こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は116話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
116話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 狼の助け
「がっ!」
ウォルフォードは呻き声を上げて、巨大な体が倒れて、彼は意識を失った。
シアンがウォルフォードを制圧すると、勢いよくリンドン伯爵たちを攻撃していた覆面たちに戸惑いが生まれる。
何人かは驚異的なシアンの剣術に怯えている様子だ。
「後のことは任せよう」
「はい」
リンドン伯爵の答えはベンに向けられた。
「方角は?」
「最後に見たとき、東南部方向の時計塔を通り過ぎていたのですが・・・」
シアンは躊躇うことなくベンの説明する方向に身を躍らせた。
ウォルフォードの身柄を確保した以上、後始末はリンドン伯爵が実行すると信じて。
「急がなければ」
時計塔の近くに到着したシアンは、獲物を狙う鷹のように周囲を見回す。
首都の東南部は、有力貴族が密集した地域であるため、広大な面積を誇っているのだ。
「あれは?」
遥か遠くに真っ黒な点が動いているのが見える。
躊躇うことなく追いかけるが、安心はできなかった。
なぜなら、いつ見失ってもおかしくないほど距離が離れているから。
無理にでも距離を縮めようとするが、距離はなかなか縮まらない。
覆面の男たちは地理を熟知しており、徹底して闇に身を隠して動いていたからだ。
そして、ある時点を期して覆面の男たちはシアンの視野から姿を消した。
「ここまでか・・・」
最後に覆面の男たちがいなくなった場所に到着する。
「大げさに振る舞う必要はないだろう。待っていようか」
エレナの計画通りであるならば、覆面の男たちはアヘンに代わる葉っぱを持って会場に戻らなければならない。
夜明けになると、帝国を離れると釘を刺したからだ。
その時だった。
怪しい人影を感じたシアンが神経を尖らせる。
「・・・!」
耳を疑った。
鳥の鳴き声でもないそれは誰かの口笛。
音の震源地を見ると、このような状況に似合わない男がフラフラと歩いていた。
そして狼の仮面をかぶっている。
「君は・・・」
シアンは一目で狼の仮面の男の正体を見抜く。
「なんで君がここに?」
「散歩の途中ですが?」
シアンの追及にもかかわらず、狼の仮面の男がニッコリと笑いながら切り返す。
「なぜここにいるのかと聞いたのだ」
「なぜって?助けようと思って」
狼の仮面の男は意味深な笑みを浮かべて、あごを使ってある場所を指さした。
そこには堀が2倍の高さの鉄格子で出来た門が。
「タノトス伯爵家。カラスのように真っ黒な二人がそこに入っていきましたよ」
「・・・!」
驚くシアンの反応を楽しむように、狼の仮面の男は肩をすくめた。
「・・・なぜだ?」
「笑ってもらいたい人がいるから」
そう言い残して、狼の仮面の男は漆黒の暗闇の中に姿を消す。
彼が去った後、その場所を見ていたシアンが小さく呟く。
「君も知っていたのか、レン」
「退屈だと思うから、一杯飲んだらどうだ?」
ソファの向かい側に座る男が、エレナにお酒を勧める。
「遠慮するわ」
「どうして?毒でも入っていると?」
答える価値を感じないので無視して、視線を窓の外に向けた。
(殿下は大丈夫かしら?)
急いで出した計略だったが、それなりに緻密に準備したはず。
シアンの実力ならば尾行も問題ないと判断したのだ。
(もし栽培地を発見できれば、・・・大公家に致命的な打撃を与えられるかもしれない)
エレナはアヘン流通で稼ぐ収入を、大公家全体収入の3割程度と推測していた。
ギルドによる情報と、シアンが与えた情報を基に下した結論だから外れてはいないだろう。
今回の作戦が成功すれば、天文学的な資産を保有する大公家であっても動揺するはずだ。
時間が遅く感じる。
外の状況を知らないエレナにとっては、そう感じるしかなかった。
すると、いきなり外が騒がしくなる。
馬の鳴き声と馬車の車輪が転がる音。
仮面舞踏会が幕を閉じ、貴族たちが帰る時間と検討がついた。
「・・・取引はなかったことにしましょう」
エレナがソファから身を起こすと、男が慌てて引き止める。
「ちょっと落ち着けよ。夜が明けるまで、まだ時間は残っている。もうすぐ来るはずだ」
「言ったはずです。出航時間に合わせて出発すると」
「分かるだろ?手ぶらで帰れば、そっちも不利益なはずだ。もう少し待ってくれ」
納得したふりをして、エレナはソファに座りなおす。
(最悪の状況も考慮しないと・・・)
シアンが失敗するとは思っていない。
しかし、人が計画したことには、いつも思いがけない変数が生じるものだ。
そんなはずがないと考えているが、エレナは計略の失敗も計算に入れている。
失敗した場合、「角の仮面の男」との関係がここで断絶されては困るから。
レンの助けがここで入るとは予想外でした。
彼の言葉の意味は、エレナへの好意的感情と考えても?
そして、シアンは無事にエレナの計画を成功させることができるのでしょうか?
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