こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は108話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
108話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アヘンの取引
「ここのようね」
エレナは熊の仮面の男に言われた通り、2階の廊下の突き当たりの部屋の前に立つ。
他の部屋に比べて大理石の扉が非常に大きいことから、用途が明確に違っていた。
「どうされましたか?」
扉の前にいる男がエレナに尋ねる。
「天上の粉を買いたいのです」
男はエレナとヒュレルバードを一瞥した後、扉をノックする。
すると、部屋の中から女性が現れた。
「誰?お客様?」
「ええ、お客様です」
ドアの隙間からそっと現れた女性の服装は下品だった。
主要部位を除いた太ももと骨盤、胸骨まで露出している。
女性はエレナを上下に眺め、興味なさそうにヒュレルバードに視線を向けた。
彼女はベタベタした視線で彼を見ながら舌なめずりをする。
「あら、素敵なお兄さんもいらっしゃるのね。入ってちょうだい」
女性が手招きすると、エレナとヒュレルバードが部屋の中に入った。
最も目を引いたのは、各種動物の毛と皮で作られた剥製と装飾。
家主の好みがハッキリと分かる怪奇なものだった。
「お客様か?」
カーテンの向こうから角の生えた奇怪な仮面をかぶった男が歩いてくる。
(彼がアヘンを扱う中間流通者のようね)
上半身を露出させたままズボンだけを履いているが、その姿は野蛮だった。
「・・・薬好きのようには見えないけど、天上の粉を買いたいのか?」
男の質問にエレナは答える。
「だからここに来ました」
「どうして買いたい?」
「理由が重要なのでしょうか?」
エレナの反問に男はニヤリと笑う。
しかし、すぐに笑みを消して、鋭い目つきで彼女を見た。
「必要だとも。ここに男女が一緒に来たのは初めてなんだ。誰かと一緒に来る奴には必ず後ろめたいことがある」
「偏見ですね」
「だから答えてほしい。どうして買おうとする?」
男はなかなか鋭いところがあった。
そのため、点組織で構成されたアヘン組織の中間流通者としての席にいるのだろう。
エレナは事前に準備した通りに話す。
「貴族相手に使う用事がありますので」
「貴族?じゃあ、売れないな。顧客が重なるじゃないか」
「心配しないでください。帝国貴族ではありませんので」
「・・・なるほど。それで量は?貴族ということは、一人や二人ではないようだが」
「10kg」
「・・・!」
エレナが出来高を示すと、男の仮面越しの瞳が大きくなる。
現在流通している天上の粉の場合、10kgあれば千人が一度に吸い込むことが出来るとてつもない量だ。
男が中間流通者の役割を担って以来、これほど多くの量を買いたいという人物は初めてだった。
「本気か?」
「嘘をつく理由はないじゃないですか」
男の目が細くなる。
「支払うお金は?」
「なければ最初から来ていないでしょう?」
エレナは文句を言うように答える。
同等な目線で取引しに来たことを知らせ、彼に侮られないようにしたのだ。
しばらく黙っていた男が、突然態度を急変させる。
「おやおや!これは大きな顧客でしたね。どうぞ、そちらに座ってください」
「立っている方が楽なので」
エレナが拒絶の意思を見せると、ドアを開けてくれた女性がヒュレルバードに近づく。
「そこに立っていらっしゃるお兄さん、こちらに座ってください」
「近寄るな」
ヒュレルバードは警告した。
しかし、女性は気にもしないように笑い、彼に色目を使う。
「緊張しているのですか?じゃあ、私が座らせて___」
「二度言わせるな」
霜柱のように冷たいヒュレルバードの警告に、女性は氷のように固まってしまう。
ヒュレルバードが流した殺気に、女性は全身を震わせて近づくことが出来なかったのだ。
不思議に思ったエレナが彼を見上げた。
断固として女性の接近を拒む理由が気になったから。
ヒュレルバードが冷徹な視線を女性から漏らさずに言った。
「あの女性は熟練した暗殺者です」
「・・・!」
エレナは驚いた。
ただの世話をする女だと思っていたが、短刀を隠しているとは夢にも思わなかったから。
「それが全てではありません。カーテンの向こうに二人の暗殺者が身を隠しています」
「本当ですか?」
「・・・」
エレナの問いかけに、仮面の男は口を開かない。
沈黙は肯定を表しているのだろう。
「面白いですね。お客さんにこのように対応するなんて」
「ああ、誤解しないでください。ここは薬に狂った人が溢れていますので、私も自分の身を大事に考えるとなると、彼らのような人物を近くに置かなければならないのです」
男の厚かましさには呆れたが、エレナはそれ以上追求しないことに。
目先の感情や気分より、この取引を成立させることが重要だったから。
「本題に戻りましょう。私は見た目ほど忍耐力が強くありませんので」
軽い警告で終わると、男は焦るように話を続けた。
「先ほど10kgと言いましたよね?」
「可能ですか?」
「率直に言います。現在、それほどの量はここにはありません」
「出来ないと?」
「そうは言いません。10日後にもう一度、この時間に、この場所に来ていただけないでしょうか?」
男の提案にしばらく悩み、エレナはうなずく。
「いいでしょう」
用件を終えたエレナは、この汚い場所にいたくないのか、背を向ける。
すると、男が後ろから彼女を呼んだ。
「ああ・・・、重要なことを話していなかったです。・・・末端がこの取引に悪戯をした場合は好ましくありません。賢いあなたには、この意味が理解できますよね?」
エレナは後ろを振り返り、同じように切り返す。
「そちらこそ。あ、老婆心にする話ですが、尾行という考えはしないでくださいね。私の隣にいらっしゃる方も、それほど寛大な性格ではありませんので」
そして、冷たく体を回転させて部屋を出る。
この汚い舞踏会場にもう1秒もいたくないので、急いで外に出たのだ。
エレナはアヘンを大量に購入して何に利用するつもりでしょうか?
これだけの量を一度に購入すれば、大公家が繋がっていた場合にバレてしまうのでは?
もちろんエレナも想定済みだとは思いますが・・・。
そして、ヒュレルバードはやはりカッコいい!
彼はまだ騎士としての経歴は浅いはずなのに、実力の高さが垣間見えますね♪
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