ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜

ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜【52話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。

今回は52をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!

アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。

そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。

その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。

アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。

最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。

ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。

シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。

カシス・ペデリアン:シルビアの兄。

ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。

アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。

ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。

シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。

デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。

シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親

マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。

エミリー:ロクサナの専属メイド。

グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。

ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。

リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。

ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者

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52話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 静かな囁き

もちろん馬車の中にいた時から予想していたことではあったのだが、このように直接確認してみると失笑せざるを得なかった。

私はカシスに向かって冷ややかに尋ねる。

「じゃあ、私は捕虜?それとも戦利品?」

燃え盛ったアグリチェ。

廃墟と化した土地。

記憶が混乱している中でも、その光景だけは目に焼き付けられたように鮮明だ。

そうしたのが彼で、そうなるまでアグリチェの扉を開いたのが私だった。

その事実だけは忘れることが許されなかったかのように忘れることができない。

今更、それに不満を感じているわけではなかった。

私は和合会の日、カシスが公式の場に現れる可能性もあるという事実も前もって知っていたし、あの時からペデリアンがアグリチェに刃を向けるという事実も推測していたのだから。

だから私も、わざとあの日に決めたのだ。

ペデリアンの手を借りて、アグリチェを完全に潰すために。

カシスをはじめとするペデリアンの人々がこのように移動しているのを見ると、予定された手順で事が進行したことは明らかだった。

しかし、今私の目の前にカシスがいる現実は計画にない。

アグリチェの最後の日、私は一人で旅立つつもりだった・・・。

 



 

「何の目的で、私をここまで引っ張ってきたの?」

カシスはしばらく黙って、私をじっと見下ろした。

私の顔を見つめる目には、動揺一つない。

しばらくして彼の顔に一瞬の感情が走る。

しかし、余りにも刹那の事だったので、それが何なのかまだ把握できなかった。

次の瞬間、カシスは私に手を伸ばした。

冷ややかな暖かさを抱いた指が触れた瞬間、ぎくりとした目つきを震わせる。

カシスの手はそんな私の額を掠め、頬に触れた。

撫でるような優しい手に、思わず顔が強ばる。

「また熱が上がってきた」

周りの人たちが、カシスを静かに見ているのを感じた。

その中で彼だけが淡々とした表情を浮かべている。

すぐに彼の手が私の顔から離れた。

「イシドール、今日はここで幕を張る」

「ええ、準備させていただきます」

ずっとカシスの後ろに立っていた男が答える。

カシスの視線は、再び私に向けられた。

「熱のせいで寒さも分からないのか?そんな格好で外に出るなんて」

叱ったり情けなさそうな口調で言われる。

「相変わらず、自分の体を大事にしないのだな」

しかし、私を見つめるカシスの顔に映った感情は、そうではなかった。

続いて彼はマントを脱いで、私の身を包む。

いや、包むというより、風が少しも漏れないように、ほとんど縛ったも同然だ。

それからカシスはそのまま私を抱きしめる。

その一連の行為があまりにも自然であったのか、周りにいた人々はおろか、私さえ彼に抗議の言葉も出せなかったほど。

カシスは私がまるで人間ではなく藁の山のように軽々と持ち上げて、少しの揺るぎもない足取りで馬車に向かって歩いた。

 



 

彼は私を再び馬車に連れ込んで、再び横にする。

そして、私がさっき脱いだ毛布を持ってきて、体の上に被せられた。

全身に食い込む柔らかな温もりで変な気分に。

「・・・私を縛っておいた方がいいんじゃない?」

沈んだ声でそう聞くと、カシスの視線がちらっと私の顔の上に落ちた。

「君にそんな趣味があるとは知らなかった」

そういう意味ではないと知りながらも、彼は冗談半分で答える。

「残念ながら私の趣味ではない。しかし、君が望むなら考慮ぐらいはしてみよう」

「私が逃げたらどうするの?」

「また連れて来ないといけない」

私はその答えに口をつぐむ。

「捕まえないと」じゃなくて、「連れて来ないと」って。

一体、彼は私をどうしたいのか感じられなかった。

「そんなに雑念が多いから、しきりに熱が上がるのだろう。違うか?」

低い声で私に耳元をくすぐった後、涼しい手が目元を覆う。

熱があるという言葉が本当なのか、カシスの手が清々しく感じられた。

再び耳元に静かな囁きが聞こえてくる。

「心配しないで休みなさい。君が気遣うべきことは、もう何もないのだから」

不思議なことに、その声を聞いている間にクラクラしていた心が徐々に静まってきた。

私の記憶が絶たれた後、アグリチェはどうなったのか。

また、母親やジェレミー、そしてデオンとラントをはじめ、アグリチェの人々はどうなったのか。

カシスの意見によると、今ではそのような考えを完全に裏切ることができたようだ。

今、私のそばにいる人も、また馬車の外にいる人たちも、皆、ペデリアンから来た人たち。

だからこそ、今私は敵陣のど真ん中にいるとも言える。

しかし、嘘のようにアグリチェにいる時よりも安らかな気持ちで目を閉じることができた。

朧げになる意識の向こうで、何だかそれがちょっとおかしいなと・・・、私は思った。

 



 

カシスの真意は分かりませんが、ロクサナに危害を加えるつもりはなさそうです。

ペデリアンの部下たちがどう思っているのかが気になりますが・・・。

突然現れたロクサナの正体を、彼らは知っているのでしょうか?

イシドールは理解していそうですが。

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