育っていく。

「何をそんなに長い間悩んでいるんだ?」

催促すると、ついにデオンが口を開く。

「今この扉を開けて入って、お前を殺そうかと思っていた」

「な・・・」

「そう言えば、私はお前が気に入らなかったかもしれない」

「ち、ちょっと待て・・・」

「特に、その目をくり抜いてしまいたい時があった」

何を間違えたのか、突然デオンが態度を変える。

いや、別にポンタインに対するデオンの態度が変わったわけではない。

彼は依然として肌寒い表情を浮かべながら、ポンタインのいる窓際に近づく。

「お前・・・!まさか本気なのか!?」

「本当に自分を殺そうとしているのか?」と考えてポンタインは呆然とした。

ぎいいい!

鉄格子の開く音がいつにも増してゾッとする。

デオンの足が鉄格子越しに動いた。

冷たい視線がポンタインの顔に集中する。

ウウウウウン!

その瞬間、外で騒々しい音がした。

中に入ってくる時、地下の扉を開けたままにしたのか、大きな騒音が聞こえる。

それは侵入者の警報音。

鉄格子の扉を押し開けていたデオンは動きを止めた。

彼は遠くにある扉を鋭く見つめる。

ポンタインは呼吸さえまともに出来ず、そんなデオンを見守っていた。

しばらくして、再びデオンが足を運び始めると、彼は思わずビクッとしてしまう。

しかし、デオンが向かった場所は、ポンタインのいる鉄格子ではなかった。

彼にとっては幸いなこと。

そのまま向きを変えたデオンは、地下入口の扉の方に向かう。

ポンタインはデオンの姿が視野から消え、彼の足音まで完全に聞こえなくなって初めて、我慢していた深い息を吐き出すことが出来たのだった。

 



 

ラントは本当に逃げた?

これもロクサナの作戦通り?

まだ逃げたか分かりませんが、デオンが様子を見に来たところを考えると、脱走した可能性は高いですね!

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